DAILY MORE

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芳麗

NHK山形放送局のキャスター業を経て、ライターとして活動開始。デビュー雑誌がMORE! 以来、10年以上にわたってMOREで執筆。 ロングインタビュー、 女心をつかんだコラムに定評があり、書籍、雑誌、WEBなど数多くの媒体で連載・執筆する。著書『相手も自分も気持ち良く話せる秘訣』『Love リノベーション』(主婦の友社)など。 【公式HP】http://fafa-yoshirei.com/ 【ごあいさつ】 MORE読者のみなさん、こんにちは! 芳麗です。 ここでは、恋に効きそうなカルチャーやライフスタイル。わたしが恋したこと、もの、人を紹介していきますね。よろしくお願いします。

aikoの秘密が色っぽすぎて、恋と夢が鮮やかすぎて、眠れなくなった

最近は、aikoの新作「May Dream」を繰り返し聴いています。

初めは、“dream”だけに眠る前に聴いたら夢見が良いに違いないと思い、静かな夜、ヘッドフォンをしてプレイボタンを押したら…
一気に引きずり込まれて、五感が覚醒して、心身が揺れ振られ、もう大変なことに!
はからずも、涙腺が緩んで、あとはもう。

私が情緒不安定なわけではありませんw

aikoの音楽には、不意打ちで聴き手の記憶や感覚や感情をえぐるような不思議な力があるのです。
最近は特にそう。

「May Dream」aiko


本作のみならず、aikoの音楽は、最初にヘッドフォンで聴くのがオススメ。
1人の夕暮れ時や眠る気のない夜だとさらにいいです。
大音量のスピーカーで聴くのも最高だけど、まずは1対1で向き合うように、歌いだす直前のブレスから耳を澄ましてみてほしい。

なぜなら、彼女の音楽には、いつも大切な“秘密”が潜んでいるから。

私は、優れた作品(音楽や小説はもちろん、エッセイやコラムやビジネス書だってそう)には、必ず、大事な“秘密”が描かれていると思っています。

ここでいう秘密とは、その作者にしか知りえない大切な何か。
本人にとっては、告白するにはとても恥ずかしかったり、勇気がいったりすることだけれど、それでも表現したいこと、表現してしまうこと。

aikoの曲には、いつもそんな秘密が込められているから、1人でこっそり聴きたいと思うのです。

たとえば、本作中の1曲「合図」では、「あなたの秘密になりたい」と歌っています。
不倫のように、他者には言えない秘密の恋愛が描かれているのだけれど。
2人の恋の儚さと同時に、秘密だからこその甘辛い幸せや、複雑な関係の面白みも生々しく歌われています。

とても色っぽいです。

aikoの音楽は、一般的には可愛いとか切ないとかある種の狂気などと評されることが多いけれど、私は、それ以上に色っぽさと生命力を感じます。

それも、やはり「秘密」のせいかも。

好きな人をすみずみまで観察する五感の鋭さか、色恋について突き詰めている探究心や、類い稀な妄想力のせいか。
あるいは、aikoにしか紡げない不思議なメロディラインや、甘く柔らかいようで、常に神聖で緊張感を漂わせているボーカルの威力か。

とにかくすべては秘密めいていて、聴き手としてはいちいちドキドキしたり、ふんわり宙に浮いたり、悶えたりしてしまうのです。

ドラマ「ダメな私に恋してください」の主題歌でもあった「もっと」なんて、全身をあずけて聴けば、そのサウンドやボーカルのエモーションに溺れそうなほどの快感を味わえます。



今作は、安らかな眠りを誘うような音楽ではないけれど、たしかに“夢”がテーマです。

1曲めの「何時何分」は、静謐なメロディとともに、
「鞄の中の“あめちゃん”を探していたら、ゴミ屑と失くしたはずの指輪が出てきた」という、本作の彼女を物語るような象徴的な場面から始まります。
でも、そんなAメロから、まさかの大胆な展開(サウンドも物語も)に、圧倒されます。
サビの「さようなら」と「愛してる」というシンプルなワードのリフレインに、不意打ちで心の奥を掬い上げられたかのような感覚を覚えて、泣けてくる。

恋愛がテーマの作品だと聞くと、ピュアで甘やかな夢を想像しがちだけれど、ここに甘チャン的な甘さは微塵もなく、むしろ、深い孤独や苦みが極まっている。
aikoは、それを音楽を通じて自覚的に味わい尽くしているのだなと。

これって、ずっと変わらずに一途に恋や愛を大切に思いつつも、一方では、成熟した大人でなければ辿り着けない境地ではないかと。

音楽家としても、女性としても、潔くてかっこいいなと改めて。
彼女史上、最も濃密でドラマティックな作品です。

aikoの探しているもの、失くしたものは何なのか?
ずっと、求めている愛とか、見続けている夢って?

本作を何度も聴きながら、このコラムを書いていたら、ふと、
「夢は1人でしか見られないものだけれど、いつか愛する人と一緒に見れる日が来ることを信じることはできる。
たとえ、夢は見れなくても、夢のような景色ならば一緒に見れるかもしれない」
そんなことが浮かびました。

aikoの音楽のせいか、眠れなくて、でも、それが気持ちいいーー。
もっと、もっと、聴きたい1枚です。

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