ミシェル・ゴンドリー監督の魅力炸裂! 夢の画像_1
『エターナル・サンシャイン』や『恋愛睡眠のすすめ』、『ムード・インディゴ うたかたの日々』など、ファンタスティックで独創的な作品を多く手がけてきたフランス人映画監督、ミシェル・ゴンドリーの最新作です。2014年に東京都現代美術館で「ミシェル・ゴンドリーの世界一周展」が開催され大きな反響を呼んだことも記憶に新しいのですが、彼の作品を見ていると、天才の頭の中をのぞいているような感覚になる、夢あふれるキュートでユニークな世界観に魅了されます。 時にアニメーションを挿入するなど実験的な作品もあるのですが、本作はゴンドリー監督にしてはシンプルでストレートな印象。というのも、これは「100%僕の思い出からできている。僕が体験したことを元に冒険したかったんだ」と語る自伝的青春映画だから。14歳の少年2人が、夏休みに車で旅する様子をみずみずしく描いた爽やかなロードムービーに仕上がっています。しかもこの作品の製作の後押しをしたのが、『アメリ』で知られる女優のオドレイ・トトゥだというのがおもしろいところ。当時映像化不可能なカルト作を手がけなければならず、大きなプレッシャーを感じていた監督に、もっとパーソナルで落ち着いた映画を作るようにアドバイスしてくれたそう。その言葉通り、絵を描くことが大好きだった自身の少年時代を主人公ダニエルに投影し、友人との思い出をもとにひと夏の冒険を描くことにしたそうです。 劇中に登場する車は、廃材を集めて作った主人公たちの自作。しかも大人に見つかったときに怪しまれないようログハウス風にし、スイッチひとつで車輪を板で隠し本物の小屋にカモフラージュできる仕組み。「そんな計画うまくいくはずないでしょ〜」と夢のないツッコミを入れたくなりますが、もちろんそこはファンタジー。映画を作ることによって、子供の頃の夢を現実にした監督の遊び心はさすがです。オーディションで見出したダニエル役のアンジュ・ジャルダンや友人テオを演じたテオフィル・バケ、ダニエルが思いを寄せるローラを演じたディアーヌ・ベニエなど、フレッシュなキャストたちも超絶チャーミング。母親役でオドレイ・トトゥも登場するので注目を。ほのぼのした旅の後に待ち受けるちょっぴり切ない結末は、青春時代に終わりがあること、そして、終わりがあるからこそ美しいのだということを再認識させられます。 (文/松山梢) ●9/10〜YEBIS GARDEN CINEMA他にて全国順次ロードショー ©Partizan Films- Studiocanal 2015
映画『グッバイ、サマー』公式サイト