アニキ

アニキ

今年本厄の3児の父。ってことで「アニキ」ではなく、本当は「オヤジ」が正しい編集部の黒一点。『週刊プレイボーイ』(男塾)→『MORE』(女子の園)という異例のキャリアの持ち主でもある。
「モツ煮&ハムカツ&黒ホッピー」があれば、他になにもいらない“ひとり呑みニスト”。ホームグラウンドは横浜・野毛。
好きなことわざは「他人のふんどしで土俵を取る」。過去に取材した数多くの偉人・偉才の考えや言葉を多用して、モア世代の悩みを解決しますよ。

【お悩み4杯目】元カレが忘れられない……。結婚の約束もしたのに……

【お悩み4杯目】元カレが忘れられない……。結婚の約束もしたのに……_1
アニキ:土曜の夜にひっそり更新している「居酒屋アニキへようこそ!」。第4回目は、ついに一般のモアガールがゲスト。本誌スタッフのご友人・高橋さん(仮名・28歳)。プライバシーの問題もあるので、ちょこっとモザイクかけさせていただきますね。では高橋さん、お悩みを。


高橋:ちょっと重いけどいいですか。私、元カレが忘れられないんです……。4年間付き合って、結婚の約束もしたのに、1年前にフラれてしまって。それ以後、ほかの男子といい感じになっても、彼を想い出してしまって……。「彼だったら」「彼と一緒なら」と、いつも考えてしまい、どうしても新しい男子を好きになれないんです……。こんな私が新しい恋愛をできるのでしょうか?


アニキ:ははあ。ついにきましたね! モアの恋愛記事でも何度もテーマになっている、“元カレが忘れられない”問題。もちっと詳しく聞かせてプリーズ!


高橋:同い年の彼と出会ったのは友人の紹介で当時23歳。すぐ好きになり付き合い始めました。その後、彼の仕事の都合で遠距離恋愛にもなったけど、私たちはそれも乗り換えたし、お互いの両親にも会いました。付き合い当初から「プロポーズするから待っててね」なんてことも言われて、ラブラブだったんです。それなのに……。いつまでたってもプロポーズがないし、多忙を理由に彼も怒りっぽくなってきて……。そして、突然ちゃんとした理由もわからないまま彼にフラれたんです。私、立ち直れないほどのショックを受けて……。


アニキ:いま「加賀廣 神保町店」にいたる、と。


高橋:でも、私、頑張ったんです。彼を忘れなきゃと思っていろんなことも試したんですよ! 聞いてくれますか? 題して、「カレを忘れるためにした10のこと」!!!


アニキ:まんま、ネットのヒット記事になりそうなタイトル! いやいや、どうぞ。


高橋:「1/傷心旅行で海外ひとり旅に行く!」「2/伸ばしていた髪を切る!」「3/ひとり暮らしをはじめる!」「4/“元カレ・復縁・忘れる”など関連ワードをググる!」「5/合コン三昧!」「6/(好きでもない)男子とデートをしてみる!」「7/社会人サークルに入る!」「8/占いや厄払いに通う!」「9/彼と行っていたディズニーランドに別の男子と行く!」「10/フェイスブックを始める!」


……でも、でも、やっぱり忘れられないんです~!


アニキ:うんうん、その努力はすばらしい。しかも、俺のお悩み解決法のひとつ「ググる」でもダメだったかあ。となると、やっぱり「ことわざ」しかないね。つらい気持ちを抱えている高橋さんには本当に申し訳ないけど、俺、“元カレ問題”には、個々のストーリーは関係なく、この『ポケット版 ことわざ新辞典』(高橋書店)のP271にあることわざがすべてだと思ってるんです。読んでみて。
高橋:「覆水盆に返らず」。意味は「一度したことは、取り返しがつかないというたとえ。また、別れた夫婦は元通りにならないということのたとえ」。……もちろん、この言葉も意味も知ってますけど。


アニキ:だよね。でも今回はこのことわざの意味じゃなく、成り立ちを知ってほしいんです。続けてみて。


高橋:えっと、「中国、周の太公望呂尚が読書ばかりして働かないので、妻は離縁を求めて実家に戻った。後に呂尚が出世すると妻が再縁を求めてやってきたが、呂尚は盆の水をこぼし、その水を元に戻すことができたら願いを聞こう、と言って断ったという故事による」とありますね。


アニキ:そう。で、ここの最重要ポイントは“周”です。高橋さん“周”って知ってる? 富徳なら? いやいや、周とは「紀元前1000~200年代の古代の中国王朝」なんです。“紀元前”です! 英語でいえば“before Christ”――B.C.時代なんですよ!! 日本では縄文、弥生時代くらいかな。


イマジンしてごらん! つまり、「今から2~3千年も前、日本では土器使ってる時代から“元カレ問題”は存在していて、元には戻らないとされていた」わけなんですよ!!!


高橋:さ、3千年も昔から元カレがいたんですね!!
【お悩み4杯目】元カレが忘れられない……。結婚の約束もしたのに……_2
アニキ:そう。私がなぜ毎度毎度ことわざを出すかっていうとね、高橋書店さんからお金をもらってるからではないんです。結局、ことわざの多くは、人間が悩んだり不安になったりして生きてきた歴史の中で、「アンタうまいこというねえ!」「先輩、さっきの言葉ナイスっす!」ってな具合で、数千年を経て現在にまで残ってきた言葉なんです。いわば“永遠の流行語大賞”みたいなものなんですよ! 


高橋さんのお母さんの世代も、おばあちゃんの世代も……もっともっとず~っと前のご先祖様の世代も、「元カレが忘れられない」悩みを経験して、「でも結局元には戻らないもの。それでよいのだ」という結論に達した人が多かったわけ。だから今も『覆水盆に返らず』という言葉が残ってるんです。


高橋:……確かに。そう思うと、「どうして私だけ……」と思っていた気持ちも少しラクになってきました。


アニキ:でしょ? では最後にもうひとつ。高橋さんには瀬戸内寂聴さんのこんな言葉を贈りましょう。「この人!と思える運命の人に出会える?」という質問に対しての寂聴さんの回答の一部です。


「こういう質問をする人に必ず私が贈るのは『若き日に、バラを摘め』という言葉です。バラというのは恋のことね。バラにはトゲがある。摘めば指が傷つく。恋をすれば必ず人は傷つく。それが怖くて臆病になるんです。でも若いときの傷はすぐ治る。なめておけば治るのね。(中略)だから、若いときに思う存分バラを摘んでおきなさい」(モア2008年7月号『BIGなビッグな人生相談』より)


どうですか! 寂聴さんが言ってるんだから、これはもう真理なんです。


高橋:はい。すごく前向きな気持ちになりました! なんか二週間後には新しい恋をしている気もします。


アニキ:よし! バラ摘みに行っといで! ……でも、同時に『元の鞘(さや)に収まる』っていうことわざもあるから人生って怖いんだよねえ。


高橋:どっちなんですか!




=======================
今回の居酒屋
「加賀廣 神保町店」
●おなじみ「居酒屋アニキ」のホームグラウンド。
都内を中心に約50店舗もある「加賀屋チェーン」のひとつ。
あなたの会社やお住まいの近くにもきっとありますよ。

Ranking

もっと見る