
長崎の原爆で命を落とした息子が、3年後に亡霊となって母のもとに帰ってくるーー。山田洋次監督初のファンタジー作品です。
突然ふらりと現れて、「母さん、母さん」と楽しそうに、時に切なく思い出を語るおしゃべりな亡霊が二宮和也さんの役どころ。
今日の舞台挨拶で、「一言で言えば天才。軽やかでリズミカルでフェアリーのようだった」と吉永小百合さんに評された彼の演技、今回も本当に素晴らしいです。母と息子、ふたりのやりとりやおしゃべり、お互いを思う気持ちが、あまりに自然でリアルで。亡霊という設定を忘れてしまいそうになるくらいでした。
「こんな可愛い息子をもし亡くしてしまったら……」と吉永さん演じる母の気持ちになったり、「こんなに素敵で、お茶目な彼を突然失ったら……」と黒木華さん演じる彼女の気持ちになったり。すっかりニノに翻弄されて、泣かされてしまいました。
終戦70周年である今年の公開にこだわったという今作。大切な人と一緒に過ごせる幸せを心から感謝したくなる、優しくて温かい作品でした。たくさんの人に観てほしい。12/12公開。
そして、最後にお知らせ。11/28発売のMORE1月号では、二宮和也さんの大好評連載『it』を拡大版でお届けします! こちらもお楽しみに!
