芳麗

芳麗

NHK山形放送局のキャスター業を経て、ライターとして活動開始。デビュー雑誌がMORE! 以来、10年以上にわたってMOREで執筆。 ロングインタビュー、 女心をつかんだコラムに定評があり、書籍、雑誌、WEBなど数多くの媒体で連載・執筆する。著書『相手も自分も気持ち良く話せる秘訣』『Love リノベーション』(主婦の友社)など。
【公式HP】http://fafa-yoshirei.com/

【ごあいさつ】 MORE読者のみなさん、こんにちは! 芳麗です。 ここでは、恋に効きそうなカルチャーやライフスタイル。わたしが恋したこと、もの、人を紹介していきますね。よろしくお願いします。

夫婦の顔が似てくる“結婚の魔力と幸せ”。本谷有希子さんの『異類婚姻譚』

夫婦の顔が似てくる“結婚の魔力と幸せ”。本谷有希子さんの『異類婚姻譚』_1
“いつの間に、私は人間以外のものと結婚してしまったのだろう”

帯の一文に惹かれて手に取り、一気に読みました。
今年1月に発表された第153回芥川賞の受賞作でもある本作は、“結婚”や“夫婦”の不可思議さについて書かれています。

最初の一行から秀逸。

“ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた”。

そして、五行目あたりに“それが、なんだか薄気味悪かった”と書かれています。

この数行を読んだだけで、小説のテーマが伝わるとともに、何だかすごく面白そうだという期待がふくらむ。
内容も読まぬうちから「結婚ってそうだよなぁ」とも思わされたりもします。

物語の主人公は、子供もなく職にも就かず、安楽な専業主婦として過ごしている、サンちゃん。
サンちゃんは、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付いて気味悪く思うものの、だからといって、何か行動に移したりはしない人です。
おそらく、年齢はアラサーで、元OLをやっていた。
いわゆるフツーの女性。

将来に大それた夢なんてないから、恋愛するたびに相手の意のままにそまっていた。
そして、結婚にいたっても同じこと。
夫の言うがままになるし、夫に疑問を感じても、自分を見失っても、あまり悩まず、目の前の平和で怠惰な生活に流れされていく。
サンちゃんって、何だかリアルだし、共感すら覚えてしまう。
ちなみに、身勝手なダンナさんもリアル。

でも、小説自体は、ファンタジーなんですよね。

多くの人は「恋愛」している最中は、恋人とひとつになりたいと願うものだけど、実際に他人同士がひとつになれる「夫婦」や「結婚」になってみると、それはそれで大きな違和感や渇望感を覚えるもので。

それでも、「結婚」するのはなぜなのか、「夫婦」でい続ける人が多いのはなぜなのか?

物語を読みながら、「結婚」と「夫婦」の面白みを味わえる一冊です。

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