【井桁弘恵】初心者におすすめの韓国フェミニズム文学3選を紹介!【いげちゃんのコツコツSDGs】

日々、よく耳にする“SDGs”という言葉。なんのために取り組むの? 私にできることは何? SDGsに興味を持ち始めた井桁弘恵が、そんな疑問に向きあいます!
【Vol.37-2】韓国フェミニズム文学を通して、ジェンダー平等を考えよう
2018年頃から、日本では韓国文学が大きな注目を集めるようになりました。その中でも特に、フェミニズムをテーマにした作品は、多くの読者から支持を集めています。
そこで、今回は、日本における韓国文学ブームの立役者、韓国書籍専門出版社「クオン」の代表であり、神保町にあるブックストア「CHEKCCORI(チェッコリ)」を運営されている金承福(キム・スンボク)さんに、初心者におすすめの韓国フェミニズム文学3作品を教えていただきました。
What’s SDGs?

国連で採択された、2030年までに達成すべき17のゴールのことで、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。私たちが地球に住み続けるために、貧困、飢餓、環境、教育、ジェンダー平等などの問題を世界が協力して解決することを目指す。
教えてくれたのは……

韓国書籍専門出版社「クオン」の代表。神保町のブックストア「CHEKCCORI(チェッコリ)」の運営も行っている。
おすすめの韓国フェミニズム文学3選!

韓国文学に触れたことがない方にも、最初の一歩としておすすめの韓国フェミニズム文学を金さんに教えてもらいました。
①『娘について』キム・へジン著

キム・ヘジン著・古川綾子訳『娘について』(亜紀書房)
いげちゃん:初心者におすすめの韓国フェミニズム文学を教えてください。
金さん:1冊目は、実力派作家のキム・ヘジンさんが、2018年に出版した『娘について』。昨年、韓国では映画化もされて、再び注目を集めている作品です。クィア、母娘の関係、老いと孤独といった、さまざまなテーマが重なり合った物語で、読んでいる時は少し重たさを感じると思いますが、その分深い余韻が残る作品なので、時間をかけてゆっくり読んでいただきたい一冊ですね。

②『#発言する女性として生きるということ』チョン・ソヨン著

チョン・ソヨン著・李聖和訳『#発言する女性として生きるということ』(CUON)
金さん:2冊目は、『#発言する女性として生きるということ』。韓国SFの話題作『となりのヨンヒさん』の著者、チョン・ソヨンさんのエッセイ集です。作家であり、弁護士でもある彼女が、日々の暮らしの中で感じたモヤモヤを鋭い視点で言葉にしてくれています。とても読みやすく、共感できるポイントも多いと思いますよ。

③『29歳、今日から私が家長です。』イ・スラ著

イ・スラ著・清水知佐子訳『29歳、今日から私が家長です。』(CEメディアハウス)
金さん:3冊目は、『29歳、今日から私が家長です。』。1992年生まれの著者イ・スラさんは、毎日1本の文章を執筆し、それを毎月1万ウォン(日本円で約1000円)で配信するという有料メールマガジン「日刊イ・スラ」で有名になりました。今では自らの出版社を立ち上げるまでに成長した彼女が、家を買って“家長”となったことを題材に書き上げた小説です。韓国では、ドラマ化も決定しています。
いげちゃん:面白そう。私と年齢が近い作家さんが書かれたということで気になります。

金さん:どの本がいちばん気になりましたか?
いげちゃん:どれもとても興味深いのですが、まずは『娘について』を読んでみたいと思います。
金さん:ぜひ。最近、「韓国の作品が、なぜこんなにもたくさん日本の人たちに読まれているんですか?」とよく聞かれるんですね。その理由は、韓国文学がとても「直接的」だからだと思います。日本の読者にとっては、自分の国の話ではないけれど、読んでみると「これは自分のことでもある」と強く共感できることが多いんです。だから、こんなにも多くの日本の方に届いているのだと思います。井桁さんも、読み終わったら感想を聞かせてくださいね。
いげちゃん:はい! 本日はありがとうございました。

出版社「クオン」が運営する、韓国書籍専門書店。エッセイから小説、コミックまで幅広い韓国関連本が韓国語原書で約3500冊、翻訳本をはじめ日本語で読める本が約500冊そろう。
📍東京都千代田区神田神保町1丁目7−3 三光堂ビル 3階
📞03-5244-5425
⏰12:00~19:00(土曜日は11:00~19:00)
休み/日曜・月曜(※火曜はレンタルのみ)
https://www.chekccori.tokyo/
【井桁弘恵 衣装クレジット】
ビスチェ¥9790/クロスプラス(ELLEgirl) カットソー¥4290/アンティローザ(AUNT MARIE‘S) パンツ¥5480/神戸レタス イヤリング¥5500(eije)・ネックレス¥3520・リング¥3300(どちらもヘンカ)/ロードス
撮影/山根悠太郎(TRON) モデル/井桁弘恵(モア専属) ヘア&メイク/沼田真実(illumini.) スタイリスト/小林優奈 取材・文/海渡理恵