【2024最新】絶対にハマる!Netflixでおすすめの人気韓国ドラマ10選
話題の最新作から、世界中で大ヒットを記録しているオリジナルの韓国ドラマが見られる、動画配信サービス『Netflix』。今押さえておきたい、人気の韓国ドラマをピックアップ!恋愛からホラーなど、気になる作品を早速チェックしてみて。
※記事発信時点での情報のため、最新情報は公式サイト等でご確認ください
韓ドラマニアのライターがおすすめ!
Kカルチャー・旅・漫画・音楽・スポーツ観戦好きのライター。ドハマりしたK沼が旅沼に直結し、年間十数回は海外へ。最近の趣味は「各国でローカライズされた韓国料理を食べること」。
- 胸キュンしたい時におすすめ!「恋愛系ドラマ」
- ドキドキ、背筋が凍る!「スリラー・ホラー系ドラマ」
- 非日常で独特の世界観を楽しめる!「ファンタジー系ドラマ」
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胸キュンしたい時におすすめ!「恋愛系ドラマ」
最高視聴率27.3%!『愛の不時着』超えのロマンチックコメディ『涙の女王』
『涙の女王』
全16話
出演:キム・スヒョン、キム・ジウォン、パク・ソンフンほか
Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
あらすじ
ソウル大学法学部出身の弁護士ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)。実家が地元の名士で“スーパーマーケットの王子”とも呼ばれる彼は、財閥クィーンズグループの3代目で、クィーンズデパートの社長ホン・ヘイン(キム・ジウォン)と結婚する。財閥家の婿となったヒョヌは皆が羨む“逆玉の輿”だが、結婚3年目を迎えた夫婦仲は最悪。冷淡な性格のヘインにも財閥の尻ぬぐいをする生活にも限界を感じ、離婚を決意する。そんな折、ヘインが余命3カ月であることが発覚。ヒョヌは計画を変更し、遺産を受け取るために愛妻家を演じることを思いつく。一方、ヘインの大学時代の友人で投資家のユン・ウンソン(パク・ソンウン)は韓国に戻り、クィーンズグループに接近する。ウンソンの登場によりヒョヌ&ヘイン夫婦の関係にも変化が……。
ここが見どころ!
本作は、昨今の韓国ブームの起爆剤となった『愛の不時着』を手掛けた作家パク・ジウンの新作であり、韓国で『愛の不時着』の視聴率を超えた大大大大大ヒットドラマ。下半期放送予定のドラマを含めても2024年トップ3に入ること間違いなし。
W主演を務めるのは、『サイコだけど大丈夫』のキム・スヒョンと『私の解放日誌』のキム・ジウォン。
キム・スヒョンは『ある日~真実のベール』以来、約3年ぶりの連ドラ出演となり、パク・ジウン作家の作品に出演するのは『星から来たあなた』、『プロデューサー』に続いて3度目。歴代の2作品も大ヒットを記録している名作であり、韓ドラ好きにはたまらない最強タッグなのです。(『星から来たあなた』のド・ミンジュンが大好きなので両手を合わせて感謝しました)
一方、キム・ジウォンも『相続者たち』、『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』などで人気を博す俳優。『太陽の末裔Love Under The Sun』のクールなボブヘアのエリート軍医の、あの子です。
社会現象を巻き起こしてきた大ヒットドラマの俳優陣&作家が集まった本作は、「あっ!」となる粋な演出が盛りだくさん。ドラマ冒頭で描かれるヒョヌとヘインの挙式シーンは、『愛の不時着』から誕生したビッグカップルであるヒョンビン&ソン・イェジン夫婦の結婚式をオマージュ。景色のいい屋外の式場であること、花のアーチなど一瞬でピンとくる演出となっています。
『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』で大ブームとなった「私はかわいこぶってるんじゃなくて、かわいく生まれてきただけなんだもん」というキム・ジウォンの愛嬌シーンを、本作でキム・スヒョンがパロディしていたり(なんとアドリブだそう!天才!)、ヒョヌがカウンセリングを受けるクリニックの精神科医役として『サイコだけど大丈夫』で兄サンテ役を演じたオ・ジョンセが特別出演したりと、第1話だけでも至る所にドラマファンを楽しませる仕掛けが施されていて、まるで同窓会のような、懐かしくうれしい気持ちになれるところも視聴者をぐぐぐっと引きつけたのではないでしょうか。
“デパート業界の女王”と呼ばれるヘインは、内にも外にも敵の多い環境の中で後継者最有力候補まで登り詰めた強さを持つ女性。美貌も実力も名声も兼ね備えたヘインの根拠のあるプライドの高さは清々しく、「ヘイン姫」と呼びたくなるヒロインです。
そんなヘインは、ヒョヌへの態度も冷たいうえに、財閥一族の婿となり肩身の狭い思いをしている夫を気遣うこともなく、なんなら家族の集まりにわざと遅れて呼ぶという自己中っぷり。そりゃ夫婦の愛も冷めるわ……と思ってしまいますが、実はヒョヌのことを大切に想っていて、集まりに遅れて呼んだのも意地悪な家族からヒョヌを守るため。ヒョヌに横柄な態度をとる弟を裏で懲らしめるなど陰で盾となってあげているのですが、それがヒョヌに伝わっていないという不器用さが愛らしい。
ヒョヌが遺書を書き換えてもらうために突然優しくなっても、ヘインは“まったく。私のこと大好きなんだから”というように100%ピュアに受け取ってしまうところにもきゅん。世紀のNewツンデレヒロインが爆誕しました♡。
財閥令嬢ということで衣装も華やか。ヘインの衣装は計166着にもなるそう!うっとりするハイファッションの着こなしにも注目してください。
離婚したいけれど財閥家からの報復に怯えていたヒョヌは、ヘインが余命僅かだと知り、3ヵ月我慢すれば円満に別れられるとニヤリ。さらに、ヘインが結婚前に「ヒョヌに遺産を渡さない」という遺言書を書いていたことを知り、遺書を書き換えてもらおうと愛しているフリをするのですが、ここでキム・スヒョンのコメディ演技が炸裂! ヘインが息をしているか確かめようと顔を近づけたところ、寝ていたヘインが目を覚まして思わずキスで誤魔化したり、会議中にヘインが咳込んだだけで「救急車を呼んでください!」と指示したり。ヘインの病状について説明を受けるシーンでも、言葉は心から妻を心配している夫だけど、顔には「治られてしまっては困る」と書いてあって、オーバーでチグハグなヒョヌがおかしくてかわいい!!
そうしているうちに、だんだんとヘインへの愛が復活していくヒョヌ。そんな自分を否定しつつも、ヘインのピンチには必ず駆けつけちゃうんだからかっこいい。商談のチャンスを掴みに出席したパーティーで、参加者たちがほぼパートナー同伴だと知ったヘインが少し自信をなくしていると、さくっと裁判に勝訴して一番大事な場面ですっと横に現れたり、ヘインを襲おうとするイノシシを一発で仕留めたりだとか、かっこいいモードのヒョヌはまさにスーパーマン。ドラマを見ながら何度「ペク・ヒョヌー!!!!」と叫んだことか。
そして、ドラマのタイトルにあるように、本作は涙の演技もすごいんです。全16話でキム・スヒョンが涙を流したシーンは計40回(!)にも及び、くすっと笑える涙から、ヘインへの深い愛情が滲む涙、泣き叫ぶ姿などなど、キム・スヒョンの多彩な泣きの演技はさすが。主演2人の演技に引き込まれて、おもしろいのに涙が止まらない状態に。
Netflixで見られる!
『涙の女王』
全16話
Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
過酷な境遇も、一途な愛も、全部吸い込んで前に進むヒロインがクール『サムダルリへようこそ』
『サムダルリへようこそ』
全16話
出演:チ・チャンウク、シン・ヘソン、キム・ミギョンほか
Netflixシリーズ「サムダルリへようこそ」独占配信中
あらすじ
フォトグラファーになる夢を叶えるため、大都会ソウルで過酷な生活を送ってきたチョ・サムダル(シン・へソン)。実力と根性でトップの座に上り詰めたものの、思わぬスキャンダルで名声を失い、逃げるように故郷の済州島へと戻る。一方、サムダルの幼なじみで気象予報士のチョ・ヨンピル(チ・チャンウク)は、済州の気象庁で働いていた。都会での生活に身も心も傷だらけになったサムダルは、ヨンピルと気まずい再会を果たすが……。
ここが見どころ!
都会で成功した主人公サムダルが、ある日突然ドン底につき落とされ、逃げるように戻ってきた故郷の海辺の田舎町で、大好きだった幼なじみや家族に支えられて、本来の自分を見つけていくという物語。主人公のラブストーリーだけではなく、夢と挫折、家族や仲間の絆といった、登場人物たちの人生が丁寧に描かれているロマンチックコメディでした!
“ロマンス職人”チ・チャンウクと “最強コメディエンヌ”シン・ヘソンによる“ケミ”も見逃せません!
年齢=幼なじみ歴のサムダルとヨンピルは、もはや切っても切れない深い関係ですが、序盤は、破局済みの元カレカノらしい、近すぎて逆に遠い距離感でした。
思わぬ再会に、最初はよそよそしい雰囲気。一緒に過ごす時間が増えると口数は増え、次第に遠慮がなくなって(笑)、過去の別れについて、互いに「そっちがフッた!」と主張をぶつけ合う2人。そうかと思えば、小学生たちがじゃれ合うような無邪気な素顔を見せあったり、38年(!)も寄りそってくれているヨンピルの優しさに、サムダルがほだされたり……。「あんた以上のいい男を見つけようと思ったのに、あんなクズ男と付き合ってしまった」というサムダルのボヤキには共感しかありません(笑)。
なんてことのない場面に“2人が紡いできた特別な糸”が浮かび上がっては涙腺や笑いのツボを刺激するので、ハンカチ必携でご視聴ください。
サムダルとヨンピルだけでなく、故郷の仲間たちや親きょうだいといった脇役たちの物語も、しっかりと描かれている本作。
星になった最愛の妻を思い続けるヨンピル父(ソ・ヒョンチョル)や、周囲には気丈にふるまいつつも親友の死の責任は自分にあると自らを責め続けているサムダル母(キム・ミギョン)、財閥2世の元夫との関係に悩むサムダル姉(シン・ドンミ)や、サムダル妹でシングルマザーのへダル(カン・ミナ)とその娘ハユル(キム・ドウン)の切ない気遣い、一瞬であの頃に戻れる地元の同期のありがたさなどなど。
どのストーリーも、切なさや悲しみが温かな絆となって心に染みていきます……。
サムダルリの人々って、物事を放置しないんですよね。意見が衝突した時、拒絶するのではなく、相手の意見を受け入れたうえで説得を試みるか、お互いの着地点を見つけようと努力します(約1名例外もいますが)。
ただ、努力への打ち込み方が尋常じゃない。誘致を巡り対立する2グループ、数十人の海女たちが町民を巻き込んで、取っ組み合いの大ゲンカに発展したり、20年かけてわだかまりを解決した親子がいたりと様々ですが、皆さん、コトが終われば何もなかったかのようにテーブルを囲んで、酒を酌み交わしています。その姿の陽気なこと!
舞台となった済州島の青い空、青い海に囲まれてると、気持ちまでカラッとするんでしょうか。
済州島の美しい海や山の絶景、島の人々の情深いやり取りなど、心癒されるポイントがいっぱいの本作。手作りキムチやチゲ、獲れたての貝の和え物といった食事風景や、サンドの家が営む食堂、住民御用達のシュポ(小さな個人商店)の角打ちなど、旅への要素も盛りだくさん! 済州の旅に出かけるような気持ちで、気軽にご視聴くださいね。
Netflixで見られる!
『サムダルリへようこそ』
全16話
Netflixシリーズ『サムダルリへようこそ』独占配信中
高校時代の元カップルが大人になって再会する、繊細なラブロマンス『その年、私たちは』
『その年、私たちは』
全16話
出演:チェ・ウシク、キム・ダミほか
Netflixシリーズ「その年、私たちは」独占配信中
あらすじ
高校時代、成績トップの生徒とビリの生徒が一緒に学校生活を過ごすドキュメンタリーに出演したことがきっかけでカップルになったクク・ヨンス(キム・ダミ)とチェ・ウン(チェ・ウシク)。10年後、ヨンスは広告代理店のチーム長としてバリバリ働き、ウンは正体を明かさない覆面画家として活躍していた。そんな折、当時の映像がSNSで話題となり、29歳になった現在の生活を撮影することに。5年前に別れてから一度も会っていなかった2人は、気まずい再会を果たす。
ここが見どころ!
元恋人同士が再会するラブストーリー。一見よくある設定に思えますが、本作はそこに“ドキュメンタリーの撮影”というエッセンスが加わり、ヨンスとウンの初々しい高校生時代、そして大人になった現在の姿が平行に描かれているところが新鮮! 双方の視点から「あの頃」を振り返り、ナレーションによって語られる主人公たちの“相手には言えない本当の気持ち”は、どれもリアルで胸に刺さるものばかり。主人公たちと一緒に思い出の映像を見ているような気持ちになりながら物語に没入することができるドラマです。
主演を務めるチェ・ウシクとキム・ダミは映画『THE WITCH/魔女』以来、3年ぶりの共演。『THE WITCH…』ではアサシンとして対立する関係だった2人が、本作では素直になれない元カップルを等身大で演じ、新たなケミを見せてくれています。
『THE WITCH…』以降も親交が続いていたそうで、ジャンルが180度異なる甘酸っぱくて切ないラブロマンスの演技も息がぴったり。本人たちも「最初からとても気楽だった」(キム・ダミ)、「お互いを信じて撮影することができた」(チェ・ウシク)とインタビューで語っています。
ウンは、両親の愛情をたっぷり受けて育ち、争いごとを嫌うマイペースな性格。自分を捨てたヨンスと再会したら水をかけて塩を撒くんだ!とずっと練習していた(そして実践する)という少し不思議ちゃんな部分や、ふわふわのパーマヘアがよく似合う柔らかい雰囲気などが、バラエティ番組で垣間見えるチェ・ウシクのいたずらっ子で人懐っこい素顔と重なります。
チェ・ウシクの出演作は『パラサイト…』しかり、『狩りの時間』(2020)、配信がスタートしたばかりの『殺人者のパラドックス』(2024)などがっつり&どっしり系が多いので、かわいいチェ・ウシクを堪能したいならぜひ本作を! また、“ウガウガファミリー”として親交の深いBTS・Vが歌うOST「Christmas Tree」にも注目です。
人に弱みを見せられない不器用なヨンスは、ウンへの当たりがまあまあ強め。“ツン”が多いからこそ時折見せる“デレ”な姿がかわいくてキュンときちゃいます。いつもはシャキッとしているけれど、酒に酔って感情がダダ漏れになってしまったり、大好きなおばあちゃんの肩でわんわん泣いたりと、人間味溢れる演技で『梨泰院クラス』のイソとはまた違ったキム・ダミの魅力に魅了されました。
ヨンソとウンが別れた理由、そして大人になって再会してからも素直になれない2人が迎える結末とは? それぞれが抱える心の傷、将来への不安、挫折など、恋と共に人生の成長痛を経験していく主人公の姿は、誰しもがどこかで共感できることでしょう。
Netflixで見られる!
『その年、私たちは』
全16話
Netflixシリーズ「その年、私たちは」独占配信中
“身代わりのお見合い”から始まるオフィスラブコメディ♡『社内お見合い』
『社内お見合い』
全12話
出演:アン・ヒョソプ、キム・セジョンほか
Netflixシリーズ「社内お見合い」独占配信中
あらすじ
「GOフード」の若きCEOのカン・テム(アン・ヒョソプ)は、創業者である祖父から結婚をせかされ、仕方なくお見合いをすることに。一方、平凡な会社員シン・ハリ(キム・セジョン)は、親友の財閥令嬢から自分の代わりに縁談を壊してほしいと頼まれる。ド派手な格好に生意気な性格の女性を演じて破談を試みるハリだったが、お見合い相手に現れたのは会社の社長・テムだった。
ここが見どころ!
原作は、総視聴回数3億回以上の大ヒット同名ウェブ小説&ウェブ漫画。容姿端麗で完璧なスペックを持つテムは、ワーカーホリックで恋愛への興味ゼロ。次々とお見合いを設定する祖父を止めるために、破天荒な財閥令嬢(を装っている)ハリに偽装カップルの契約を持ち掛けます。
偽装恋愛から始まるイケメン御曹司&部下の恋という、まさに韓国ラブコメの鉄板!!!近年は“かっこいい韓国ドラマ”が盛り上がっていたこともあり、久しぶりに“慣れ親しんだ韓国ドラマ”と再会した気分になりました。(どちらもそれぞれ魅力があって最高)
ラブコメの定番シーンがこれでもかと登場するのですが、コメディタッチな表現で笑いの要素たっぷりに仕上げているのが本作の魅力。脱げたスリッパがテムに当たってしまい顔を見られないように逃げるハリをテムがダッシュで追いかけたり(会社の中なのに(笑))、キム・ミンギュ&ソル・イナが演じるサブカップルが出会うシーンはハートが弾けるCGで一目ぼれを表現したりと、全体的な雰囲気がとにかくポップ。恋愛ドラマは甘すぎるという人もライトに楽しめると思います。
もう一つ新鮮なのが、展開の速さ。もう爆速です! 漫画を一気読みするような感覚で話が進んでいくから、もどかしさにモヤモヤする暇もありません(笑)。誤解からのすれ違いや三角関係といったラブコメの醍醐味はそのままに、間延びしない軽快なテンポのおかげで1時間があっという間! 面白さ&スピード感が韓国の若い視聴者に刺さり、初回4.9%でスタートした視聴率は最高11.6%を記録する大ヒット作となりました。
そして、なんといっても主演の2人のケミが抜群♡。テム役を演じたアン・ヒョソプは、『浪漫ドクター キム・サブ』シリーズ、最新作『いつかの君に』といった話題作に立て続けに出演している若手トップ俳優。ハリ役を『悪霊狩猟団:カウンターズ』シリーズ、日本のドラマ『重版出来!』の韓国リメイク版『今日のウェブトゥーン』などに出演し、ソロ歌手兼俳優として活躍するI.O.I出身のキム・セジョンが演じています。
原作漫画から飛び出してきたかのような2人のビジュアルはもちろんのこと、ハリの正体を知ってわざと意地悪をするテムと、正体がバレていないと思って会社員と偽装恋人の二重生活をするハリのやりとりが愉快。アン・ヒョソプもキム・セジョンも本作がラブコメ初挑戦でしたが、振り切った演技でときめきと笑いを届けてくれます。
理性的なテムがハリに惹かれていくツンデレっぷりは沼落ち必至。テムに似ているという始祖鳥(恐竜)のCGもいいスパイスになっているのでご注目ください(笑)。
Netflixで見られる!
『社内お見合い』
全12話
Netflixシリーズ「社内お見合い」独占配信中
“韓ドラあるある”ゼロ!だからこそ面白い、ヒーリングドラマ『賢い医師生活』
『賢い医師生活』
各12話
主演:チョ・ジョンソク、ユ・ヨンソク、チョン・ギョンホ、キム・デミョン、チョン・ミド
Netflixシリーズ「賢い医師生活」シーズン1~2独占配信中
あらすじ
ソウルの総合病院「ユルジェ病院」で働く医師のイ・イクジュン(チョ・ジョンソク)、アン・ジョンウォン(ユ・ヨンソク)、キム・ジュンワン(チョン・ギョンホ)、ヤン・ソッキョン(キム・デミョン)、チェ・ソンファ(チョン・ミド)は、ソウル大学医学部の同期。新たな命が生まれ、今ある命が終わりを迎える病院という場所で、患者たちとともに生きる彼らの日常を描く。
ここが見どころ!
病院を舞台にした医療ドラマと言うと、欲望にまみれた組織内の権力争いや、神の手を持つドクターが活躍するなどドラマチックなストーリーが多いですが、『賢い医師生活』にはそういった“あるある”は登場しません。ツンデレなイケメン御曹司と最悪の出会いとか、ドキドキの三角関係とか、はたまた誰かへの復讐とか、そういうのもありません。描かれるのは、主人公5人の平凡な日常のみ。だけど、これがとっても温かくて味わい深いんです。
パク・ボゴム、ヘリ(Girl’s Day)らスターを生み出した大ヒットドラマ『応答せよ』シリーズのシン・ウォンホ監督&脚本家のイ・ウジョンがタッグを組んだという点でも、韓ドラ好きにとってはたまらない作品です。
主人公の5人は、1999年にソウル大学医学部に入学。それぞれ一人前の医師としてキャリアを積み、40歳になって初めて同じ病院で働き始めることから物語はスタートします。そして、ユルジェ病院に入る条件としてソッキョンが「昔みたいにまたバンドをやりたい」と提案し、彼らは趣味でバンド活動を始めます。
明るい性格で誰からも愛されるイクジュン、仏のような性格だけどめちゃめちゃケチな一面を持つジョンウォン、厳しいこともズバズバ言うクールなジュンワン、ちょっと(いや、かなり?)マザコンでマイペースな性格のソッキョン、自分の仕事も後輩への指導もバリバリこなすカリスマたっぷりなソンファ。
医師として一流の腕前を持つ個性豊かな5人がさまざまな患者と向き合い、後輩を育てながら仕事終わりに集まってバンド活動をする。そんな彼らにとって当たり前の日常を淡々と描いています。素朴だからこそ心にじんわりと染み入って、気づいたら5人のことが大好きになっていました(笑)。
そしてもう一つ、このドラマには悪役がいません。主人公たちを中心に研修医からナースまでみんなが患者と真摯に向き合っています。その中でさまざまな命の物語も描かれ、毎話じーんと感動して思わず泣いてしまうドラマです。
癒されるドラマとして大反響を呼び、シーズン2まで放送された本作。今年は研修医を主人公にしたスピンオフ作品『いつかは賢くなる専攻医生活』(tvN)が放送予定ということで、ぜひ今のうちにシーズン2まで完走してください!
Netflixで見られる!
『賢い医師生活』
各12話
Netflixシリーズ「賢い医師生活」シーズン1~2独占配信中
“アイドル×一般人”のロマンスは、夢のように美しく、ヒリヒリするほどにリアル『イ・ドゥナ!』
『イ・ドゥナ!』
全9話
主演:スジ、ヤン・セジョン
Netflixシリーズ「イ・ドゥナ!」独占配信中
あらすじ
アイドルとして人気絶頂だったイ・ドゥナ(スジ)は、突然引退を選択。大学に復学したドゥナはシェアハウスで暮らし始める。同じ大学に通うイ・ウォンジュン(ヤン・セジョン)も、ドゥナと同じシェアハウスに引っ越すことに。最初は勘違いやすれ違いでウォンジュンに不信感を持っていたドゥナも、彼の純粋さに気付き、次第に心惹かれていく。
数々の困難に立ち向かいながらも、想いを深めていく2人の恋を、切なくも美しく描く。
ここが見どころ!
『イ・ドゥナ!』は、韓国の人気ウェブトゥーン(Web漫画)が原作。
まるで原作から飛び出てきたようなルックスに加え、確かな演技力で“国民の初恋”と呼ばれている元miss Aメンバーでトップ女優のスジ。そして、2016年のデビュー時から抜きんでた高い演技力で"怪物新人"と呼ばれた実力派俳優ヤン・セジョン。このふたりが主演を務めているのですが……、期待以上の純愛ロマンスでした!
人気ガールズグループ「ドリームスウィート」のセンターだったイ・ドゥナは突然引退を宣言し、大学生として復学。その後、とあるシェアハウスに一人引きこもるように暮らしているところ、平凡で真面目な大学生ウォンジュンが、同ハウスの2階に引っ越してくる。たまたま、友人からのプレゼントである、“ドリームスウィート”グッズを着たウォンジュンを見かけたドゥナは、彼をサセンペン(芸能人を執拗に追いかける迷惑ファン)だと誤解して……。
物語は“アイドル×一般人の夢のロマンス”という、とってもシンプルなストーリー。無駄な要素は一切入れ込まず、2人の心情を200%盛り込んだ“映像ファースト”なシーンの数々に、根こそぎハートを持っていかれます。(特に“キス職人”、ヤン・セジョンによるキスシーンは尊すぎます!)
感情の揺れ、気持ちの高まり、心の共鳴、押し寄せる不安……。互いを求めてやまない愛が彼らにもたらした心情は切なくも美しく、そしてどこか懐かしい。それは、2人の姿が、誰しもが一度は経験し、成長とともに忘れてしまった感情を呼び覚ますからなのかもしれません。
また、ドゥナの魔性の眼差しにも、ご注目を。
しかも、普段のドゥナは流行りの“姫カット”で、煙草の煙をけだるげにくゆらせるというアンニュイな雰囲気を纏いつつ、上から目線で“ツン”な態度なのに……。そうかと思えば、今にも泣き出しそうな瞳で相手の目を射つつ、肩を震わせて……。ドゥナの饒舌すぎる眼差しに心揺さぶられない人はいないはず。
それまで生きてきた世界がまったく異なるふたりが出会ったことで生まれた、愛と青春の日々。
この物語には、焦らし・焦らされ、嫉妬と不安という恋愛のスパイスに翻弄されながらも成長するカップルの、ヒリヒリするような恋のリアルが詰まっていました。
アイドルと平凡な学生のふたりは、一体、どんな未来を選ぶのか。その結末はご自身でチェックしてみてください。
Netflixで見られる!
『イ・ドゥナ!』
全9話
Netflixシリーズ「イ・ドゥナ!」独占配信中
ヒロインに振り回されっぱなしの相手役の姿が愛しい、生まれ変わりラブロマンス『生まれ変わってもよろしく』
『生まれ変わってもよろしく』
全12話
主演:シン・へソン、アン・ボヒョン
Netflixシリーズ「生まれ変わってもよろしく」独占配信中
あらすじ
前世の記憶を持ったまま、転生を繰り返しているパン・ジウム(シン・へソン)。18回目の人生の時に出会ったムン・ソハ(アン・ボヒョン)に心惹かれるも、交通事故に遭い、この世を旅立ってしまう。
どうしてもソハに会いたいジウムは、19回目の人生で、彼の勤めるホテルに働き口を見つけ、一緒に働き始める。ソハに猛アプローチをかけるうち、ジウンは18回目の人生を奪った交通事故に隠されていた秘密と、自らが転生を繰り返している理由に近づいていく。
ここが見どころ!
本作は、幾度となく転生を重ね、パン・ジウムとして19回目の人生を送るヒロインが、短く終わってしまった18回目の人生で出会った初恋の相手を忘れられず、大人に成長した彼との再会を目指すという、生まれ変わりラブロマンス。
原作漫画は、日本をはじめ世界中で翻訳され、グローバル累積7億view(!)を記録した大ヒット作。原作の面白さを引き出しつつ、主人公カップルの魅力をより高めているのは、今回キャスティングされた、シン・へソンとアン・ボヒョンです。
1000年の記憶を持つヒロインのジウム役には、演技力抜群のシン・ヘソンが。複数の人格を演じているのに、するっと自然に演じています。
その相手役ソハは、切なさとセクシーさ、さらにはキュートさまでもが同居する声と表情で、全力で恋する男をアン・ボヒョンが担当。ジウムに振り回されてドキドキ、オロオロ、タジタジ……なソハの姿が、全力で推せるほどにかわいい! 『梨泰院クラス』での最凶の悪役チャン・グンウォンを演じたのと同じ人とは思えないくらいの愛らしさ。その要素でごはん3杯はいけます。
もちろん、時をかけて紡がれるストーリーも秀逸。主人公たちによる前世と心の傷をキーワードにした“答え合わせ”に萌えたり、世紀の告白シーンに泣いたり。忘れかけていた「LOVE」補給にぴったり♡
ちなみに、各エピソードには「喜悲哀歓」や「愛別離苦」といった四字熟語のサブタイトルが、ハングルで書かれています。韓国語を学んでいる人は、ドラマを観るとともに四字熟語の勉強にもなりそう♡
Netflixで見られる!
『生まれ変わってもよろしく』
全12話
Netflixシリーズ「生まれ変わってもよろしく」独占配信中
ドキドキ、背筋が凍る!「スリラー・ホラー系ドラマ」
友情・恋・社会風刺に、Kゾンビまで堪能できるゾンビアクションスリラー『今、私たちの学校は...』
『今、私たちの学校は...』
全12話
主演:出演:パク・ジフ、ユン・チャニョン、チョ・イヒョン、パク・ソロモン、イ・ユミ、ユ・インスほか
Netflixシリーズ『今、私たちの学校は...』独占配信中
あらすじ
突然、謎のゾンビウイルスが蔓延したヒョサン高校。女子高生オンジョ(パク・ジフ)は、幼なじみチョンサン(ユン・チャンヨン)たちとともに、ゾンビと戦いながら、命からがら教室へと逃げこむ。途中、同級生のナムラ(チョ・イヒョン)やスヒョク(パク・ソロモン)が籠城する教室に合流。だが、仲間の裏切りに遭う。
教師は頼りにならないうえ、警察も助けてくれない絶望的な状況の中、校内に取り残された生徒たちは、生き残りをかけ、壮絶な闘いをくり広げる。そしてゾンビの恐怖は学校から市区域、さらには国全体へと広まっていき……。
ここが見どころ!
韓国と言えば、映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』、ドラマ『キングダム』、『Sweet Home -俺と世界の絶望-』といった、良質なゾンビスリラー作品が数多く生まれています。
今回紹介する『今、私たちの学校は...』は、ゾンビスリラーのいいところを救い上げ、さらに恋愛、友情、家族の情愛、社会風刺まで盛り込んだ最高のエンタメ作品に仕上げられたシリーズ作品。すでにシーズン2の制作も発表(配信日未定)されており、すでに観た方はもちろんのこと、未視聴の方は、お楽しみ倍増が約束された作品なんです。
一寸先の展開すら予測できないスリル、キレのあるアクション、学校→市街地→国全体と大きく移り変わるスケール感! さらに、“人間VSゾンビ”、“人間 VS人間”の物理的&精神的対決の見事な演出によって高まった「そこでこうくるか!」という中毒性も手伝って、一度観はじめたら、最終話(全12話)まで興奮がノンストップ!
一気観どころか、シリーズ周回ループに突入したという猛者も少なくありません(まさに自分ですが)。
俊敏な動きや、そのおどろおどろしい見た目に定評のあるK(韓国)ゾンビにビビり散らかしながらも周回視聴を果たした自分が感じた魅力ポイントはこちら。
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ゾンビから逃げる途中で見つけたビデオカメラに、自らの動画を残すオンジョ。
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チャンヨン覚醒! ギター片手に大切な人たちを守り始める
本作は学生たちがゾンビと生き残りをかけて戦うサバイバルスリラーですが、“きゅん”も描かれています! 恋愛モードでの主役は、幼なじみのオンジョ(パク・ジフ)とチョンサン(ユン・チャンヨン)、委員長のナムラ(チョ・イヒョン)と元不良のスヒョク(パク・ソロモン)です。
消防官の父親と2人暮らしのオンジョと、彼女の家の隣に住むチョンサンは、オンジョを慕うピュアな地味男子。序盤はオンジョの尻に敷かれて頼りなかったチョンサンがゾンビ出現後は急成長。危険もいとわずにオンジョや仲間を助け、より魅力的に。そんなチョンサンを見て、自分の本当の気持ちに気づくオンジョ。その恋心の過程に、きゅん!
一方、ナムラ&スヒョクが絆を深めていく描写も最高です。ずっと周囲に心を開かなかった優等生のナムラが、ゾンビパニック以降、スヒョクに少しずつ感情をあらわに。その様子は、なかなか懐かなかった猫が、少しずつ素を見せてきて、ある日突然、甘えてくる感じに似ていて、きゅん! ナムラ&スヒョクのキスシーンは屈指の美しさです。この場面は17テイク(パク・ソロモン談)も撮ったそうで、そのエピソードを思い出しながらループ視聴するのもアリです。
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死を恐れ、自分を正当化するために過ちを犯し、孤立するナヨン役を演じたのは、『イカゲーム』でジヨン役を演じた、イ・ユミ。
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授業中の平和な場面。ゾンビパニックの前と後のギャップがすごい
「何度も見ると細かい伏線に気づくでしょう」(イ・ジェギュ監督)という言葉どおり、登場人物たちの何気ない言動が、後々重要なモチーフとなる伏線に何度も驚かされます。
また、舞台となる4階建ての校舎(全長100mも!)は、大型セットで用意。そのカフェテリアで生徒たちが初めてゾンビと対峙するシーンは、なんとワンテイク(カット割りなしで長回しで撮影)! 突然現れたゾンビの群れに、200名もの生徒が食堂で逃げ惑うシーンは圧巻。
演出だけでなく、いじめや貧困格差、光州事件(1980年)、セウォル号沈没事故(2014年)を想起させる描写、コロナ禍の現在の状況との類似点など、全編を通して織り込まれた社会風刺にもうなってしまいます。ゾンビの出現という甚大な災害が発生しても、強者の救助が優先され、弱者は置きざりにされる。学校には救助隊も警察もやってこないし、非感染エリアに助けを求める老人と幼女は生たまごがぶつけられ……。必死で戦う子ども(弱者)と、安全な場所から静かに見下ろす大人(権力者)の構図の描き方が秀逸すぎて、胸が痛みます。
なぜ胸が痛むのか。それはきっと、ドラマの世界が、私たちの生きる現実世界とリンクしているから。「若者たちは生き延びることができるの?」「大人たちは彼らを助けるの?」は、そのまま、自分たちに問われているようで、何度も観てしまうのかも。
観れば観るほどに新しい発見がある本作、ぜひご視聴くださいませ。
Netflixで見られる!
『今、私たちの学校は...』
全12話
Netflixシリーズ『今、私たちの学校は...』独占配信中
非日常で独特の世界観を楽しめる!「ファンタジー系ドラマ」
悪役に初挑戦したビョン・ウソクのヤンデレ演技が光る!『力の強い女 カン・ナムスン』
『力の強い女 カン・ナムスン』
全16話
出演:イ・ユミ、キム・ジョンウン、キム・ヘスク、ビョン・ウソクほか
Netflixシリーズ「力の強い女 カン・ナムスン」独占配信中
あらすじ
ナムスン(イ・ユミ)は、幼い頃、父親と訪れたモンゴルで迷子に。その後、モンゴル人夫婦に保護され育てられるが、幼い頃の過去の記憶をなくしてしまう。育ての親から十分な愛情を注がれて成長したナムスンは、保護された時の所持品から、自分が韓国出身であることを知る。生き別れた家族を探すために韓国へと渡るが、新種麻薬事件に巻き込まれ、自身の真の強さを試されることになり……。
ここが見どころ!
本作のストーリーは、代々、女性にだけ怪力が受け継がれる遺伝子を持つヒロインと、その母と祖母、3世代が世直しをしていくというもの。
22歳の主人公カン・ナムスンを演じるのは、あの『イカゲーム』のイ・ユミ。母ファン・グムジュをキム・ジョンウンが、さらに恋に世直しにと人生を謳歌する祖母キル・ジュンガンを、“国民の母”と異名を持つキム・ヘスクが演じています。
「怪力女性がヒロイン? その設定、どこかで……」と思った方、正解です!
本作は、2017年に放送されたドラマ『力の強い女 ト・ボンスン』のスピンオフという位置づけ。前作の主人公カップル、ト・ボンスン(パク・ボヨン)とボンスンの相手役であるアン・ミンヒョク(パク・ヒョンシク)が、本作にカメオ出演しているので、そちらも探してみてくださいね。それでは、ストーリーのみどころを紹介します。
正義感が強く、天真爛漫なナムスンのドタバタ劇にスカッ!
まず、何といってもモンゴルで育ったナムスンの、竹を割ったような性格が気持ちいい! 都会育ちの人間にとって「本音と建て前」は社会常識のひとつ。しかし、大自然の中で育ったナムスンにとって、そんな常識なんてはおかまいなし。いいことはいい、ダメなことはダメと正直に言うし、理不尽さを感じたら訴えるし、わからなかったらその場で素直に質問します。そこがいいんです! セクハラ、パワハラ、モラハラなど、世間の女性たちを悩ませている諸問題を気持ちよく(物理的にも)ぶっ飛ばしてくれます。
スカッと度を高めているのは、若くしてホームレスとして暮らす彼女の友人たちや、詐欺師にならざるを得なかった若者、さらには新型麻薬を牛耳る悪の組織といった闇の存在を、しっかりと描いているところ。
ジェンダーや貧富の差、詐欺や薬物といった社会問題を適度に混ぜ込み、ただのアクションコメディではなく、社会派エンターテインメントとして魅せる手法は、さすが韓国ドラマ。爽快で痛快です。
冒頭でナムスン一家の女性たちの特徴について話しましたが、それでは男性陣はどうなのでしょうか。はい、「気弱で優柔不断」「力が弱く、メンタルも発言力も圧倒的に女性よりも弱い」。つまり、ナムスンの家の男性たちは、基本的に女性陣のいいなり(笑)。しかし、スーパーパワーで実力行使する彼女たちとは別の形で、物事をサポートしています。彼女たちの暴走を諫めたり、(たまに)助言を与えたり、いっぱいご飯を食べることで癒し(?)を与えたり。誰かにとっての欠点が、別の誰かの長所や魅力になることを教えてくれます。
一代で財を築き上げ、孫のいる年齢になっても恋をし、その街に暮らす人々の平和を守る、ナムスン一家の女性たち。
彼女たちの姿には、現代に暮らす私たちを縛っている、「性別」「肩書」「年齢」からの解放というメッセージが込められているように思えてなりません。
そのビョン・ウソクが、本作では、流通販売会社・DOO-GOの代表リュ・シオを演じています。腹の内どころか感情ひとつ見せず、目的のためには手段を選ばない冷徹さで、次々にミッションを進めるシオ。実は麻薬の製造・流通にまで手を染めていて、部下に指令を下す姿は“悪党”そのもの。『ソンジェ~』で魅せたピュアさとさわやかさがまったくない、“ダークなカリスマ”演技にきゅん!
そして、「俺と付き合う?」「一日中君がいなくて気になったし、会いたかった」「僕に好かれるのは嫌かな?」と、ナムスンに猛アタック! 神が生み出した唯一無二の完全完璧ルックスから放たれる熱烈な愛の告白に畳みかけられたら、自分なんぞは好きじゃなくても秒で恋に落ちて、「好き好き大好き、愛してる!」と全世界に向けて叫びまくると思うのですが、そこはナムスン。ハートも超人。
「私も韓国ドラマが面白かったら次の話が気になるし、観たいし、そういうことじゃないですか」とはぐらかすのですが、すかさずシオは「僕が好きなのが嫌なんですか? 心配しないで、急がないから」と、鋼鉄のハートで迎撃。
どうすればシオ(というかビョン・ウソク)を愛さないでいられるのか、本気で教えてほしい……。
強烈なヤンデレモードで愛を語るビョン・ウソクの姿は、2024年6月現在、本作でしか観ることができないので、ぜひともチェックしてください。
Netflixで見られる!
『力の強い女 カン・ナムスン』
全16話
心にズーンと響く!感動する「ヒューマン系韓国ドラマ」
青春は永遠? 夢を奪われた若者たちの成長と初恋を描く『二十五、二十一』
『二十五、二十一』
全16話
出演:キム・テリ、ナム・ジュヒョクほか
Netflixシリーズ「二十五、二十一」独占配信中
あらすじ
アジア通貨危機で韓国が深刻な経済不況に陥っていた1998年。予算を減らされたことでフェンシング部が廃部になってしまったナ・ヒド(キム・テリ)は、フェンシングを続けるために憧れの選手コ・ユリムが通う高校に転校する。同じ頃、ペク・イジン(ナム・ジュヒョク)は、裕福な家庭に育つも不況の影響で父の会社が倒産し、大学を中退してアルバイトを掛け持ちしながら生計を立てていた。時代に夢を奪われた2人は、18歳と22歳で初めて名前を呼び合い、お互いを励ましながら支え合う関係になっていく。
ここが見どころ!
皆さんは、放送終了から時間が経っても忘れられないドラマやキャラクターはいますか?
韓国ではロスのことを「후유증(読み:フユチュン、意味:後遺症)」のほかに「앓이(読み:アリ、意味:患う)」と言います。「후유증」は作品そのものをさす時に使われる一方で、「앓이」には特定の人物を意味するニュアンスが含まれ、主に登場人物や俳優の名前につけて「〇〇앓이」と表現します。
私にとっては、今回ご紹介する『二十五、二十一』のペク・イジン(ナム・ジュヒョク)がまさにその一人。今でも振り返るたびに胸がギュッとなるほど“患っている”キャラクターです。前述の通り表現するなら、“ペク・イジン앓이”というわけです。
1997年、韓国はアジア通貨危機や財閥の倒産などの煽りを受けて経済危機に陥り、「国際通貨基金(IMF)」の救済を受けることになります。本作で登場する「IMF」とはこのことです。1998年には2万社あまりの企業が倒産したと言い、物語はこの時代を舞台に描かれます。
イジンは名門大学に真っ赤なオープンカーで通うお坊ちゃまでしたが、父親の会社が倒産してしまい、22歳で小さな部屋を借りて一人暮らしすることに。
若くして夢も希望も失くしてしまったイジンが引っ越した町で出会うのが、夢に向かって突き進む18歳のナ・ヒド。IMFのせいでフェンシング部が潰れちゃったけど、最年少金メダリストのコ・ユリム(宇宙少女・ボナ)がいる高校に転校しちゃえばいいじゃん!と逆境を逆手に取るポジティブで明るい女の子です。
2人はイジンがアルバイトでヒドの家に新聞を配達した時に出会い、偶然の再会が重なって仲を深めていきます。
父の破産で多くの人が苦しんでいることから「どんな瞬間も僕は絶対に幸せにならない」と十字架を背負っていたイジンの心を「これから私と遊ぶ時だけこっそり幸せになるの」とヒドが溶かし、イジンは母親と折り合いが悪く孤独を抱えるヒドの癒しの存在となって絆を育む過程がこの上なくピュア。4歳差だけど年上男子×年下女子ではなく、対等な目線でお互いを高め合っていく2人が美しくて、どこかはかなくて、胸が熱くなります。
オッパだけどオッパ扱いされないペク・イジンですが、めちゃめちゃオッパなんですよ!!
フェンシングに打ち込むヒドを「誰よりも負けた経験で階段を積み上げてきた。ほしいものを手に入れろ」「ヒドには一瞬でも無駄な経験はさせたくない。幸せな経験だけしてほしい」と全肯定して応援してくれる頼もしさ。しかも、ヒドを見つめる眼差しが穏やかで優しくて、めちゃめちゃ甘い。この眼差し、(ときめきすぎて)有罪です。
クリーンな魅力と超絶ハンサムなのに素朴さも兼ね備えるリアコ感から、“現実彼氏”の異名を持つナム・ジュヒョクの演技力とのシナジーが最高で、あなたもきっと「あれ、私の初恋ってペク・イジンだったかな?」と記憶操作されてしまうはず。
未来を向いて高め合ってきた2人ですが、大人になるとその関係は少しずつ変わっていきます。イジンはTV局の記者、ヒドは国家代表選手となり、それぞれ多忙を極める中で、相手に負担をかけたくないイジンと喜びも苦しみもすべて分かち合いたいヒドはすれ違うようになり……。リスペクトし支え合う気持ちはあの時のままでも、人生のチャプターが変わってしまった。そのことに2人は気づいてしまった。青春が終わってしまったんですね。
お互いに思い合っているのにうまくいかない。頑張るほど遠くなっていく。そんな変化が切なくて切なくて……。2人が結ばれるまでが丁寧に描かれるおかげでどっぷり感情移入できちゃうので、まるで自分が経験したかのように胸が張り裂けそうになります。
夢に恋に友情に全力だったキラキラと眩しい時期は一瞬で過ぎ去ってしまうからこそ青春なのであり、永遠に続かなくてもその一瞬があったことは永遠に変わらない。そして、それは人生の宝物になる。本作は、そんなメッセージを伝えてくれているのだと思います。
青春の終わりを迎えたイジンとヒドがどのような道を選ぶのか。青春真っただ中の人も、青春が過ぎ去った人も、自分の思い出と重ねながら一緒にときめき、苦しみ、共感できる『二十五、二十一』。書いていたらまたペク・イジン앓이を発症しちゃいました。N回目の視聴、いってきます。
Netflixで見られる!
『二十五、二十一』
全16話
Netflixシリーズ「二十五、二十一」独占配信中
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