
【2025最新】大人向けの韓国ドラマ10選。心に沁みる名作たち!
年齢を重ねた大人だからこそ胸に深く沁みる作品がある! 人生の深みや人間関係の機微を丁寧に描いた、大人にこそおすすめしたい韓国ドラマをご紹介。
あなたの人生にも寄り添ってくれる作品が見つかるはず。
※記事発信時点での情報のため、最新情報は公式サイト等でご確認ください
韓ドラマニアのライターがおすすめ!

Kカルチャー・旅・漫画・音楽・スポーツ観戦好きのライター。ドハマりしたK沼が旅沼に直結し、年間十数回は海外へ。最近の趣味は「各国でローカライズされた韓国料理を食べること」。
- “韓ドラあるある”ゼロ!だからこそ面白い、ヒーリングドラマ『賢い医師生活』
- 40代を手前にした女性たちの友情、恋愛、そして人生を丁寧に描いたヒューマンドラマ『39歳』
- 老人&青年によるブロマンス作品『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』
- コン・ユとソ・ヒョンジンが初共演!奇妙な結婚生活を描いた『トランク』
- 加害者の同級生たちに復讐の牙をむく様子を描いた『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』
- 年上女性×年下男子のラブロマンスを描く『卒業』
- ヌナ呼びも悪くない、というか呼ばれたい!『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』
- 自分の夫と友人を結婚させる!? 最悪な人生をやり直すストーリーが痛快!『私の夫と結婚して』
- 辣腕女性弁護士と健気系年下男子とのラブロマンス『なぜオ・スジェなのか』
- 故郷の済州島で幼なじみと再会し、本当の自分を取り戻していくロマンチックコメディ『サムダルリへようこそ』
- おすすめの人気韓国ドラマを探す
“韓ドラあるある”ゼロ!だからこそ面白い、ヒーリングドラマ『賢い医師生活』

『賢い医師生活』
各12話
主演:チョ・ジョンソク、ユ・ヨンソク、チョン・ギョンホ、キム・デミョン、チョン・ミド
Netflixシリーズ「賢い医師生活」シーズン1~2独占配信中
あらすじ
ソウルの総合病院「ユルジェ病院」で働く医師のイ・イクジュン(チョ・ジョンソク)、アン・ジョンウォン(ユ・ヨンソク)、キム・ジュンワン(チョン・ギョンホ)、ヤン・ソッキョン(キム・デミョン)、チェ・ソンファ(チョン・ミド)は、ソウル大学医学部の同期。新たな命が生まれ、今ある命が終わりを迎える病院という場所で、患者たちとともに生きる彼らの日常を描く。
ここが見どころ!
病院を舞台にした医療ドラマと言うと、欲望にまみれた組織内の権力争いや、神の手を持つドクターが活躍するなどドラマチックなストーリーが多いですが、『賢い医師生活』にはそういった“あるある”は登場しません。ツンデレなイケメン御曹司と最悪の出会いとか、ドキドキの三角関係とか、はたまた誰かへの復讐とか、そういうのもありません。描かれるのは、主人公5人の平凡な日常のみ。だけど、これがとっても温かくて味わい深いんです。
パク・ボゴム、ヘリ(Girl’s Day)らスターを生み出した大ヒットドラマ『応答せよ』シリーズのシン・ウォンホ監督&脚本家のイ・ウジョンがタッグを組んだという点でも、韓ドラ好きにとってはたまらない作品です。

肝胆膵外科医のイクジュン。バンドではギター兼ボーカル担当。
主人公の5人は、1999年にソウル大学医学部に入学。それぞれ一人前の医師としてキャリアを積み、40歳になって初めて同じ病院で働き始めることから物語はスタートします。そして、ユルジェ病院に入る条件としてソッキョンが「昔みたいにまたバンドをやりたい」と提案し、彼らは趣味でバンド活動を始めます。

視聴者からは入学年度に由来して「99ズ」の愛称で親しまれている。
バンド活動のシーンはぜひ注目して観てほしいポイント。というのも、キャストたちが本当に演奏&歌っているんです!!
YouTubeでメイキング映像が公開されているのですが、クランクインするずっと前からギター、ベース、ドラム、キーボードとそれぞれがレッスンを受けて楽器をマスター。ほぼ初心者からのスタートで、猛練習を重ねてバンドシーンを作り上げているんです。だから、音色から滲み出る情緒がとってもリアル。ソンファ役を演じるチョン・ミドは韓国ミュージカル界のトップ俳優なのですが、ドラマの中では音痴という設定でわざと下手に歌っているところもポイントです(笑)。
バンドシーンには韓国の懐メロがたくさん使われていて、OSTも素晴らしいのでぜひ聴いてみてください。(私のおすすめは「Aloha」と「Me to You, You to Me」です!)
-
脳神経外科医のソンファ(チョン・ミド)。ベース担当だが、ボーカルを無理やり担当することも。
-
ドラムを担当する小児外科医のジョンウォン(ユ・ヨンソク)。
明るい性格で誰からも愛されるイクジュン、仏のような性格だけどめちゃめちゃケチな一面を持つジョンウォン、厳しいこともズバズバ言うクールなジュンワン、ちょっと(いや、かなり?)マザコンでマイペースな性格のソッキョン、自分の仕事も後輩への指導もバリバリこなすカリスマたっぷりなソンファ。
医師として一流の腕前を持つ個性豊かな5人がさまざまな患者と向き合い、後輩を育てながら仕事終わりに集まってバンド活動をする。そんな彼らにとって当たり前の日常を淡々と描いています。素朴だからこそ心にじんわりと染み入って、気づいたら5人のことが大好きになっていました(笑)。
そしてもう一つ、このドラマには悪役がいません。主人公たちを中心に研修医からナースまでみんなが患者と真摯に向き合っています。その中でさまざまな命の物語も描かれ、毎話じーんと感動して思わず泣いてしまうドラマです。
癒されるドラマとして大反響を呼び、シーズン2まで放送された本作。今年は研修医を主人公にしたスピンオフ作品『いつかは賢くなる専攻医生活』(tvN)が放送予定ということで、ぜひ今のうちにシーズン2まで完走してください!
作品概要
『賢い医師生活』
各12話
Netflixシリーズ「賢い医師生活」シーズン1~2独占配信中
40代を手前にした女性たちの友情、恋愛、そして人生を丁寧に描いたヒューマンドラマ『39歳』

写真左からチョン・チャニョン(チョン・ミド)、チャ・ミジョ(ソン・イェジン)、チャン・ジュヒ(キム・ジヒョン)。
『39歳』
全12話
出演:ソン・イェジン、チョン・ミド、キム・ジヒョンほか
Netflixシリーズ「39歳」独占配信中
あらすじ
皮膚科医のチャ・ミジョ(ソン・イェジン)、演技指導者のチョン・チャニョン(チョン・ミド)、化粧品セールスマネージャーのチャン・ジュヒ(キム・ジヒョン)は20年来の親友。うれしいことも辛いことも、ともに乗り終えてきた3人は、40代を目前にして、それぞれ人生の“宿題”と向き合っていた。だがある日、残酷な運命が訪れる。
ここが見どころ
みなさん、『39歳』はもうチェック済みですか?
こちらは良質なシスターフッド作品として話題になっていたドラマ。20年来の友情をメインに、さらにはアラフォー女性が直面するリアルについても心に刺さるように描いていて、世代を問わず、学びのある作品です。
バリキャリ、不倫中(と言っても、プラトニックな関係)、そして恋愛経験ほぼゼロという独身女性3人は、39歳をどう過ごすのか……。共感が止まらない、だけど泣けて感動する。そんな本作の見どころをご紹介します。

才色兼備の皮膚科医ミジョ。なんでも持っているかのような完璧さの裏には悲しみが。
本作は、脚本家のユ・ヨンア(映画『7番房の奇跡』、『82年生まれ、キム・ジヨン』など)が、40歳を目の前にして人生を見つめ直す3人の女性の“生き様”を描いた物語です。
その3人とは……。
養子でありながら裕福な家庭で大切に育てられ、皮膚科を営む院長ミジョ(ソン・イェジン)。演技指導者で、長い間、1人の男性と不倫関係を続けてはいるけど、純粋でさっぱりした性格のチャニョン(チョン・ミド)。そして、長らく恋愛からは遠ざかっているものの、真実の愛を見つけたいデパートの化粧品販売員として働くジュヒ(キム・ジヒョン)。
20年来ものあいだ、仲の良い友人としてともに過ごしてきた彼女たちは固い絆で結ばれています。
そして、全員39歳。40代を目前に控えた微妙な心の揺れや、恋愛模様、友人関係や親子関係などが、おかしくも切なく、時には身を切るような切実さで描かれる場面も。恋愛に人生が押し切られるような関係や貧富の差が強調されることはないけれど、40代を目前にした女性が何を選択し、何を切り捨て、彼女自身の人生を貫いていくのかという“アラフォー女性のリアル”がしっかりと描いている作品は、韓国ドラマでは新機軸。そのリアルさは、世代に関係なく、女性の心に刺さりまくっているようです。

『賢い医師生活』で大ブレイクを果たしたチョン・ミド演じる、チャニョン。サバサバしてるのにピュアな性格が素敵♡
主人公の3人組を演じるのは、『愛の不時着』のソン・イェジン、『賢い医師生活』のチョン・ミド、『海街チャチャチャ』や『D.P. -脱走兵追跡官-:シーズン2』のキム・ジヒョン。しかも、3人とも同じ1982年生まれというキャスティングの徹底ぶり。
それぞれが主役を張れるビッグな役者なうえに、リアル同級生(2021年の撮影当時、3人はガチで39歳)たちは阿吽の呼吸で、親友同士にしか出せない雰囲気を漂わせていました。
ソン・イェジンについては言わずもがな、チョン・ミドも、キム・ジヒョンも、ミュージカルや演劇でキャリアを積んできた実力派女優。揺らぎ世代の女性たちの繊細で複雑な感情を、それぞれが丁寧に表現していました。

児童養護施設で出会ったミジョとキム・ソヌ(ヨン・ウジン)。このソヌ氏、「(高速道路の)休憩所」みたいな人だとミジョに言われていました(笑)。
もうすぐ40歳の主人公たちは、全員未婚。それなりに社会的な立場があり、稼ぎも少なくはないけれど、老後を1人で生きていくことを考えると、そこまで余裕があるわけでもない(ミジョは除く)。30代前半までは、結婚や出産という人生の選択肢に対して思い悩んだり、年齢的なリミットを感じていた時期もあったはずだけど、39歳の今は、ある程度、折り合いがついている。
そんな3人は、まわりから見たら十分大人だけれど、親友同士で居酒屋やカラオケに集れば、学生時代から何も変わっていない、ただのミジョとチャニョンとジュヒ。着たいものを着て、食べたいものを食べ、行きたいところに行く。恋愛だってバリバリ現役で、まるで10代のようなガールズトークを繰り広げます。「あの男はダメ!」と叱ったり、「(彼は)いいと思うんだけどな」と後押しをしたり。部屋飲みのまま、雑魚寝したり、時にはクラブで踊りまくることも。自由! 楽しそう!
ただ、年齢を重ねるごとに、身体や心の悩みも増え、“老いへの不安”を意識する時期でもあります。人生の折り返し地点は確実に近付いていて、“両親の老後”とも向き合わなくてはいけないわけで。それでも、自分に残された人生をどう生きるかについて、心のまま、自分の信念に基づいて、選び取れるようになった頃とも言えるんですね。それが、このドラマで描かれる“39歳”の姿なんじゃないかと思います。
彼女たちの“明るさ”とは対照的に描かれる重いテーマが、第1話・開始3分後の葬儀のシーン。20年来の付き合いがある家族同然の親友3人組のうちの1人が亡くなることを前提に物語が進んでいくのです。
出だしから、あまりにも衝撃的な展開。「一体、何があったの?」とイッキにドラマの世界へと引きこまれたかと思えば、彼女たちの1人に“余命半年”が宣告されて……。
ありふれた、しかし、とてつもなく悲しい状況の中で彼女たちは選びます。
できる限り楽しい時間を過ごすことを。大切な相手を尊重することを。
人生の伏線を回収するように、残された宿題を解決していきます。

大人のパジャマパーティ(といっても、着ているのはミジョだけだけど)って、楽しいですよね!
「父と母に健康診断を受けさせてほしい」
「(残された恋人に)週に1回、サムギョプサルを食べさせてほしい」
そんなお願いをする友に「週に1回は、さすがに無理よ」と文句を言いつつも、忘れないよう付せんに書いて貼っていく律儀な親友たち。逝く者、残される者、お互いがお互いの意思を尊重し、最後まで納得のいくように支え合う姿と感情を丁寧に描いています。
各話の冒頭に挿入される、回想シーン。何気ない会話のこともあれば、3人にとっての“ちょっとした事件“だったりするのですが、それがそのエピソード回の切ない伏線となって、物語に引き込まれていきます。彼女たちの人生の一瞬一瞬の愛おしさを、視聴者も共有しているような気分にさせてくれるのです。
「人生にとって一番大切なのは、誰かと過ごした時間である」。
「別れは、始まりでもある」
そんなことを何度も噛みしめたくなるドラマです。
作品概要
『39歳』
全12話
Netflixシリーズ「39歳」独占配信中
老人&青年によるブロマンス作品『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』

写真左からチョロク(ソン・ガン)、ドクチュル(パク・イナン)。
『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』
全12話
出演:パク・イナン、ソン・ガンほか
Netflixシリーズ「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」独占配信中
あらすじ
一流のバレエダンサーを目指すイ・チェロク(ソン・ガン)は、自分を取り巻く厳しい現実のせいでスランプに陥っていた。一方、郵便配達員として家族のために働き続けたシム・ドクチュル(パク・イナン)は定年を迎え、残りの人生を考え始めていた。ある日、友人の葬式の帰りにダンススタジオを通りかかったドクチュルは、チェロクが踊る姿に心を奪われる。
ドクチュルは子どもの頃バレエダンサーに憧れていたが、貧しい家庭環境がそれを許さなかった。かつてあきらめた夢に挑戦するため、ドクチュルはダンススタジオに再訪し、バレエのレッスンを受講したいと伝えるが、チェロクは相手にしない。それでも熱心に通い続けるドクチュルを見たバレエスタジオの団長から、チェロクはドクチュルのバレエの指導者に、ドクチュルはチェロクのマネージャーになるよう言い渡される。
かくて23歳と70歳の奇妙なバレエレッスンが始まり……。
ここが見どころ
今回紹介するのは、“47歳”もの年の差を超えて、バレエでつながった老人と若者の物語、『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』。嬉しくも悲しく、熱くて切なく。観る者すべてに勇気と感動を与える極上の夢追い物語でした……。
高みを目指す若きバレリーノ、チェロク役には人気俳優ソン・ガン。70歳でバレエに挑戦するのドクチュルを、大御所俳優パク・イナンが熱演しています。

自主レッスン中のチョロク。
186cmの高身長に、小玉スイカのような小さな頭。スラリと伸びた長い手足に、どこかあどけなさの残る顔……。そんなソン・ガンが演じているのは、溢れんばかりの才能を持ったバレリーノ、チェロクです。第1話での彼の登場シーンは、ため息しかでない静謐さ。
薄暗いダンススタジオに差し込んだ優しい光。その先には、長い手足を広げ、高く舞い上がるチェロクが。その姿はスタジオという暗く狭い場所から、光に満ちあふれた大空へ飛び出そうと羽ばたく蝶のように舞い踊っていて……。
この幻想的なシーンは、ドクチュルのみならず、視聴者の心をも奪うことでしょう。
素晴らしいダンスを披露しているソン・ガンは、本作に出演するまでバレエ経験がなかったとか。本作を機に、約半年間の練習を重ねて身につけたそうですが、短期間で魅惑の舞いをマスターしたソン・ガン、恐ろしい子!
-
自宅で腹筋を鍛えるドクチョル。辛そう……。
-
スタジオで基礎トレーニングに励むドクチュル。嬉しそう♪
一方、パク・イナンが演じているドクチュルは、バレエスタジオの門を叩いたものの、当然、最初は全然踊れなくて、基礎動作とストレッチばかりなのですが、どうみても素人のそれなんですね。しかしドクチュルは、47コも年下のチェロクを“師”として敬い、厳しい練習にも必死に食らいつき、自主練習も欠かさず、真剣にバレエと向き合います。
その一方で、チェロクのマネージャーとしてのドクチュルは、持ち前の勤勉さで、毎朝のコールはもちろん、コンディションや練習量、食事などを事細かに記録。さらに風邪をひけば、家を訪ねておかゆを作り、薬やおかず、梅エキスといった体にいいものもしっかりと差し入れるなど、渾身のサポート。
スランプでやさぐれモードになっているチェロクから見れば、ただのお節介にしか思えないのですが、次第にお節介は真心となって、孤独と不安で隙間だらけだったチェロクの心を埋めていくのです。また、ドクチュルがバレエに挑む真摯な姿が、チェロクの心に情熱の火を灯していき、二人の間に特別な絆を結んでいくのです。

バーでレッスン中のドクチュル。毎瞬間、全力投球!
何歳になっても夢を追いかける姿、周りに反対されても諦めないドクチュルの姿は、ともすれば「70も過ぎて妙なことを始めたお節介じいさん」になりかねません。
そこは半世紀以上も最前線で活躍する大俳優パク・イナン。大らかで人情深く、お節介だけど憎めないかわいらしさで、まわりに愛情を与えるドクチュルを、魅力たっぷりに演じています。
ドクチュルな真剣な思いと優しい言葉、そして思いやりの数々は、慈愛に満ちた海のように周囲の人を包み込み、チェロクだけでなく、明るい未来を描けなかった若い世代の背中も押していくのです。

チョロクはバイトを掛け持ちして生活費を稼ぎながら夢を追いかけている。
「今こそ新しいことを始めよう」。そんな希望を胸に抱きつつも、なかなか踏み出せずにいることってありませんか?
ドクチュルがバレエに挑むキッカケは、旧知の友が最期に言い残した後悔でした。友の慟哭を聞いて、「バレエをやらないまま、人生を終えることはできない」と決心したドクチュル。世間体や、家族の反対や、体力的限界にも負けず、必死にバレエに食らいつきます。そこまで努力しても、妻や息子、孫は「いい歳をして何を言っているのか」と冷ややか。
一方、若いチェロクが順調満帆かと言われたら、そうではありません。親元を離れて生きているチェロクは、経済的にも精神的にも不安だらけ。若いが故の迷いもあります。
つまり、夢を追うことへの苦悩や葛藤は、年齢に関係なく付きまとうってこと。だからこそ、本作で描かれる夢を追うことの苦悩、乗り越えた先にある奇跡が、心を揺さぶるのだと思います。

自らの練習動画を見ながら談笑するチョロクとドクチュル。2人の間には絆が。
年齢も、生きてきた環境も違う2人をつないでいるのは、バレエへの情熱。自分の夢を他人に踏みつけられたり、容赦のない“老い”という時の流れに、怒り、苦しみ、絶望しながらも前へと進み続ける2人。彼らを見ていると、「したいことをする」その先には「幸せ」というまばゆい光景が広がっているのだなと思いました。
タイトルの“ナビレラ(나빌레라)”は、韓国語で「蝶のように美しく羽ばたく」という意味。ソン・ガンの蝶のような舞いに見惚れ、パク・イナンの演技やセリフに胸打たれ。2人の追いかける夢の結末に涙するはずです。
作品概要
『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』
全12話
Netflixシリーズ「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」独占配信中
コン・ユとソ・ヒョンジンが初共演!奇妙な結婚生活を描いた『トランク』

『トランク』
全8話
出演:コン・ユ、ソ・ヒョンジンほか
Netflixシリーズ「トランク」独占配信中
あらすじ
音楽プロデューサーのジョンウォン(コン・ユ)は、元妻ソヨン(チョン・ユンハ)から復縁の条件として別の女性と1年間契約結婚することを提案され、非公然のマッチングサービス会社・NMからやってきたインジ(ソ・ヒョンジン)と偽装夫婦となる。少しずつお互いを知っていくジョンウォンとインジだが、湖のほとりで5,000万ウォン(約500万円)以上する限定盤のトランクが発見されたことにより、ある事件の渦中に巻き込まれていく。
ここが見どころ!
偽装結婚から始まるラブストーリーは韓ドラのお決まりとも言えるテーマですが、2024年11月29日に公開された『トランク』はちょっと違います。再婚相手は期間限定の結婚をあっせんする組織で妻を職業としている女性で、その再婚を提案し相手をマッチングしたのが元妻。さらに元妻も同じマッチングサービスを使って別の男性と再婚するという、胸キュンとはかけ離れた偽装結婚なんです。
W主演を務めるのは『トッケビ ~君がくれた愛しい日々~』などのコン・ユと、『浪漫ドクター キム・サブ』、『なぜオ・スジェなのか』などのソ・ヒョンジン。映画『ワンドゥギ』で知られる作家キム・リョリョン氏の同名小説を原作に、『大丈夫、愛だ』、『私たちのブルース』のキム・ギュテ監督が演出を、『花郎<ファラン>』のパク・ウニョン氏が脚本を手掛けています。

元妻ソヨンから“罰と休暇”という名目でインジとの再婚を迫られるジョンウォン。
コン・ユが演じるジョンウォンは、美術館のような大豪邸に住む超セレブの音楽プロデューサー。父親がとんでもない富豪だったため裕福に育ったいわゆる御曹司なのですが、その父親の家庭内暴力のせいで心に慢性的な闇を抱えていて、睡眠薬がないと眠れず、お互いに別の人と1年間再婚したら復縁するという無茶苦茶な条件も受け入れるしかないほど元妻ソヨンに精神的に依存しています。
コン・ユといえば、代表作である『トッケビ ~君がくれた愛しい日々~』が韓国で放送されてから8年以上になるわけですが、映画『トガニ 幼き瞳の告発』や『新感染 ファイナル・エクスプレス』、『82年生まれ、キム・ジヨン』、『イカゲーム』とさまざまなコン・ユを観ていても、筆者の中ではやはり『トッケビ』のアジョシのような、穏やかで優しくて、ちょっと茶目っ気もあるキャラクターが一番に思い浮かぶんですよね。バラエティなどで見せる素の姿も好奇心旺盛でキュートなイメージがありますし。だからこそ、常に不安そうで寂しそうで余裕がない“病んでいるやさぐれ御曹司”のジョンウォンを演じている姿は新鮮。パブリックイメージとは異なるコン・ユの新境地が見られる作品だと感じました。

韓国国内に3個しかない高級トランクを所有しているインジ。
配信されてすぐにイッキ見したのですが、それほど楽しみに待っていたのはコン・ユの相手役がソ・ヒョンジンだから。『僕が見つけたシンデレラ~Beauty Inside~』では月イチで姿が変わってしまうお騒がせトップ女優役を愛嬌たっぷりに演じ、『なぜオ・スジェなのか』では冷徹なカリスマ弁護士役を演じてイメージを一新したように、さまざまな役をこなす豊かな表現力にくわえ、耳に一音ずつはっきりと入ってくる明瞭なセリフ回しの大ファンでして。本作でも持ち前のセリフ回しがジョンウォンに突き放されるような態度をとられても淡々と妻としての業務をこなすインジというキャラクターに説得力を与えています。

巨大な階段とシャンデリアが印象的なジョンウォンの豪邸。
そんなインジにも心の闇が。5年前、結婚直前に婚約者が失踪、ストーカー被害にも遭っていました。結婚とは何か、真実の愛とは何かを見失ったインジは、期間限定の契約妻としてこれまでに4回結婚し、5回目でジョンウォンと夫婦に。「結婚はうんざり」と言いながらさまざまな事情で結婚を必要とする人たちの妻となり、自分の荷物はトランク1つ分だけなのに元婚約者の家はそのまま残しているインジ。いわゆる“普通の結婚”を求めていた過去の自分に対する懺悔や、やり場のない怒り、悲しみを抱えているように見え、彼女も出口の見えない闇を彷徨っているのだと感じました。

湖で発見されたトランクの中身とは?
物語は、銃声が聞こえたという湖でインジのトランクと同じ型のトランクが発見されたところから始まります。その後男性の遺体も発見され、警察は殺人事件として捜査を開始。事件が発覚した現在と5ヵ月前のジョンウォンとインジの結婚生活が交差して描かれる複雑さや、状況を説明するようなセリフを削ぎ落した演出は、まるで小説を読んでいるかのよう。主演の2人も「見る視点によってさまざまな解釈が出てくるだろう」(コン・ユ)、「行間を読むべきところが多い」(ソ・ヒョンジン)と語っており、静けさの中に緊張感が漂うストーリーが斬新で魅力的。腰を据えて観たくなる難しさがクセになります。
-
離婚後もジョンウォンを支配しようとするソヨン。
-
インジにつきまとうオム・テソン。
自ら離婚しておきながらジョンウォンの家に隠しカメラを仕掛けて監視しているソヨン、再び動き出したインジのストーカーのオム・テソンと、登場人物全員が怪しくてクセあり。湖で発見された遺体は誰なのか、トランクはインジのものなのか。ラストまで「犯人はあの人か? いや、この人かも?」とハラハラさせられる展開が続いて目が離せません。

奇妙な結婚生活の結末は?
ミステリーを絡めながら嫉妬、憎しみ、支配欲、依存とさまざまな愛の形を描いた本作。お互いの傷を癒しながら本当の愛を知っていくジョンウォンとインジが美しく、尊かったです。マッチングアプリが普及したこの時代に配偶者を派遣するマッチングサービス会社が登場する設定もおもしろく、予想していなかった結末に思わず涙が。視聴者に余白を与える独特な雰囲気をぜひ楽しんでください。
作品概要
『トランク』
全8話
Netflixシリーズ「トランク」独占配信中
加害者の同級生たちに復讐の牙をむく様子を描いた『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』

すぐキレるチョン・ジェジュン(パク・ソンフン)の襟足は長い。
『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』
全16話
出演:ソン・へギョ、イ・ドヒョン、イム・ジヨン、パク・ソンフンほか
Netflixシリーズ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」独占配信中
あらすじ
ムン・ドンウン(ソン・へギョ)は高校時代、裕福な家の娘パク・ヨンジン(イム・ジヨン)を中心とした特定の同級生らから壮絶ないじめを受けていた。ヨンジンの母親は育児放棄の状態で、先生に訴えても逆に暴力を受ける始末。その後、ドンウンは高校を退学。ヨンジンへの憎しみを抱え、働きながら勉強し大学に合格する。ある日、栄養失調で倒れたドンウンは病院で研修医のチュ・ヨジョン(イ・ドヒョン)と出会い、囲碁を教えてもらうことに。そして教師になったドンウンはヨンジンへの復讐を開始する。

ソン・ヘギョ演じるムン・ドンウンの体に残るおびただしい傷。絶句。
ここが見どころ
いじめを受けたヒロインによる壮絶な復讐物語。痛いまでにリアルで緻密な台本と、没入感を倍増させる俳優たちの類まれなる演技によって、まさに「やめられない、とまらない」を地で行く作品です。
本作でソン・へギョ演じるムン・ドンウンを苛め抜くチョン・ジェジュンを演じているのがパク・ソンフン。ええ、『涙の女王』で、ヒロインにとんでもなく執着するサイコな投資家ユン・ウンソンを演じたあの彼が、本作でも悪役を熱演!
「悪役を演じる時は楽しみながら演っている」とインタビューに答えるほどに憎々しい演技を披露してくれたパク・ソンフンのチッケム(ファンカメラ)目線で、本作のみどころを紹介します♡

高校時代のドンウン。絶え間なくいじめられる日々で体中がボロボロに。
高校時代に苛烈ないじめに遭って身体と心に消えない傷を負ったドンウンが、18年後、傷を負わせた同級生たちに復讐の牙をむく、という物語です。
本作でダークヒロイン・ドンウンに扮するのがソン・ヘギョ。大ヒット作『太陽の末裔 Love Under The Sun』(韓国では最高視聴率41.6%! すごっ!)などに主演して“ラブロマンスの女王”の名をほしいままにしてきた彼女が、今作では笑顔を完全に封印。虚無と言ってもいいほどの無表情で加害者たちを地獄へと突き落としていきます。
復讐のエッジの効いた容赦のなさは、いじめの凄惨さに比例しています。
ドンウンの高校時代、同級生の男女5人組に苛烈ないじめを受けていました。暴言・嫌がらせ、体中を殴る蹴るは序の口。高熱のヘアアイロンで火傷させるまでにエスカレート。いじめどころか犯罪レベルの所業なのに、加害者たちは学校や警察、そしてドンウンの親にまで手を回して、被害者であるドンウンの訴えを財力と権力にモノを言わせて封じ込めるのでした……。

大人になったヨンジンの表面の顔はお天気キャスター。
しかも、その後の加害者たちはお天気キャスターになって建設会社の社長と結婚したり、親のゴルフ場を引き継いだり、画家デビューしたり、CAになったりと、キラキラ陽キャライフを満喫。一方ドンウンは、18年もの間、夢も希望も失って、長袖の下に無数の傷跡を隠しながら苦難の道を孤独に歩き続けてきたわけですから、復讐に余念なし。
そんなドンウンの目的はたったひとつ。“加害者連中に社会的な死を与えること”。ゴミ箱を漁ってでも弱みを掴んで、加害者同士の対立を煽って、彼らが大切にしているものをひとつ、すべて取り上げていきます(震)。
「目には目を、歯には歯を、骨折には骨折を、傷には傷をもって償う。
そんなの、あまりにもフェアプレーでは? 皆さん」
魂に刻み込まれた復讐心に則って、ビシッと宣戦布告するドンウンにしびれます!

ドンウンを脅すジェジュン。
敵役のタチが悪いほど、復讐劇は深まるもの。
実際、パク・ソンフンの演技があまりに自然すぎて、役名のチョン・ジェジュンが本名だと思われることもあったとか。
それでは、ジェジュンは、どんなキャラクターだったのでしょうか。
ドンウンをいじめる5人のうちのひとり。裕福な家庭に生まれ、ブティックを経営していたり、親からゴルフ場の経営を任されるなど、金銭的に不自由したことのない人物。しかし、少しでも気に入らないことがあるとすぐキレて、相手を殴るという救いようのない金持ちのドラ息子なのでした。
さらにいじめ仲間のパク・ヨンジン(イム・ジヨン)とも肉体関係を持っているわ、三十代になっても同級生をパシらせるわ、CAやお店のスタッフをアゴでこき使うわの典型的な利己的横暴男。ちょっと思い返してみても、いいところがひとつも見つからないくらいのクズ・オブ・クズでした!

ヨンジンとジェジュンの関係性にも注目を
作品概要
『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』
全16話
出演:ソン・へギョ、イ・ドヒョン、オム・ジヨン、パク・ソンフンほか
Netflixシリーズ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」独占配信中
年上女性×年下男子のラブロマンスを描く『卒業』

『卒業』
全16話
出演:チョン・リョウォン、ウィ・ハジュンほか
U-NEXT独占配信中
© STUDIO DRAGON CORPORATION
あらすじ
ソ・ヘジン(チョン・リョウォン)は勤続14年目の塾講師。競争の激しい業界の中でもスター級の人気を誇り、休みなく働いていた。ある日、10年前に成績下位から名門大学に送り出した教え子のイ・ジュノ(ウィ・ハジュン)がヘジンの務める塾の新人講師となって現れる。“恩師と教え子”から“同僚”になった2人は、少しずつ惹かれあっていく。
ここが見どころ!
本作は、韓国で最も塾が多い街と言われる大峙洞(テチドン)を舞台に、トップクラスの人気を誇る塾のベテラン女性講師と、新人講師になった彼女の教え子が織りなす大人のラブストーリー。2018年に韓国で放送され、年下男子ブームを巻き起こしたソン・イェジン×チョン・ヘイン主演の『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』を手掛けたアン・パンソク監督の最新作です。
主演を務めるのは、『油っこいロマンス』のチョン・リョウォンと『イカゲーム』のウィ・ハジュン。なんと、ウィ・ハジュンは本作が恋愛ドラマ初主演! これまで『最高の離婚』、『ロマンスは別冊付録』、『18アゲイン』などで二番手男子を演じてきた彼が、デビューから9年でついに一番手男子になりました! ウィ・ハジュンは、『よくおごってくれる……』にソン・イェジンの弟役として出演していましたので、アン・パンソク監督作品に主演として堂々カムバックしたのもアツいポイント。『卒業』では、恋愛ドラマの一番手男子のウィ・ハジュンが炸裂しています!

『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』の象徴ともいえる“雨×赤い傘”をリンクさせた粋な演出がエモい!© STUDIO DRAGON CORPORATION
ウィ・ハジュンが演じるジュノは、成績下位から難関大学合格を果たした、ヘジンの”奇跡の教え子”。大学を卒業し大企業に就職したものの、実家があるソウルの一等地・江南に自力で家を買うのは難しいと悟り、早くお金を稼ごうとカリスマ塾講師を目指して、恩師ヘジンがいる「大峙チェイス」に転職します。
成績不振の崖っぷちから驚異的な追い上げで難関大学に入り、誰もが羨む大企業に就職したというだけあって、ジュノは自信家で頭がキレる“しごできボーイ”。安定した道を捨てて塾講師になるなんて……と必至に止めようとするヘジンに「先生、一線を越えてますよ」とズバッと言い返すストレートな性格の持ち主で、かわいくて守ってあげたくなる年下男子というよりも、野心のあるたくましい肉食系年下男子です。キリっとした目もとに大きな口、韓国で“恐竜顔”と呼ばれるウィ・ハジュンの凛々しいイメージともよく似合っていて、現実でウィ・ハジュンが年下だったらこんな感じなのかも? なんて思っちゃう妙なリアルさをまとっています。

真顔はクールなのに笑うと犬系男子になるギャップは反則!© STUDIO DRAGON CORPORATION
チョン・リョウォンが演じるヘジンは、「大峙チェイス」の宣伝ポスターを飾るほどのカリスマ講師。塾生と保護者からの信頼も厚く、学校の試験問題に不備があれば学校に乗り込んで直談判する熱血ぶり。最初の教え子であり、彼女の塾講師人生の誇りであるジュノが後輩の新人講師となって現れたことで、10年以上守り続けてきた日常が少しずつ変化していきます。
受験競争が厳しい韓国でスター級の人気を維持するのは容易ではないはず。ヘジンはかなりのやり手のはずですが、チョン・リョウォン特有のリラックスしたムードがいい味を出していて、刺々しさゼロの大人の余裕を纏ったヒロイン像に仕上がっているところがさすが。しっとりと落ち着いた雰囲気の中でそれぞれの苦悩や葛藤を描くアン・パンソク監督ならではの世界観ともぴったりハマっていました。

「あなたが来てから毎日が事件続き」というヘジンに「僕が来る前に戻りたいですか?」とたずねるジュノ。© STUDIO DRAGON CORPORATION
そんなジュノとヘジンの恋愛模様はというと、ジュノがぐいぐいリードします!
初めて出会った高校生の頃からヘジンのことが好きだったジュノ。一緒に働くうちに好きだった気持ちが抑えられなくなり、「僕の初恋がソ・ヘジンだって気づいてたでしょ?」「僕には先生が必要です」と正面から告白するジュノに、見ているこちらもドキドキさせられっぱなしでした。
しかし、師弟関係であった2人の恋愛は大きな試練を迎えることに。常に強気でちょっと生意気なところもあったジュノが、ヘジンとの関係や仕事を守っていく中で、より頼もしい男性に成長していきます。
キスシーンも色々と登場するのですが、大人のロマンスということでキスシーンも大人っぽいので心の準備を(笑)。これまで演じてきた二番手男子も魅力たっぷりでしたが、ウィ・ハジュンって本気のロマンスも最高に似合うんだなと再認識。“キス職人”のタイトルがつく日もそう遠くなさそうです。
作品概要
『卒業』
全16話
U-NEXT独占配信中
© STUDIO DRAGON CORPORATION
ヌナ呼びも悪くない、というか呼ばれたい!『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』

『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』
全16話(配信:全24話)
出演:チョン・ヘイン、ソン・イェジンほか
発売元:アクロス / 松竹 / ポニーキャニオン / 韓流ぴあ
販売元:松竹
© Jcontentree corp. all rights reserved
----------
配信情報:Netflix、U-NEXT、ディズニープラス、Hulu、Prime Video
あらすじ
35歳のジナ(ソン・イェジン)は、親に結婚を急かされ、上司のセクハラや彼氏の浮気など、息が詰まるような毎日を送っていた。そんなある日、大親友の弟で、自分の弟の親友でもあるジュニ(チョン・ヘイン)が海外赴任から帰国する。ジナとジュニの会社が偶然同じビルということもあり、ランチをしたり飲みに行ったりするうちに、2人は恋人関係になるが……。
ここが見どころ!
チョン・ヘインにとって初のラブコメ作品&久しぶりのロマンスドラマとなった『となりのMr.パーフェクト』(2024)を観ながらもう一度見返したくなったのが、現在まで続く年下男子ブームを生んだ『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』(2018)。チョン・ヘインがブレイクを掴むきっかけとなった作品です。

放送当時、チョン・ヘインは29歳、ソン・イェジンは36歳でした。
韓国の話題性調査会社Good Data Corporationが発表した「2018年の話題性No.1ドラマ」に選ばれた本作。それも納得するくらい、当時韓国で周りの人がみんな「おもしろい!」「今日はドラマの日だから遊べないごめん!」という感じでドハマりしていました。その中でも30代前後のオンニ(お姉さん)たちの熱量がとりわけすごくて。カカオトークのアイコンをジナにしたり、自分はジナだと思って生きる! と宣言したり、“ジナになりたい”という人が続出していたんです。
私もそれなりにハマっていたのですが、オンニたちが42度の熱々のお風呂に肩まで浸かっていたとしたら、当時20代半ばだった私は38度で半身浴をしているような温度差がありました。20代半ばってどの集団でもまだマンネ(最年少)なことが多くて、時々年下と出会うと「私ってもうオンニ/ヌナなのか……」と若干焦るし、年下をかわいいと思う感覚がなかったんですよね。
でも、韓国での放送から約7年。今観たらオンニたちの気持ちがわかる! ジュニがめちゃめちゃかわいい!!当たり前ですがチョン・ヘインが若くてちゃんと年下に見える! 男性が年上女性を呼ぶ時の「ヌナ(お姉さん)」がこんな魅力的な響きだったなんて!! と、自分の目線がドラマの設定と近くなったおかげで、年下男子の魅力がわかるようになりました。
第1話、会社前で3年ぶりに再会したジナの周りを自転車に乗ったジュニがぐるぐると回ってからかうシーン。ただの知り合いや友達にされたらうざいなと思ってしまうかもしれないけど、年下男子(というかジュニ)だと茶目っ気に感じられてかわいい。ちょっと生意気なところも全部かわいい。よく“男性をかわいいと思ったら終わり”と言いますが、物語の幕開けからまさにその状態に。無事、おしまいです。

童顔が魅力的なチョン・ヘインですが、この時の透明感は別格かも。
次の日のお昼にジュニから「ヌナ、おごって」とメッセージが届くシーンなんて、まだジュニを親友の弟としか見ていないジナはだるそうに未読スルーしたのに、視聴者のこちらはその一言だけでキュンキュンしてしまいました。ただ、日本人の感覚に合わせて日本語字幕が「ジナさん」で一貫されているのが惜しい……!今なら「ヌナ」のままでも通じそうですが、第4次韓流ブーム(2020~)の前だったのでそりゃ字幕は名前表記を選びますよね。

ドラマを代表する名シーン。ロケ地は景福宮近くの「セジョン村 飲食文化通り」。
ジュニがかわいいのは世界共通認識として、ジナもかわいいんですよ。
ある程度の社会経験を重ね、役職に就き、後輩もいる。周りから見たら大人の余裕をまとうジナですが、ジュニを意識し始めてから通勤ファッションに気合いが入っちゃったり、ジュニの前では「適当に淹れただけよ」と涼しい顔をしながらオフィスのキッチンを散らかすほど熱心にコーヒーを作ったり(ジナはカフェチェーンの本社勤務)、恋が始まってうきうきする気持ちが出ちゃうところが愛くるしい!
弟的存在から恋愛対象へと変わっていく過程でだんだんとジナの声にときめきが宿っていく感じや、いつも家まで送ってくれるジュニに別れ際もう一度手を振る時のかすかな雰囲気の違いなど、ジナの感情の変化を表現するソン・イェジンの繊細な演技に共感が止まりません。
ジュニ役も、少年っぽさの中に大人っぽさもちゃんとあって、かわいらしい顔立ちと落ち着いた印象を与える低音ボイスを兼ね備えたチョン・ヘインの右に出る者はいないと、2度目の視聴で確信しました。飲み会中にジナにこっそり手を握られてしゃっくりが出ちゃうとか、ジュニの絶妙なかわいさはチョン・ヘインにしかできませんもん。

付き合ってから初めて訪れたジュニの家でイチャイチャ。
糖度高めなロマンスにうっとりする一方、別の意味でぐさぐさ刺さるのが周囲の反対や職場のセクハラ・モラハラ問題。
母親はジナにいい家柄、いい仕事を持つエリートと結婚してほしいと思っていて、しかも、ジナの家族はジュニと彼の姉を家族のようにかわいがってきたので「後ろ指さされるわよ!!!!」と2人の恋愛に大反対。この干渉が尋常じゃなく、見ていて頭がクラクラしてしまうほど。さらに、ジナはセクハラを告発したことで職場でも孤立してしまいます。
ここがまあしんどいのですが、これまで母親のお眼鏡にかなうエリートと交際し、職場では上司のモラハラ発言やセクハラまがいの行為を苦笑いで流してきたジナが、ジュニとの恋を通じて“その場しのぎをやめて自分を大切にしたい”と成長していく過程も本作の大切なテーマなのだと感じました。あの頃オンニたちが「ジナになりたい!」と言っていたのは、こういう部分もあるのかも。
7年前は遠くから眺めているような感覚だったけど、今回は作品に対する解像度がぐんと高まっていたので、20代、30代、40代…と観る時の年齢によってロマンスも母親との関係も違って見えそう。数年後の自分はどこに共感するのか、また見返したい作品になりました。
作品概要
『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』
出演:チョン・ヘイン、ソン・イェジンほか
発売元:アクロス / 松竹 / ポニーキャニオン / 韓流ぴあ
販売元:松竹
© Jcontentree corp. all rights reserved
自分の夫と友人を結婚させる!? 最悪な人生をやり直すストーリーが痛快!『私の夫と結婚して』

© Studio Dragon by CJ ENM
Amazon Original 『私の夫と結婚して』
全16話
出演:パク・ミニョン、ナ・イヌほか
Prime Videoで独占配信中
あらすじ
末期がんを患うカン・ジウォン(パク・ミニョン)は、ある日、自宅で夫と親友の不倫現場を目撃する。2人に殺されたジウォンは、突然10年前の過去にタイムスリップし、2度目の人生で運命を変えようと奮闘する。
ここが見どころ!
韓国ドラマにあまり詳しくないという人でも、『キム秘書はいったい、なぜ?』(2018)は観たことがあるのではないでしょうか。バリバリ働いて、優秀で、美しくてかわいいヒロインの敏腕秘書ミソに心を掴まれた人も多いはず。
2024年元日にスタートし、今年最初の話題作となった『私の夫と結婚して』は、そのミソを演じたパク・ミニョンの最新主演ドラマ。もう、それだけで見始める理由は十分でしょう。「ラブコメの女王」「視聴率女王」の異名をとる我らが(?)パク・ミニョン様が、またもやヒット作を生み出してくれちゃいました!

© Studio Dragon by CJ ENM
夫ミンファン(イ・イギョン)から金を無心され、姑から嫁いびりを受けるジウォンにとって、学生時代からの親友スミン(ソン・ハユン)は唯一の味方でした。ところが、ミンファンとスミンは不倫していた挙句、ジウォンにかけた保険金を狙っていました。しかも、わざとジウォンの病の発見を遅らせていたという最低最悪ぶり!
2人に裏切られ、命を落とすジウォンでしたが、気づくと結婚前の10年前にタイムスリップ。最悪な人生の結末を避けるために、自分を裏切ったミンファンとスミンを結婚させて、運命を変えることを決意します。
なんと、パク・ミニョンは、余命宣告されたジウォンを演じるために37kgまで減量したそう。「いつまでこのようにキャラクターに対する情熱を注ぐことができるのか疑問もあった。最後に大きな力を振り絞って死ぬ気でやってみました」と制作発表会で語ったパク・ミニョンの言葉から、役者魂と本作にかける強い思いが感じられました。

前世のシーンの撮影後は2週間かけて体重を戻したそう。© Studio Dragon by CJ ENM
最初の人生で学んだことを活かして、2度目の人生を切り開いていくジウォン。復讐というテーマこそあるものの、ドロドロの愛憎劇とは一味違う、ポジティブなエネルギーも共存しているのが本作の魅力。裏切り者たちに仕返ししながら、優しいがゆえに人の言いなりになってきた自分とも決別し、自分らしく生きようとするジウォンを応援したくなります。
例えば、ドラマの前半に登場する同窓会のシーン。学生時代、ジウォンは理由もわからないままクラスメートからいじめを受けていて、半ば強制的に参加させられた同窓会は、彼女にとってトラウマとして残っていました。しかし、今世ではばっちり着飾って周囲を見返し、いじめが始まった真相を突き止めて、相手をギャフンと言わせることに成功します。
リベンジにはきっと色々な方法があるだろうけれど(SNSで暴露するとか、巨大な権力を借りるとか)、あくまで自分の力でできる範囲内で一発お見舞いするジウォンに好感が持てました。

一つずつ運命を変えていく姿が痛快!© Studio Dragon by CJ ENM
そんなジウォンの2度目の人生において重要な人物になるのが、上司のユ・ジヒョク部長(ナ・イヌ)。1回目の人生ではほとんど関わりがなかったはずなのに、タイムスリップした後は何かとジウォンのピンチに登場して……。

会社の後継者であることを隠し、部長として働くジヒョク(ナ・イヌ)。© Studio Dragon by CJ ENM
ジヒョクを演じるナ・イヌは、1994年生まれ、デビュー11年目。『哲仁王后(チョルインワンフ) ~俺がクイーン!?~』(2020)で注目を浴び、『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』(2021)で大ブレイクし、主演クラスの人気俳優に。
ジウォンの人生を知っているかのように、先回りして手を差し伸べてくれるジヒョク。でも、がつがつしていなくて、ジウォンが助けはいらないと言えば、無理強いせずに見守ってくれる。そんな紳士的なかっこよさが今っぽく、ナ・イヌの安定した演技力と188cmの長身&甘いビジュアルも加わって、沼落ちする視聴者が続出しました。
素顔はド天然で人懐っこい犬系男子のナ・イヌ。デビュー前にアイドル練習生をしていたキャリアを持ち、今でもファンミーティングやバラエティ番組などで独特のダンスをたびたび披露していて、ジヒョクモードの時とのギャップも沼深いですよ…!
お察しのとおり(?)、ジヒョクはジウォンに想いを寄せているのですが、それがジウォンの2度目の人生にどう影響するのか。最初の人生で起きた出来事は次の人生でも必ず起きる中で、ジウォンはミンファンとの結婚を回避できるのか。転生&復讐&ロマンスが融合した刺激的なストーリーは、一度見始めたら止まらなくなること間違いなしです!
作品概要
Amazon Original『私の夫と結婚して』
全16話
Prime Videoで独占配信中
辣腕女性弁護士と健気系年下男子とのラブロマンス『なぜオ・スジェなのか』

チェ・テグク会長を前に、少しも怯まず意見するスジェ。
『なぜオ・スジェなのか』
全32話
出演:ソ・ヒョンジン、ファン・イニョプ、ホ・ジュノ、ぺ・イニョクほか
©SBS @PLAN K Entertainment
あらすじ
韓国最大の法律事務所「TKローファーム」のオ・スジェ(ソ・ヒョンジン)は、手段を選ばない非情さで勝訴をもぎ取る凄腕弁護士。チェ・テグク会長(ホ・ジュノ)の右腕として、事務所のトップ就任も内定していたある日、国会議員による性的暴行事件を巡る醜聞に巻き込まれ、ロースクールの教授職に左遷されてしまう。スジェが教授として指導を担当するロースクールの学生たちの中には、10年前に弁護を担当したコン・チャン(ファン・イニョプ)や、チェ会長の息子であるユンサン(ペ・イニョク)が学んでいた。スジェと学生たちは性的暴行事件の真相解明へと乗り出すが……。複雑に絡み合う2人の過去と現在。企業売却、土地再開発を取り巻く、権力者たちの欲望と悪事。上へとのぼり詰めるため、スジェは何を捨て、何を得て、何を悟るのか。

左遷先であるロースクールでのオ・スジェ教授。
ここが見どころ!
女性弁護士を描いた話題の朝ドラ『虎と翼』を観ていて、もう1回見たくなったのがこの作品。「この話を観たらやめよう」「次の回を観たら寝よう」というループに陥って(各話30分ほどなのがうらめしい)、リモコンのボタンを押す手が止まらず、イッキ観してしまいました!
『女神降臨』で大人気のファン・イニョプの熱烈な健気ワンコっぷり、そしてソ・ヒョンジンとホ・ジュノの演技対決(本作で2022年のSBS演技大賞、演技賞を受賞)があまりにも素晴らしかったので、ご紹介します。
理不尽と巨悪を相手に戦うヒロイン
国の支配までをも目論む権力者たちの果て無き欲望のために人生を狂わされた女性弁護士オ・スジェが、彼らを踏みにじるまでに上り詰めようとする姿を描いた、ミステリーあり、復讐あり、成長あり、ロマンスありのサスペンス。狡猾で貪欲な権力者たちと互角に渡り合うスジェが、強く美しくカッコいい!
勝利のために手段を選ばないスジェの辣腕ぶりは、第1話から堪能できます。
ある時は、依頼人の弁護のために、性的暴行被害者の素性を調べ上げて「ネットに公表されたら死にたくなるかも」と追い詰め、またある時は、自分を引きずり降ろそうとする同僚たち(しかも、全員男性)が数多く集まる会議室で「この中で私より収益をあげた人は? 私より裁判で勝った人は?」と啖呵を切る。
最初からギラッギラしているスジェの野心にドン引くでしょうが、回を追うごとに、彼女がなぜそういう人間になったのかが明らかになっていきます。
片親の貧困家庭で育った高卒のスジェ。死に物狂いで弁護士になるも、立ちはだかっていたのは、学歴・性・階級といった、本人の努力ではどうにもならない差別の高い壁。踏みつけられる日々の中、泥水で口を濯いでいたスジェは、その後泥水をがぶ飲みしながら、捨て駒にされるピンチを、自らの機智でチャンスに変え、のし上がることで自らの地位を築いていくのでした。
「見下ろしてやる! 一番上に立って、全部見下ろしてやるから!」と、全身全霊を込めたスジェ渾身のカウンターパンチが、男社会の巨大ローファームの闇を白日の下にさらしていきます。上り詰めるためには手段を選ばない彼女の賢さに感嘆し、ずる賢い権力者たちを鼻であしらう姿にほれぼれ。スジェの悲しい過去が明らかになってからは、その目的と復讐劇から目が離せなくなり……という、様々な感情がミルフィーユのように幾重にも折り重なるドラマがたまりません!
-
会長テグクと向き合うスジェ。この後、とんでもない事態に見舞われる。
-
自分の右腕スジェに、釘を差すテグク。まるでハブとマングース……。
韓国ドラマを観ていると、悪役に対して「想像の斜め上を行くクズだなぁ」と思うことってありませんか? そんな気持ちいいくらいの悪役っぷりを見せてくれたのが、スジェが務めるローファームの会長チェ・テグク(ホ・ジュノ)。
登場シーンから既にラスボスの香りがプンプン。回を追うごとにマトリョーシカのように飛び出してくる悪事や罪にも、毎度びっくりさせられますが、身長が180cmもあるホ・ジュノの凄みある演技が相まって、スジェの次に印象に残るほどの存在感。
高級料亭で出された料理の魚の目玉を箸で執拗に突き刺したり、薬とエビスナックをむしゃむしゃと食べたあとに焼酎でイッキに煽ったり、息子たちを恫喝するシーンでは平手で“会心の一撃”を叩き出したり。ホ・ジュノの神経質そうなルックスと、大手ローファームの会長という知的悪役キャラとの相乗効果で爆上がりの恐怖度でした……。

スジェ(ソ・ヒョンジン)とチャン(ファン・イニョプ)雨の2ショット。“傘”は彼らのキーアイテムですよ♡
ヒリヒリ、ハラハラする本作での心のオアシスは、『女神降臨』でのアウトローな役で注目されたファン・イニョプ。『アンナラスマナラ-魔法の旋律-』では一転、優等生を演じたけれど、本作では、スジェを支え続ける健気な年下男子コン・チャンを好演しています。
普通のロマンス作品なら、2人が出会って、誤解したり、衝突したり、わかりあったり、ぶつかりあったりをくり返してロマンスが進展していくもの。しかし、本作は最初からラブ度フルスロットル! チャンによるスジェへの一方的な片思い、それも“好き”をすっ飛ばしてのメモリ最大値の“愛”で始まります。
雨が降れば、自分の傘をスジェに差し出し、コップが割れる音が聞こえるとすぐに駆け、「危ないから」と言って彼女を抱き上げてデスクに座らせる。傷付いていれば、「良くないことばかり押し寄せてくるように感じる時があります。でも、少し待って、まわりを見渡すと、いいことがすぐ横にあったりします。出来事も、人も」と慰める。まさに天使!

スジェ(ソ・ヒョンジン)とチャン(ファン・イニョプ)雨の2ショット。“傘”は彼らのキーアイテムですよ♡
この揺るぎないスジェへの愛の始まりは、チャンが孤立無援の地獄にいた10年前、スジェだけが自分を信じてくれたことからでした。「(スジェの)“信じる”という言葉で息ができ、生きることができた。信じてくれる人がいたんだから、それで十分です」と、チャン。一心に愛し続ける彼の愛の深さよ……(号泣)。
2人のロマンス描写はあまり多くはないけれど、だからこそチャンの愛が、スジェの過酷な人生に与えられた、たったひとつの癒しであり救いのように思えるのでした。
いかがでしたか?
演技派俳優たちの鬼気迫る競演に、人気俳優ファン・イニョプの健気ワンコっぷりが光る本作。
「ラブストーリー、大好き!」と言う方には重めな内容でラブ不足かもしれませんが、ヒロインの生き様や筋の通し方に、きっと心を動かされるはず。
DVD発売中

『なぜオ・スジェなのか』
各動画配信サービスで配信中!
DVD レンタル中/DVD-BOX1~2 発売中
発売元・レンタル販売元:PLAN K エンタテインメント
セル販売元:ハピネット・メディアマーケティング
Ⓒ SBS
故郷の済州島で幼なじみと再会し、本当の自分を取り戻していくロマンチックコメディ『サムダルリへようこそ』

ソウルへと向かう若かり日のチョ・サムダル(シン・へソン、写真左から2番目)とチョ・ヨンピル(チ・チャンウク、写真右)
『サムダルリへようこそ』
全16話
出演:チ・チャンウク、シン・ヘソン、キム・ミギョンほか
Netflixシリーズ「サムダルリへようこそ」独占配信中
あらすじ
フォトグラファーになる夢を叶えるため、大都会ソウルで過酷な生活を送ってきたチョ・サムダル(シン・へソン)。実力と根性でトップの座に上り詰めたものの、思わぬスキャンダルで名声を失い、逃げるように故郷の済州島へと戻る。一方、サムダルの幼なじみで気象予報士のチョ・ヨンピル(チ・チャンウク)は、済州の気象庁で働いていた。都会での生活に身も心も傷だらけになったサムダルは、ヨンピルと気まずい再会を果たすが……。
ここが見どころ!
都会で成功した主人公サムダルが、ある日突然ドン底につき落とされ、逃げるように戻ってきた故郷の海辺の田舎町で、大好きだった幼なじみや家族に支えられて、本来の自分を見つけていくという物語。主人公のラブストーリーだけではなく、夢と挫折、家族や仲間の絆といった、登場人物たちの人生が丁寧に描かれているロマンチックコメディでした!

あれから時が流れて……ヨンピル(チ・チャンウク)とサムダル(シン・へソン)の重苦しい再会。

夢を叶えるため、サムダルリからソウルへと向かう幼なじみ4人。(写真左から)チャ・ウヌ(ぺ・ミョンジン)、ワン・ギョンテ(イ・ジェウォン)、サムダル、ヨンピル。
年齢=幼なじみ歴のサムダルとヨンピルは、もはや切っても切れない深い関係ですが、序盤は、破局済みの元カレカノらしい、近すぎて逆に遠い距離感でした。
思わぬ再会に、最初はよそよそしい雰囲気。一緒に過ごす時間が増えると口数は増え、次第に遠慮がなくなって(笑)、過去の別れについて、互いに「そっちがフッた!」と主張をぶつけ合う2人。そうかと思えば、小学生たちがじゃれ合うような無邪気な素顔を見せあったり、38年(!)も寄りそってくれているヨンピルの優しさに、サムダルがほだされたり……。「あんた以上のいい男を見つけようと思ったのに、あんなクズ男と付き合ってしまった」というサムダルのボヤキには共感しかありません(笑)。
なんてことのない場面に“2人が紡いできた特別な糸”が浮かび上がっては涙腺や笑いのツボを刺激するので、ハンカチ必携でご視聴ください。

実の息子のようにサムダル母ミジャ(キム・ミギョン)に世話を焼くヨンピル。劇中、ここの海女軍団がバギーを操ってカチコミに行くシーン、超カッコいいです!
サムダルと同じ日(の5分遅れ)に生まれた運命の相手であり、彼女のことをひたすら思い、守り続ける幼なじみ兼元カレのヨンピルを演じているのがチャンウク。“ロマンス職人”として名を馳せている彼が、ここぞとばかりに本領発揮!
気象庁のジャンバーを羽織り、ハイエース風の庶民的な車(しかも演歌歌手の衣装のようなスパンコールジャケットを常備)を乗り回しているだけで、もうキラッキラ。サムダルを見つめ、声がけするかどうか迷っている姿を見ているだけで甘酸っぱい気持ちにさせてくれる、職人ぶりにきゅん♡
サムダルとヨンピルだけでなく、故郷の仲間たちや親きょうだいといった脇役たちの物語も、しっかりと描かれている本作。
星になった最愛の妻を思い続けるヨンピル父(ソ・ヒョンチョル)や、周囲には気丈にふるまいつつも親友の死の責任は自分にあると自らを責め続けているサムダル母(キム・ミギョン)、財閥2世の元夫との関係に悩むサムダル姉(シン・ドンミ)や、サムダル妹でシングルマザーのへダル(カン・ミナ)とその娘ハユル(キム・ドウン)の切ない気遣い、一瞬であの頃に戻れる地元の同期のありがたさなどなど。
どのストーリーも、切なさや悲しみが温かな絆となって心に染みていきます……。
サムダルリの人々って、物事を放置しないんですよね。意見が衝突した時、拒絶するのではなく、相手の意見を受け入れたうえで説得を試みるか、お互いの着地点を見つけようと努力します(約1名例外もいますが)。
ただ、努力への打ち込み方が尋常じゃない。誘致を巡り対立する2グループ、数十人の海女たちが町民を巻き込んで、取っ組み合いの大ゲンカに発展したり、20年かけてわだかまりを解決した親子がいたりと様々ですが、皆さん、コトが終われば何もなかったかのようにテーブルを囲んで、酒を酌み交わしています。その姿の陽気なこと!
舞台となった済州島の青い空、青い海に囲まれてると、気持ちまでカラッとするんでしょうか。
済州島の美しい海や山の絶景、島の人々の情深いやり取りなど、心癒されるポイントがいっぱいの本作。手作りキムチやチゲ、獲れたての貝の和え物といった食事風景や、サンドの家が営む食堂、住民御用達のシュポ(小さな個人商店)の角打ちなど、旅への要素も盛りだくさん! 済州の旅に出かけるような気持ちで、気軽にご視聴くださいね。

海辺で海藻を片付けるサムダルとヨンピル。チェックシャツに赤いゴム手袋姿でも済州の海より輝いているチャンウク。
作品概要
『サムダルリへようこそ』
全16話
Netflixシリーズ『サムダルリへようこそ』独占配信中
おすすめの人気韓国ドラマを探す
\Prime Videoのおすすめはこちら!/
\U-NEXTのおすすめはこちら!/
\ジャンル・テーマ別で探す/