例年、映画&海外ドラマファンたちが注目している「ゴールデン・グローブ賞」。第77回となる2020年の授賞式に、MORE本誌でも活躍中のライター松山梢さんが出席! プレパーティから授賞式、アフターパーティの様子まで、現地からの最新ルポを5夜連続でお届けします♪

【第2夜】プレパーティでセレブハント……のはずが!?

現地からお届け! ライター松山 梢の「第の画像_1
サラ・ジェシカ・パーカーが行きそうなちょっとしたパーティに憧れがあるのに、日本ではまったく縁のない生活を送っている庶民の私。ゴールデン・グローブ賞本番への準備でめちゃくちゃ忙しいハリウッド外国人記者協会(以下、HFPA)の小西未来さんに無理を言い、授賞式の前日に行われるプレパーティに連れて行ってもらいました。とはいえ、そんなパーティに着ていけるような素敵な服を持っているはずもなく。『ZARA』のセールで靴もバッグもワンピースもゲットして出陣しました!

その日に3つ開催されたパーティのうち、私が潜入したのはサンセットタワーホテルで行われたケーブルテレビ局「SHOWTIME」のパーティ。「SHOWTIME」ではリミテッドシリーズ/テレビムービー部門の主演男優賞にラッセル・クロウが、ミュージカル/コメディ部門の主演女優賞にキルスティン・ダンストがノミネートされているので、そのあたりのセレブに会えるかもと踏んだのです。会場に着くと、玄関前にフォトブースが設置されていて、数十台のカメラがすでにスタンバイ。セキュリティのために目を光らせる屈強な黒服たちのピリピリムードにも、秘かにテンションはMAXです……。

それにしても、テレビ部門のノミネートの豪華さを考えると、今は映画で活躍する俳優たちがバンバン良作ドラマに出演しているなあと痛感。ドラマに出演すると俳優としての格が下がると敬遠されていたのは、もうはるか昔の話です。プールサイドのパーティ会場は、風船で飾りつけされていたり、ソファにノミネート作品の名前がプリントされたクッションが並べてあったりとアゲアゲのお祝いムード。DJが大音量でレゲエをかける中、まだ人もまばらなスタート直後からソファに陣取り、期待をふくらませて張り込みました。

実は私、日本でも海外でも、有名人を見つける嗅覚が異様に発達しておりまして。その発見能力たるや警察犬並み(自称)。たとえ10メートル先でも、そして変装していても見逃さない自負があります。……が、業界人ぽい人がわんさかいるのに、なかなか顔がわかるセレブが現れず。そもそも、びっくりするくらい顔が小さくてスタイル抜群の美男美女があふれる状況が異次元すぎて、自慢の嗅覚も麻痺したのかも。デパートの紙袋みたいな柄の派手なドレスを着た元ミス・ユニバースがいたかと思えば、フーディにデニムにスニーカーというカジュアルすぎる女性がいたりして、本当にアメリカは自由だなと実感。

結局、無料のシャンパンと白ワインをがぶ飲みし、3時間くらい粘ったものの誰も見つけられず、すごすごと宿泊するホテルへ帰るハメに。こんなんじゃ記事にできないと思っていた矢先、会場で会ったHFPAの日本人会員のひとりである成田陽子さんから、「今回はナオミ・ワッツとキルスティン・ダンストがいたわね〜」というメールが。己のセレブ発見能力の衰えぶりが悔しすぎて、枕を濡らしたのは言うまでもありません。
写真・文/松山 梢