例年、映画&海外ドラマファンたちが注目している「ゴールデン・グローブ賞」。第77回となる2020年の授賞式に、MORE本誌でも活躍中のライター松山梢さんが出席! プレパーティから授賞式、アフターパーティの様子まで、現地からの最新ルポを5夜連続でお届けします♪

【第4夜】まるで結婚披露宴!? 授賞式会場はセレブ密度世界一

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ゴールデン・グローブ賞の授賞式が17時きっかりにスタートするのは、全米で生放送されるため。私は14時半に現地に到着し、各メディアがスターの到着を今か今かと待ちわびるレッドカーペットを小さくなって通り過ぎ、牛歩で進むこと45分。結局、ライアン・シークレストとソフィア・カーソン、グレタ・ガーウィグ監督(『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』/3月公開)&ノア・バームバック監督(『マリッジ・ストーリー』)、そしてエルトン・ジョンにそっくりなおじさまを目撃しただけで入り口に到着してしまい、もう少し粘ろうとウロウロしていると、「用がないなら早く入って!」とスタッフに怒られてしまいました。

「ドルビーシアター」という映画館で行われるアカデミー賞との大きな違いは、ホテルの宴会場で行われること。さながら結婚披露宴のような雰囲気で、ステージの目の前にノミネートされた人やプレゼンターの円卓があり、そこを囲むようにコの字型にゲストのテーブルがずらりと並べられます。テーブルにはモエ・エ・シャンドンが置かれ、今年はヴィーガン(完全菜食主義)のコース料理が振る舞われました。卵やバター、ゼラチンを一切使用していないデザートのチョコレートケーキは見た目も味も絶品で、この日のためにカラダを絞ってきたドレス姿の女性たちを虜に!
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授賞式のスタート直前になると、いよいよ会場にはセレブが到着。円熟のアネット・ベニング&ウォーレン・ベイティ夫妻、悩殺ドレスを着たヘレン・ミレン、フューシャピンクのドレスをまとった美人妻を伴ったアダム・ドライバー、貫禄がハンパないジェニファー・ロペス&アレックス・ロドリゲス、夫にエスコートされるニコール・キッドマン、ひとりで来たレオナルド・ディカプリオも会場入り。個人的にテンションが上がったのは、『ジョーカー』で主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスと婚約者のルーニー・マーラ。キュートなふたりを前にカメラを構えると、あまりに距離が近すぎてルーニーにギロリと一瞥されてしまう始末(汗)。でもかわいかったあ♡

そして、ゴールデン・グローブ賞に出席するひそかな楽しみのひとつが、トイレタイム。というのも、宴会場にはトイレが1カ所しかなく、個室も6つしか用意されていないため、順番待ちの間でセレブに遭遇する機会が多いのです。実際、キルスティン・ダンストやシアーシャ・ローナン、レネー・ゼルウィガーは、その列の長さを見てぎょっとし、並ぶかどうかトイレ前で逡巡していました。ちなみに、私の目の前に並んでいたのは、アジア系女性で初めてミュージカル/コメディ部門の主演女優賞を受賞した『フェアウェル』(春公開)のオークワフィナ。小柄でキュートだったのが印象的でした。

トイレの横のスペースにはロレアルのメイクブースが用意されており、その場でメイクをしてくれるサービスも。洗面台には色とりどりのリップグロスが詰められたガラスのボウルも用意され、好きなものを自由に持ち帰っていいシステム。メイク直しをしながら格好の社交の場にもなっていて、サルマ・ハエックは次から次へやってくる知りあいとキス&ハグを繰り返しておしゃべりに興じていました。

また、テレビ中継をしているため、一度席を立つとCMに入るまでテーブルに戻れないのがルール。やっとこさトイレから出て席に戻ろうとすると、緑のゴージャスなドレスを着た金髪ショートの後ろ姿が。なんと、私が個人的に人類一美しいと崇めているシャーリーズ・セロンではありませんか! CMになるのをマティーニ片手に大人しく待っていたのですが、その佇まいの美しさと背の高さと顔の小ささと神々しさは腰を抜かすほど。同じ空気を吸っていることが幸せすぎて、なぜか涙が止まりませんでした……。
写真・文/松山 梢