ゴールデンウィークに入り、「ボーッとしてたら一日が終わっちゃった!」なんてことも増えているのではないでしょうか? 外出自粛で、人にも会えない日々。ただ待っているだけでは、新しい発見をすることも、新しいチャレンジをすることも、新しい知識を得ることもできません。
そこで今回は、MORE本誌でも新刊紹介を担当している私、千吉良美樹が、知的好奇心を刺激する、新しい世界の扉となる3冊をご紹介します。まずは本を手に取って、「学びたい欲」、「知りたい欲」をかきたてるきっかけにしてください♪

1冊目:『ニュートン式超図解 最強に面白い!! 宇宙』佐藤勝彦(監修)

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(ニュートンプレス ¥900)
先日、アメリカ国防総省によって高速で上空を移動するUFOの映像が公開されました。真意は定かではありませんが、「宇宙」を舞台とした世界がSFではなくなってきている……そう感じた方もいるのではないでしょうか? そもそも、2021年には高級宇宙ホテル「オーロラ・ステーション」の打ち上げが予定されているし、2027年には日本からも宇宙に行ける「スペースプレーン」の開発が進められている。うかうかしていると、あっという間に地球に取り残されてしまうのかもしれません。

そこで、改めて宇宙を知るきっかけとしておすすめしたいのが本書です。監修は『眠れなくなる宇宙のはなし』などの著書を持つ、宇宙物理学者の佐藤勝彦さん。「そもそも宇宙ってどうやってできたんだっけ?」という初歩的な話から、イラスト付きで解説してくれます。まだ宇宙が膨張し続けているとか、宇宙の外側には無数の宇宙が広がっているかもしれないとか、広がるその可能性にワクワクするはずです。まずは同書でゼロから勉強して、いつかの宇宙旅行に(!?)備えてはいかがでしょうか?

2冊目:『息吹』テッド・チャン / 大森 望(訳)

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(早川書房 ¥1900)
リモートワーク、リモート飲み、さらにはリモート映画鑑賞会やリモート音楽セッションなど、オンライン上で交流することが当たり前のように感じられるようになった方も多いのではないでしょうか? もちろん直接会って笑いあえないのは寂しいけれど、そこにもうひとつの世界が広がっていることも事実。今はやりのゲーム「あつまれ どうぶつの森」に興じている方ならなおさら、仮想空間に新たな“日常”を見出し始めているかもしれません。何を隠そう、私もそのひとりです。

だからこそ、本書の中に収録された「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」を読んだ時、仮想空間と現実世界を行き来し、AIやゲノムが当たり前に実用化されているその世界がごく身近に感じられました。と、同時に、仮想空間と現実世界のふたつの軸を持つ社会がさらに進めば、いずれこんな問題に直面することになるのだろう……と考えを巡らせずにはいられませんでした。同書は、そんな“なさそうであり得る”世界を見せてくれる短編集です。時に涙しながら読み終えると、また違った未来が見えてくるかもしれません。

3冊目:『知ってるつもり 無知の科学』スティーブン・スローマン & フィリップ・ファーンバック / 土方奈美(訳)

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(早川書房 ¥1900)
みなさんは何か知りたいことがあった時、どのように調べていますか? 辞書を引いたり、本を読んだり、あるいはインターネットで検索してWikipediaの情報を読んだりするのでしょうか? ――でも、その情報は本当に“正しい”ですか?

私は職業柄、常に自分の「知識」に不安があって、「無知」には恐怖を抱いています。一、二冊本を読んだだけではわからないことも多いし、たとえ理論上は理解していたとしても、環境によってその理論が通用しない場面も少なくありません。とはいえ、知らないのが恥ずかしいのです。だから、付け焼き刃でも知識を詰めこむことはしょっちゅう。ただ、今世界中を脅かしているウイルスのように、“知ってるつもり”で対応しては、自分の身を危険にさらすことになるかもしれません。そんな時、自分よりも信じるべきは“本当に知っている人”。知性は個人の脳の中にあるのではなく、私たちの身体に、環境に、そしてコミュニティに属する、ということを本書は教えてくれます。まずは人の「知っているつもり」がどんな大きな失敗につながるのかを知り、見直してみてください。
心と体を元気にしてくれる本3選、いかがでしたか? 本に癒されたり、救われたり、励まされたり……。そんな体験の一助になれたらうれしいです!
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文/千吉良美樹