
【髙石あかりさんインタビュー】髙石さん流の“コミュニケーションの秘訣”は?
7/4(金)公開の映画『夏の砂の上』で愛を知らない少女を演じた髙石あかりさんにインタビュー。後編は、家族との関係やコミュニケーションにおいて大切にしていることなど、髙石さんの素顔が垣間見えるエピソードが満載です。

髙石家のグループLINEは、常に動いています

――今作ではさまざまな形の家族の関係性が描かれますが、高石家はどんな家族ですか?
髙石あかりさん(以下、髙石):母を筆頭に、すごく明るい家族です。両親には、幼い頃からずっと「いろんなチャレンジをしていいんだよ」、「楽しいこと、ワクワクすることを追いかけてほしい」と言われてきました。なので、たとえば習い事ひとつとっても、スイミング、バスケ、空手、乗馬、華道、茶道、ダンス……と、興味があることは全部経験させてもらったんです。今も頻繁に連絡をとっていて、楽しいことはもちろん共有しますし、私が落ち込みそうになったときには電話をくれます。
家族のグループLINEは常に動いていて、少し前には父から「本日より僕とお母さんの結婚記念日ウィークです」というメッセージが届いたばかり。そのあとに母への感謝と私たち子どもへの感謝の言葉、そして「ステキな家族でいようね」という一文がつづられていて、温かい気持ちになりました。
ほどよい距離感をとったほうが仲よくなれる気がするんです

――いい作品を作る上で、日頃から大切にしているコミュニケーションのとり方を教えてください。
髙石:距離感は大事だなと思います。私の場合、ほどよい距離感をとるからこそ仲よくなれるような気がしていて。だから、今は誰に対しても敬語を使っているほうがしっくりくるんです。ドラマ『御上先生』で同世代の方たちと共演したときも、ほとんど敬語でしゃべっていました。礼儀は大切にしたいですし、「調子どう?」みたいなのは馴れ馴れしいかなと思ってしまって(笑)。
――では、髙石さんが「いい現場だな」と感じるのは、どんな空気が流れているときですか?
髙石:その場にいる全員が全員に対してリスペクトを持っている現場は、特別だなと思います。『夏の砂の上』の撮影現場は、まさにそうでした。みなさんがそれぞれのお芝居をリスペクトされているので、「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」といったアドバイスが飛び交うことはなく、ひとりひとりが現場に持ってきたもので作品を作り上げていくんです。しかも、みなさんは力みがまったくないので、「私だけが緊張してこの空気感を壊すわけにはいかない」という思いで、リラックスして撮影にのぞむことを心がけていました。

――実際に撮影現場でリラックスすることはできましたか?
髙石:はい、初日から待ち時間に爆睡したくらいリラックスできました(笑)。治と優子が暮らしている家として撮影に使われていたおうちの2階がキャストの控室になっていて、同じ部屋に治役のオダギリ(ジョー)さんもいらっしゃったのに、私は寝てしまって……。あとあとオダギリさんとそのときの話になって、「あの瞬間、髙石さんは身構えなくて大丈夫な人だと思った」とおっしゃってくださいました(笑)。でも、なぜそこまでリラックスできたのかは、自分でもわからなくて。私が演じた優子の母親役の満島(ひかり)さんと撮影前にお会いする機会があったときも、絶対に緊張すると思っていたのに、実際は「会える! ー早く会いたい!」ってワクワクしかなくて、すごく不思議でしたね。もともと現実味のないフワフワしたワクワクを感じがちなタイプではあったけれど、この作品を経て、地に足がついたワクワクに出会う瞬間が増えた気がします。
映画『夏の砂の上』7/4(金)公開
雨が降らない夏の長崎。幼い息子を亡くした小浦治(オダギリジョー)は、幽霊のように坂の多い街を漂っている。妻の恵子(松たか子)とは別居中だが、せまい街では恵子と元同僚の陣野(森山直太朗)の関係に気づかないふりをすることも難しい。そんなある日、妹の阿佐子(満島ひかり)が、17歳の娘・優子(髙石あかり)を「預かってほしい」と連れてくる。こうして突然、治と姪の優子との同居生活がはじまることに……。
出演:オダギリジョー、髙石あかり、松たか子、森山直太朗 高橋文哉、満島ひかり、光石研
監督・脚本:玉田真也
原作:松田正隆(戯曲『夏の砂の上』)
音楽:原摩利彦
配給:アスミック・エース
(C) 2025映画『夏の砂の上』製作委員会
【髙石あかりさん着用】
ドレス¥137500/seya. イヤリング¥18700(SAFON)・ネックレス¥16500(YArKA)・ブレスレット¥18700(four seven nine)・リング¥39600(O-KI)/すべてロードス その他/スタイリスト私物
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撮影/上村透生 ヘア&メイク/住本彩 スタイリスト/金田健志 取材・文/吉川由希子