悩みが多いアラサーならすごく共感できるんじゃないかな。

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タイトルだけ見ると癒し系の猫映画のように思えるけれど、擬人化された猫が登場したり、現実の風景と舞台セットが混在したり。映画『猫は抱くもの』は遊び心のある演出が見どころの作品だ。主演の沢尻エリカさんは、売れないアイドルグループの元メンバー沙織を演じた。 「舞台でのお芝居自体やったことがないですし、歌やダンスも覚えなきゃいけないので大変でした。挑戦することが多くてハードルが高かったです。でもアイドルになれたことはすごく楽しくて。楽屋ではメンバー5人で歴代アイドルのキャッチコピーをネットで調べながら、それぞれの自己紹介をみんなで考えたんです。ちなみに私は『ツンデレ、デレ抜き、さおりんです♪』。ギャグで考えただけなのに、監督に話したら採用されちゃいました(笑)。みんなでご飯に行ったり、いつも和気あいあいとしていて楽しかったですね」 かつて身を置いていた芸能界が華やかに描かれるほど、夢破れた現在の沙織の葛藤がせつなく映る本作。自分を好きになれずに猫にしか心を開けないヒロインの姿は、「悩みが多いアラサーならすごく共感できるんじゃないかな」と語る。 「思いどおりにいかないことって、人生にはたくさんあると思うんです。でも正解なんてどこにもないし、みんなと一緒のことをしなきゃいけないわけでもない。自分なりの答えを見つけて突き進むことが、ハッピーにつながるんじゃないかなと思います」 それでは、沢尻さん自身が自分を好きなれないことってある?「いっぱいありますよ! 外見だってジェシカ・アルバみたいになりたかったし、頑固で短気なところも好きになれない。外見は努力で磨いていけるけど、内面は変えるのが難しいんですよね。欠点を変える努力も必要だけど、個性として受け入れることも大事かもしれません(笑)」

共演した猫は、いま一緒に暮らしている。

共演したロシアンブルーの猫は、撮影後に沢尻さんが引き取り、現在も一緒に暮らしているとか。「もともとうちにはチワワが2匹いるんですが、猫を飼うのは初めて。呼んでも来ないので『これが猫か』って思いましたね。運動神経はいいんですけど、ちょっとドジな子で。この前もお風呂にお湯をためていたら、バスタブのへりに飛び移ろうとして思いっきりお風呂に落ちちゃって、ものすごくびっくりしてました(笑)。見ていてホント飽きないです」 沢尻さん自身の性格は犬タイプ? それとも猫タイプ? 「仕事では犬だけど、プライベートは完全に猫。自由気ままです(笑)」

さわじり・えりか●1986年4 月8 日、東京都生まれ。2003年にデビュー後、映画『パッチギ!』、『ヘルタースケルター』、『新宿スワン』、ドラマ『1 リットルの涙』、『タイヨウのうた』など話題作に多数出演。現在は『食べる女』( 9 月公開)、『億男』(10月19日公開)が待機中

取材・文/松山 梢 撮影/帆足宗洋(AVGVST) ヘア&メイク/冨沢ノボル(CUBE) スタイリスト/Toshio Takeda(MILD) 

6 /23から全国公開★ 『猫は抱くもの』

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田舎町のスーパーで働く沙織(沢尻)は元アイドルのアラサー女性。職場の倉庫でこっそり飼う猫の良男(吉沢亮)は自分を人間だと思い込み、彼女に恋をしてしまう。● 6 /23〜新宿ピカデリーほか全国公開 ©2018『 猫は抱くもの』製作委員会