2023年MORE2月号掲載企画から、インタビュー記事をお届けします。
【広末涼子インタビュー】22年ぶりの写真の画像_1
ひろすえ・りょうこ●1980年7月18日生まれ、高知県出身。1995年にCMでデビュー。1996年の1st写真集『R』、『H』が50万部超えのヒットを記録した。ドラマや映画などで活躍するほか、2022年4月には初のエッセイ『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』(宝島社)を発表して話題に
ニット¥29700・スカーフ¥14300/エッセンス オブ アナイ(スローン) パンツ¥35200/ガリャルダガランテ 表参道店(エーゴールドイー) ピアス(片耳分)¥19800・ネックレス¥42900/リューク

10代の頃は「年を取ったら仕事をやめたい」と思っていたんです(笑)

40歳の誕生日から2年間を追った写真集をリリースする広末涼子さん。90年代に『R』、『H』など伝説的な写真集を発表し、ヒロスエ現象を巻き起こした彼女にとって、22年ぶりに発売する作品となる。

広末涼子さん「お話をいただいた時はすごくありがたかったけれど、正直『40代の写真集、買います?』と思って(笑)。スタートラインに立つようなものなので、勇気がいりました。10代の頃は『年を取ったら仕事をやめたい』と思っていたんです。『劣化した』とか『太った』とか、外見が変化することにいろいろと言われてしまうのがいやで。でもスタッフに『オードリー・ヘプバーンだってずっとカメラの前に立ち続けましたよ』と言われて。オードリーと一緒にするのはだめだと思ったけれど、40歳の自分の記録として写真に残しておくのはいいかもと思ったんです」

家族間で会議も行われたのだとか。

広末涼子さん「みんな『やればいいじゃん』と言ってくれたことは意外でした。特に長男は、SNSで発信するのが当たり前の世代。ネガティブな評価があったとしても『別にママは慣れてるでしょ』みたいな感じで背中を押してくれたんです。『たくさんの人に見てもらえるといいね。オレは買わないけど』と言ってました(笑)」
驚くのは、10代から変わらない透明感のある可愛らしさ。

広末涼子さん「たぶん、中身があまり変わっていないからかも。もちろん、変わりたいとか、変わらなきゃって思ったことはあります。若い頃は、トレンドの濃いメイクに挑戦しようと思ったこともあります(笑)。でも結局私は、田舎から出てきたスポーツ少女。都会的な雰囲気やスタイルが似合わなかったんですよね。年齢を重ねたら、自ずと落ち着いた大人の女性になれるだろうとも思っていました。そう見えるようにゆっくりしゃべってみたり、しっとりした佇まいをしてみたり。でも根が男っぽいから疲れちゃって。いちばん感情が伝わるのは、そのままでいることなんですよね」

撮影にあたって準備したことを聞くと、なんとも“らしい”答えが。

広末涼子さん「真ん中の子の運動会の練習を兼ねて一緒に走ったり、食べる量に気を使ったりしていました。終わったことやつらかったことをあまり覚えていないタイプだから、今聞かれるまで忘れてましたけど(笑)。きっと20代後半や30代って、年齢にとらわれたり焦ったりすることも多いと思うんです。でも、こんな40代もいるから(笑)。年を重ねることをポジティブにとらえてもらえるような写真集になっていればうれしいです」

『広末涼子写真集 C’est la Vie』

【広末涼子インタビュー】22年ぶりの写真の画像_2
2020年7月18日の40歳の誕生日から撮影をスタートし、新型コロナウイルスによる中止や延期を経て完成。東京、千葉、久米島、嬬恋などで撮影した写真の数々には、広末さんの美しさと可愛らしさ、強さが詰まっている。発売中(集英社 ¥3300)
撮影/峠 雄三 ヘア&メイク/陶山恵美(ROI) スタイリスト/竹岡千恵 取材・原文/松山 梢 ※MORE2023年2月号掲載