いつだって“自分らしく”ありのまま 本田翼の歩き方

モデル、女優、そして、YouTubeチャンネルの開設。軽々とジャンルの垣根を越えて幅広く活躍するばっさー。その裏にあるのは“自分らしさ”を大切にする強い思い。悩み迷う時期を経て手に入れた、自分らしい歩き方を語ってくれました。

飾らず、自由に、人生を楽しめている。それが“27歳の本田翼”

【本田翼スペシャルインタビュー】ばっさーの画像_1
「ドラマの撮影中はとにかく忙しくて。早朝ロケがある日はスキンケアもろくにせずに家を飛び出し撮影現場へ。帰宅するのもたいてい遅い時間になっちゃうから、お風呂に入って、台詞を覚えているうちに一日が終了。そんな毎日を送っています(笑)」

 女優の仕事が入っていない時間はモデルとして雑誌の撮影現場へ。最近は『ぐるナイ グルメチキンレース ゴチになります!』のレギュラーとしても活躍。さらには、登録者数160万人超えのYouTubeチャンネル「ほんだのばいく」も話題に。本田翼の毎日は忙しくなるばかりだ。

「“自分の時間”もちゃんと楽しんでいますよ。最近ハマっているのは『リアル脱出ゲーム』。初対面の人たちとチームを組んで一緒に謎解きをしながらゴールに向かうことが多いんだけど、私もそこに交じって参加。もしかしたら、気づかれているのかもしれないけど……。そういうの、私は全然気にしないし、周りも気にしていないんじゃないかな。みんな謎解きに必死だから!(笑) あとはチェーン店の『しゃぶしゃぶ温野菜』にもハマっていて。『リアル脱出ゲーム』のあとはしゃぶしゃぶを食べにいくというのが、最高に贅沢な休日の過ごし方なんです(笑)」

最近の本田はアクティブ。より自分らしく自由(笑)

「昔の私はかなりのインドアで、休日はゲームをしたりマンガを読んだり、ほとんど外に出なかったんです。もともと人見知りだし、知らない人に声をかけられるのも、きっと怖かったんだと思う。あとバラエティ番組は“台詞”ではなく自分の言葉で話すから、それも怖かった。変なことを言ったらバッシングされるんじゃないか、みんなのイメージを壊してしまうんじゃないか、よい子にしていなきゃいけないんじゃないかって。いつもすごく緊張していたんです。そんなバラエティ番組のレギュラーを引き受けたのは……今の自分なら大丈夫って思えたからなのかな。最近はね、より飾らずシンプルに“自分らしく”いることができている気がするんですよ」
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25歳、人生の節目で経験した“自分探しの旅”

 今でこそ、自由に自分らしく日々を楽しんでいるばっさーだけど、過去にはそうなれなかった時期も。
「スカウトをきっかけにこの世界に飛び込んだものの、今振り返ると、ちょっと無理をしていたのかな。踏んばったり背伸びしたり、無意識に“芸能人”にならなきゃいけないと頑張ってしまっている自分もいたりしてね。『ノンノ』の卒業をきっかけに初めて将来について考えたんだけど、自分がどうなりたいのか、何をしたいのか、目指すべき場所や目標がまったく見つからなくて……。自分で飛行機やホテルを手配してロンドンへ、人生初のひとり旅を経験したのもその頃。今思うと、恥ずかしながら、あれは自分探しの旅だったんだと思う。その旅でいろんなものをもらえたんですよ。たとえば、海外だと顔を隠すように下を向いて歩かなくてもいい。自分で電車やバスを調べて行きたい場所にひとりで向かったり、そんな些細なことがうれしくて。それまでの自分が自分らしくなかったことに気づけたのかな。うまく言えないんだけど、何かが少しずつ変わっていったんですよ」
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人生に正解も不正解もない。“自分らしく”歩けばいい

 納得できないことはトコトン話し合う。中途半端な気持ちでは諦めない。それが“自分らしい”本田翼の歩き方。誰かや何かのせいにしない。“自分で決めること”もまた彼女がずっと大切にしていることだ。
「母親からの『やってみたら?』という言葉に背中を押されたものの、モデルをやると決めたのも自分なら、この仕事を続けていくと決めたのも自分だし……。私ね、誰かに悩み相談をすること、めったにないんです。相談してアドバイスをもらったら、そのとおりに動かないと申し訳ない気持ちになるし。誰かの意見で動いたら動いたで、失敗した時にその人のせいにしてしまうでしょう? 自分で選ぶ、自分で決断する。自分で考えるのはとても大切なこと。ただ、考えるだけで満足しちゃいけないよね。考えたあとは何をするべきか解決策を探し出す、そして、行動に移す。同じ場所にとどまらず、ちゃんと次に進む、それもすごく大事」

 悩みは放置しない、引きずらない。グズグズせずに解決策を探してちゃんと行動を起こす。「それができるようになると自分自身が楽になる」と笑う。目の前のばっさーは気持ちいいほどに潔くシンプルだ。
「人生を歩むために必要なのは忘れること。これもね、すっごく大事! 引きずる時間って本当にむだだから、何も生み出さないから。もしネガティブな気持ちに襲われた時は瞬間的に気持ちを切り替えることができる“ご褒美アイテム”を用意しとくといいと思う。たとえば好きなお菓子とか。口にした瞬間、一瞬でもネガティブな気持ちが幸せな気持ちに切り替わるから。うん、『おいしい!』はやっぱり偉大(笑)」

トップス(タンクトップつき)¥32000/エイカヨシナリ パンツ¥19000/プレラブド イヤカフ¥12000/UTS PR(ルフェール) 帽子¥12000/メゾン イエナ(フェリシオベッキ) リング(人さし指)¥7700/シップス エニィ 渋谷店(チビ ジュエルズ) リング(薬指)¥14000/ショールーム セッション(マリア ブラック)

やりたいことがあったらやる、ないなら無理して探さない!

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“結婚”も焦らず流されず自分のペースでよき!(笑)

「自分らしく前に進めるようになった今は居心地がいい。打ち込める趣味もあるし、気を使わず一緒にいられる友達もいるし、仕事も楽しい。最近は本当に毎日が充実しているの。ただ、それはそれで困った一面も。本田翼、現在、27歳。どうやら、世間的には“結婚適齢期”といわれることも多い年齢らしいんですけど……今のところその気配がない! まったくない!(笑)。同世代の女性から『みんながどんどん結婚して焦る』と聞くと、『そうなの!?』と一瞬自分も焦るんだけど、すぐに『でも、私の周りの“みんな”は違うしなぁ』って気持ちが逆戻り(笑)。テレビもひとりで観るよりふたりで観るほうが楽しい、いつか結婚したいと思うけど、無理にすることはないなって。そこに考えが落ち着くんですよねぇ」

 周りの焦りに流されないのもまた、なんともばっさーらしい(笑)。最後に「その時々、やりたいことをやる」がモットーの彼女に「今、やりたいこと」を聞くと、こんな答えが。
「実は今、新たにやりたいことが特にない時期なんです。昔の私ならここで焦ったりしたかもしれないけど、そういう時、無理に探すと判断力が鈍るの。たいてい、後悔するのを知っているから。やりたいことがあったらやる、それも私なりの進み方。またふっと熱い思いがわき出てくると思うから、今はそれ待ち!(笑)」

PROFILE
ほんだ・つばさ●1992年6月27日生まれ。2006年にモデルデビュー後、『non-no』の専属モデルを経て、18年より『MORE』のレギュラーモデルに。映画やドラマのほか、自身で編集し発信しているYouTubeチャンネル「ほんだのばいく」も話題になるなど、活躍の場を広げている。

ジャケット¥49000・パンツ¥36000/エイカヨシナリ キャミソール¥4500・リング(人さし指)¥8000・(薬指)¥3600/LIFE's 代官山店(TODAYFUL) ネックレス¥16000/デミルクス ビームス 新宿(フィリップ オーディベール×デミルクス ビームス) 帽子¥4800・ハートネックレス¥26000(モンド モンド)/シティショップ

※このインタビューはMORE6月号に掲載されたものです
取材・原文/石井美輪 撮影/倉本GORI(Pygmy Company) ヘア&メイク/林 由香里(ROI) スタイリスト/石上美津江