アンニョンハセヨ! 韓流や韓国ビューティをメインにライター、取材コーディネーターをしている私YUKIが、注目の韓国情報をお届けしていきます。

『梨泰院クラス』、『愛の不時着』、そして『イカゲーム』と近年世界的ヒットを連発している韓国ドラマ。今回は、放送開始から驚異的なスピードで視聴率が上がり、海外にも人気が広がってきている‟NEXTヒットドラマ”をご紹介。日本からはNetflixを通して視聴できるので、今すぐブームに乗っかって!

自閉スペクトラム症の弁護士が主人公のヒューマンドラマ

韓国で放送中のドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が大ヒット中
現在、韓国で放送中のドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(原題:이상한 변호사 우영우)は、ソウル大学を首席で卒業した天才的な頭脳と自閉症スペクトラム症を持つ新米弁護士ウ・ヨンウが大型法律事務所に就職し、さまざまな壁に果敢に立ち向かいながら成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。

放送は毎週水曜・木曜の2回。本国のオンエア後の同日夜10時30分よりNetflixで世界配信されています。

本国で放送を行っている「ENA」は、主にドラマの再放送をしていたSKYチャンネルがリブランディングを経て今年4月にローンチしたばかりの新生ケーブルチャンネル。『ウ・ヨンウ…』がヒットするまでは、あまり知られていないチャンネルでした(現在も視聴者からチャンネル番号の問い合わせが殺到しているそう)。

6月29日から『ウ・ヨンウ…』の放送がスタートすると、「おもしろい!」と瞬く間に口コミが広がり、初回0.9%だった視聴率は毎回自己最高記録を更新して第10話の時点で15.2%まで急上昇!

同チャンネルが地上波ではなくケーブルチャンネルであること、韓国では連日再放送があること、さらに、動画配信サービスのNetflixとseeznを通して後から見られることなどを考えると、いかに多くの人が‟最新話をリアルタイムで見たい”とドハマりしているかがうかがえます。

その反響は海外にも。7月29日時点でNetflixグローバルTVショー部門で世界3位にランクイン。国別では日本・香港・インドネシア・マレーシア・台湾など世界20カ国で1位を記録し、韓国では7月27日より『NAVERウェブ漫画』にて連載もスタート。漫画が実写化されることは多いですが、ドラマが漫画になるという異例の展開が起こるほど、‟ウ・ヨンウ旋風”を巻き起こしているんです。

ウ・ヨンウがたまらなく愛らしい!

では、どんなポイントが視聴者の心を惹きつけているのか。まず第一に、法とクジラを愛する主人公ウ・ヨンウがとってもチャーミングなんです。
自閉スペクトラム症を抱える彼女にはさまざまなマイルールやがあり、上記の動画の「私の名前はウ・ヨンウです。普通に読んでも逆から読んでもウ・ヨンウ」という自己紹介もそのひとつ。このほかにも、親友のドン・グラミと交わす「ウ to the ヨン to the ウ」というユニークな挨拶方法はプチ流行語になり、BTSのメンバーも真似をして話題になっています。

そんなウ・ヨンウを演じるのは、6歳の頃に子役デビューし、芸歴24年になる女優パク・ウンビン。『恋のドキドキ・シェアハウス~青春時代~』、『ストーブリーグ』、『恋慕』など多くのドラマで活躍し、内気な音大生から、前例のない男装した王まで、幅広い役柄を演じてきた実力派です。

実は、ハンディキャップを持つキャラクターへの難しさから『ウ・ヨンウ…』のオファーを何度も断っていたそう。しかし、制作陣はパク・ウンビンにしか演じられないと1年かけて彼女を説得。パク・ウンビンの抜群の演技力と、徹底したリサーチの上に書かれた脚本が相乗効果を生み、相手の言葉を繰り返したり、大好きなクジラの話になると目を輝かせてマシンガントークを炸裂させたりと、ウ・ヨンウが抱える自閉スペクトラム症の特徴を‟個性”として魅力たっぷりに表現。

歩き方や話し方、目線、指の動きまでディテールに凝った演技は、言語を超えて魅了されること間違いなし! 最近では、佐藤健さんも自身のYouTubeチャンネルでウ・ヨンウのファンであることを公言していました♡

脇役も演技派揃い!

ベテラン弁護士のチョン・ミョンソク役を演じるのは、『キム秘書はいったい、なぜ?』にも出演していたカン・ギヨン。本作では、奇抜なアイディアで依頼人を弁護するウ・ヨンウの才能を認めて見守る‟理想の上司”を好演。

近すぎず遠すぎずの距離でサポートする姿に、韓国では「サブアッパ」(第二のパパ)というキャッチコピーまで誕生! ウ・ヨンウとのやりとりでは随所にくすっと笑えるアドリブが散りばめられていて、明るく温かい作品の雰囲気にひと役買っているキャラクターです。

また、ロースクールの同期で同僚のチェ・スヨン役には、『賢い医師生活』のハ・ユンギョン。ウ・ヨンウの才能に嫉妬心を抱きながらも、手先の操作が不器用なウ・ヨンウのかわりにペットボトルのキャップを開けてあげたり、障がいへの偏見に誰よりも怒ったりと温かい心を持つ彼女は、視聴者からもとても人気が高いです◎。

そして、視聴者をときめかせて止まないのが、カン・テオ演じる訟務チームの職員イ・ジュノ。

ウ・ヨンウに好意を寄せ、彼女を思いやる優しさは胸キュンとヒーリングを届けてくれます。カン・テオはこれまでに『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』『それでも僕らは走り続ける』などに出演。今作でのブレイクを受けて次回作のオファーが殺到しているそうですが、残念ながらこれが入隊前最後の作品になりそうとのこと。今からでも間に合うので、ぜひリアルタイムでイ・ジュノのイケメンっぷりを堪能してください!

このほか、ウ・ヨンウの父親役に『椿の花咲く頃』をはじめ数々のドラマで父親役を演じてきたチョン・べス。プライドが高すぎる腹黒な同僚クォン・ミヌ役に『ユミの細胞たち』でルイ役を演じた若手俳優チュ・ジョンヒョク。また、依頼人として豪華俳優がゲスト出演するので、次は誰が出るかな?とわくわくして見られるのも魅力です。

笑い・感動・ときめき全部あり!

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さまざまな人と出会い関係性を築きながら弁護士としても、ひとりの人間としても成長していくウ・ヨンウ。天才的な頭脳をいかして論破する法廷シーンは清々しく、時に失敗し傷つきながらも屈せず奮闘する姿に励まされます。

だけど、ただ主人公が活躍するだけじゃありません。前向きな作品の雰囲気を保ちながら、社会問題に切り込んだメッセージがしっかりと組み込まれています。ウ・ヨンウだけでなく、原告人・被告人にも自閉スペクトラム症や知的障がいを抱える人物を登場させ、多角的な視点からマイノリティが直面するリアルを描写。事件には環境問題や同性愛、教育問題といった社会問題も投影されていて、考えさせられることが多いドラマに仕上がっています。

また、ウ・ヨンウが愛するクジラもドラマの重要な要素。解決の糸口をひらめくときに差しはさまれるクジラの実写映像や、豆知識を披露するシーンで登場するCGなど、視覚的な仕掛けも微笑ましくて楽しいです。最初は「なぜクジラ?」と思いましたが、そこにもちゃんと理由があるんですね。

温かさと切なさを兼ね備えた、ほろっと泣けるストーリーで、すでに2022年最高のドラマと大評判。次回の第13話は8月17日(水)に配信予定。最終回の第16話に向けて佳境に入っていきます。

『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は、Netflixより視聴可能。
一度見始めたらウ・ヨンウの魅力にどっぷりハマること間違いなしです!
ウ・ヨンウ弁護士は天才肌
  • YUKI
  • 20代の韓国系ライター。K-POPアイドル、俳優にインタビューを行い、現在はソウルと東京を行き来して活動中。美容/コスメ好きで、美容雑誌やWEBマガジンでは韓国美容のコラムを担当。私生活でも3日に1度はポーチに新入りコスメが増える。韓国人ビューティユーチューバーのメイク動画を見るのが癒し。
    Instagram: https://www.instagram.com/__y.92/
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