SNSや情報との距離感で感じるモヤモヤや不安

もはや私たちの生活に切っても切り離せない存在となった、SNSやネットの情報。第三者との人間関係にモヤつくだけでなく“私はこれで大丈夫なのだろうか”と自分の情報感度や、SNSとの距離感に悩む人も。リアルな悩みにプロが解決!

ネットニュースを見出しで判断してしまったり、情報を正しく読み取れているのか不安

ネットの情報を疑う女性のイラスト

「ほかの媒体で違う意見のニュースを読もうと思っても結局自分のスマホを介しているから意味がない気がしていて不安」(27歳・保育)、「自分にとって都合の悪い情報は詳しく見ずに流してしまう」(28歳・食品)と、自分の情報の偏りに気づいていても解決法がわからないと悩む人が。

「自分にとって都合のいい情報を集めたり、先入観で読み取ってしまっていそう

「フォローしているアカウントや閲覧履歴から、自分の趣味嗜好に偏った情報しか入ってきていないのでは? と思ってしまう」

暇さえあればSNSを見てしまう自分、大丈夫?

朝から晩までスマホを見る女性のイラスト

「スマホを触ろうと思って触っているのではなくて、気づくと手に持って何かしている。われながら怖い」(29歳・商社)という声がたくさん。「終わらせようと思うのに“あと3分”が長引いて30分なんてしょっちゅう」(25歳・看護)と依存傾向も?

「気づいたらSNSを見てしまい、見られない時間が続くと落ち着かなくなってくる

「見る時間を減らしたいのに暇があるとつい開いてダラダラ眺めてしまう

SNSアカウントに入れないと不安に……

アカウントが凍結された女性のイラスト

「凍結された時、地に足がついていないような感覚にさえなりました。単純に乗っ取りでしたが、そこまでネットに居場所をつくっていた自分に困惑」(24歳・金融)。自分の想い出アルバムとして使う人も多く、喪失感がすごいと話す人も。

「何か人を傷つける投稿をしてしまったのか、乗っ取りなどプライバシー情報を抜き取られていないか、と不安になる」

「このままアカウントが消えてしまったらどうしよう、とパニックになります」

個人情報や会社の情報がSNSに……それっていいの?

ネットリテラシーの低さが露呈し、相手に注意すべきかどうか悩む声も。「親しい友達限定とはいえ社外秘情報をあげる人にモヤモヤ」(24歳・サービス)、「最寄駅を公開で書かれ注意した」(28歳・医療)と被害者側の人も続出。

「友達が家の場所がわかるような投稿をしていると心配になる」

「同僚が会社の情報をたびたび勝手にあげていて、通報するか迷っている」

自分が満足する範囲の中でうまくコントロールする力が必要な時代

教えてくれたのは

臨床心理士・公認心理師
塚越友子さん

『東京中央カウンセリング』代表。クライアントの問題状況分析と具体的な行動指針を提案する独自のカウンセリング技法により、解決率は94.7%と呼び声が高い。テレビのレギュラー出演、新聞、雑誌などメディアでも活躍中

● SNSとは比較象徴のツールであることを自覚する

● SNSで感じる嫉妬は“良性の嫉妬”のエネルギーに!

● 適度な運動とデジタルデトックスを取り入れて

「SNSはそもそもが比較する・される構造で、それらの気持ちをあおりやすくできています。SNSはあくまでツール。SNSにコントロールされない、という意識が大事です。またSNSで感じる“いいな”は妬みではなく、“いいな、私もそうしてみよう”など前向きなエネルギーに変換すれば新たな自分に出会えるチャンスにも。研究結果により、運動がSNSで感じるストレスを減少させることが立証されているので、長時間見たい人は適度な運動を心がけるのも大事です」(塚越さん)

イラスト/ボブa.k.aえんちゃん 取材・原文/野田春香 ※アンケート調査は、23〜32歳の全国の女性100名に実施 ※MORE2023年6月号掲載