
【人気FPが伝授】今すぐできる「固定費と変動費」の見直し方。おすすめツールも紹介!
自分の満足度を下げずに、収入に変化があっても一定の割合でお金を貯められる王道家計コントロール術をファイナンシャルプランナーの秋山芳生さんが伝授! 貯金しやすくするための固定費と変動費の見直し方法を詳しく教えていただきました。
教えてくれるのは……
家計簿アプリ『マネーフォワード ME』の事業責任者を経験後、お金の相談窓口を立ち上げ年間1000回以上の家計相談を受ける。YouTubeチャンネル『あなたの4403(よしおさん)FP相談室』が幅広い世代から人気
賢く貯金するための基礎知識
収入の20%を流動性貯金・計画性貯金(投資)と幸せ還元貯金(自己投資)に回せるとGOOD!

お金を貯める仕組みの基本は、「手取りの20%を貯めて、80%で生活する」と実にシンプルです。年齢によって収入が変わっても、割合は同じでOK。貯金(20%)の内訳のバランスは、そのときどきの状況に合わせて決めましょう。
特に20代は自己成長が著しい時期なので自己投資の割合を大きくしてもいいですね。何かあった時のための流動性貯金がまだできていない人はそちらを優先してもかまいません。手取りの20%を貯められていれば、残りの使い方は自由です。この仕組みを家計の中に無理なく取り入れられる習慣ができると、一生役に立つと思います。
「自分にとって本当に必要か」の価値観の形成がカギ

まずは一度改善すると毎月のコストがガクンと下がり大きな効果が得られる固定費、次に変動費を費目別に見直しましょう。どの費目にも共通するのが「自分にとって本当に必要か」という価値観の形成です。なんとなく惰性で払っているけれど、自分として使うべきお金なのかという見極めが重要。消費・浪費・投資のように自分が使ったお金に意味づけをして考えていくといいと思います。
自分の中で「ニーズ(必要なもの)」か「ウォンツ(欲しいもの)」かを整理できると、より満足度の高いお金の使い方ができるようになります。
固定費の見直し方
毎月一定でかかる固定費を削減できると家計が安定
見直しやすいのは保険とスマホ代。保険は、自分に何かあった時にお金を残したい人がいるのかを考えて保障内容の吟味を。高額療養費制度など公的医療制度を理解することも助けになります。スマホ代は、格安スマホにすると効果が高いですが、変更して電波状況などで生活に支障が出ては意味がありません。変更後も自分の生活満足度が下がらないかを判断基準にしましょう。見逃しがちなサブスクのストレージサービスの契約状況チェックも忘れずに。
【家賃】収入の30%以下にする
都内など住む地域により厳しい場合も。ほかの費目とあわせたバランスを見て可能な範囲で
【電気・ガス】比較サイトをチェック
比較サイト「エネチェンジ」enechange.jp/
支払い料金比較だけでなく、上限設定や変動設定など料金システム自体の確認も大切
【携帯代】格安スマホを検討すべし
自宅を含めた使用エリアの電波状況など、生活に支障がないかを確認したうえで変更を
【サブスク・ストレージサービス】利用頻度を確認
年間契約しているものを全部洗い出して、今の利用状況、今後必要かをあらためて見直して
【保険料】本当に必要か再考しよう
独身ならば死亡保障の必要性は低め。高額療養費制度の仕組みを理解したうえで検討を
変動費の見直し方
変動費全体で予算内に収まればよいという視点で

使ったら使った分だけかかるのが変動費。まず着手すべき食費は、月にかかる総額を把握し、目標予算を立てて、1週間単位の金額で考えて実践を。キャッシュレス決済だと使いすぎてしまう人は、プリペイドカードにチャージする方法も。ただ、自分の幸せを削ってまで切り詰める必要はありません。変動費のほかの費目とあわせて予算内に収まればよいので、ひとつひとつの支出と向きあって、自分が何に幸せを感じるか優先順位を考慮した見直しを。
1カ月に1回、家計簿アプリを振り返り、費目の仕分けをする
前月の支出が反映されたタイミングで振り返りデーを設けて、何にお金を使ったのかを確認することを通して、使いすぎているポイントを洗い出しましょう。家計簿によって見える化した支出を判断材料に丁寧にお金と向きあうと、自分らしい、賢い、無理のない家計ができ上がります。予算内で無理なく生活できて、計画的に貯蓄もできている状態は爽快で、自己肯定感が高まるはずです。
よりお金が貯めやすくなる!おすすめツール
キャッシュレスでお金を使いすぎてしまう場合はプリペイドカード『Kyash』が◎
『Kyash』年会費無料のVisaプリペイドカード。履歴がアプリにすぐ反映されるので使いすぎ防止に。
プリペイドカードは事前にお金をチャージし、その中で使っていく形になるので、限られた予算内での支出管理がしやすいのがメリット。節約モードの時の買い物の助けにも。『Kyash』はアプリから簡単に発行でき、全国のVisa加盟店で利用が可能。『マネーフォワード ME』とも連携できるので家計管理に活用しやすい。
より効率的にお金を貯めるならネット銀行の目的別口座を使ってみよう
『住信SBIネット銀行』10個まで目的別口座を作れて資産形成をサポート。自動振替機能も活用できて便利。
たとえば『住信SBIネット銀行』など、口座開設で作成される代表口座のほかに、いろいろな目的の資金をひとりの名義内で分けて管理できる「目的別口座」を作ることが可能な銀行があります。旅行のため、夢のため、教育費など目的別の貯金に活用できるほか、保険料の年払いをほかの預金と分けておきたい時など使い方はいろいろ。
Text : Sakuma Tomoko ※MORE2025年春号掲載