リモートワークやオンライン会議など、働き方は目まぐるしく変化しているけれど、気持ちがどうしてもついていかない……。そんなに時に知っておきたい、心のモードの切り替え方をご紹介!
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教えてくれたのは……

川野泰周さん

臨済宗建長寺派林香寺住職。RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長。精神保健指定医、日本精神神経学会認定精神科専門医、医師会認定産業医。住職としての寺務の傍ら都内及び横浜市内のクリニック等で精神科診療にあたる。従来の療法に加えて、禅やマインドフルネスによる心理療法を積極的に導入している。『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書、共著多数。

読者からはこんな声が

「リモートワークで自宅にこもっていると、すべてが面倒くさくなり、やる気がおきません。以前のように出社できるか心配です」(26歳・IT)

「オンライン会議だと周囲の反応や手応えが感じられないせいか、つい悪い方に考えてしまい、どうやってモチベーションを保てばいいのかわかりません」(29歳・商社)
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切り替えるためのルーティンで、生活に“句読点”を

MORE:オンもオフも同じ場所で過ごすリモートワークでは、どうしてもメリハリがつきません。気持ちを上手に切り替えたり、モチベーションを保つコツはありますか?

川野心のモードを切り替えるルーティンを持っておくことが重要だと思います。禅の世界では「生活に句読点を打ちましょう」と言う表現をすることがあります。日々の暮らしの中で心のモードを切り替える時に坐禅や瞑想が役に立つわけです。必ずしも坐禅や瞑想である必要はなくて、呼吸やストレッチ、筋トレ、ヨガなどを切り替えるべき時に取り入れるといいと思います。歯磨きだっていいと思いますよ。

MORE:ルーティンは何でもいいんですね。

川野:どんなことでも構いません。大事なのは、その行為に集中すること。ながら」でやると意味がありません。たとえば歯磨きなら、ブラシが歯に当たっている感覚に意識を集約させることが大事なんです。また、一日の活動を始めるルーティンとして、目覚めたらカーテンを開けて日差しを入れることもひとつの句読点になります。自分なりにオンとオフを切り替えられるようになるといいですね。
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MORE:混乱した状況下では、どうしても自分のリカバリーが後回しになってしまいます。マルチタスクに追われつつ、心の疲れをシェアできないのもしんどいですよね。

川野:そうですね。マルチタスクは脳を疲労させるので、頭の片隅に留めていることを一旦手放して、目の前の仕事だけに集中するほうがはるかに業務効率がよく、疲労も少ないことが脳科学で明らかになっています。

MORE:「ニューノーマル」という言葉も耳にしますが、改めて意識すべきコミュニケーションの基礎はどんなことでしょう?

川野:さまざまな状況も含めて、心やものの在り方はつねに変わりゆくものであるという認識が大切だと思います。仏教では「諸行無常」といいますが、それを意識に落とし込むのがマインドフルネスです。その土台がないと、リアルな交流が再開しても感情に引っ張られ、相手を色眼鏡で見てしまう可能性があります。とくに今は、「みんなが抱えている心の中の暗い部分、グレーな部分が見えやすい時期なんだ」と思える俯瞰的な視点を持っていることが大切なのではないでしょうか。
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禅僧であり精神科医でもある川野さんが、禅やマインドフルネスの考え方を取り入れた「心」や「脳」を休める正しい方法を紹介。41種類の中から自分に合った休息法を知って、セルフマネジメント力を高めて。¥1650/ディスカヴァー・トゥエンティワン
取材・文/国分美由紀