ラクしてお金に“強く”なるNEWルール

コロナ禍によって混乱の続く時代。今、私たちが身につけておきたいのは「貯める」、「殖やす」、「稼ぐ」といったピンポイントなテクニックよりも、漠然とした苦手意識をリセットして、お金と向きあうためのマインド。これまでとは視点を変えた、新しいルールをご紹介します!

教えてくださったのは

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風呂内亜矢さん
FP、住宅ローンアドバイザー。FP小話が聞けるYouTube『FUROUCHI vlog』もスタート

「どこかの瞬間で大きなお金を持つことにこだわるのではなく、人生全体でならして考えて。貯める=偉いと思うとしんどくなるだけ。転落するポイントがなければセーフです! 金銭的な裕福さは相対的なもの。意識と視野を広げ、大きな流れに目を向けることで、今よりちょっと理解した自分になる=強くなることだと思います」
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井戸美枝さん
FP、社会保険労務士。近著に『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』

「お金は一生ついてまわるもの。避けたり、考えないのはもうやめましょう。人生100年時代、モア世代にはまだ70年以上あります。もう親任せにしないで“自分ごと”と自覚して。かしこまって考えず、自分なりのルールをつくって習慣づけていけば大丈夫! お金の管理を知ることで、人生後半の景色はまったく違うものになりますよ」

ルール:給与明細を見直す

収入の源が毎月同じと思ったら大間違い!
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給与明細のココをCHECK!

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1カ月の労働を数字で見える化
出勤日数や残業時間などの勤務実績を示す部分。「もし明細に違和感を覚えたら、実態をメモして記録し、会社に確認を」(風呂内さん)

もらえるお金の総額。一般にいう「額面」
基本給に各種手当や残業代などを足した金額で、一般的に「額面」と呼ばれるもの。転職時に年収などを比較する場合は、額面を基準にする。

将来に役立つ保障を支えるためのもの
支給額から差し引かれる金額のこと。健康保険などの社会保険料のほか、所得税や住民税など。積立金といった会社独自の控除があるケースも。

会社が推奨する資格を取得してベースアップ
会社が推奨する資格を取得した場合に支給される手当。たとえ今は0円でも、項目があるなら取得すればベースアップにつながると心得て。

会社で働く人を支える給付制度の費用
「基本手当」や「育児休業給付金」、「介護休業給付金」など、失業した時や収入が減少した時に必要な給付を行う制度のための保険料。

口座に振り込まれる額。これが生活費のベース
支給額から税金などを差し引いた、手取りの金額。「まず手取りを把握すること。ローンなどお金を動かす時は手取りで考えて」(井戸さん)

Q. 給与明細は毎回きちんとチェックしていますか?

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「ときどき」チェックする人まで含めると、9割近くが目を通していた。「残業時間や手当は必ず確認」(27歳・不動産)という声も
毎月、何気なく見ている給与明細。そこには、ベースアップや貯蓄のヒントが!
「職場で評価されるスキルを磨くなら、資格や役職手当が出るものから習得を。手当の空欄を埋めていくことが、給与やキャリアをベースアップする近道です」(風呂内さん)
「今後、在宅勤務が増えると時間外手当などが減る可能性も。変化する手当を想定しながら、貯蓄や支出の微調整を」(井戸さん)
撮影/恩田はるみ イラスト/うてのての 取材・原文/国分美由紀 構成・企画/吉田望子(MORE)