1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。

そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。MORE世代の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします!

「好きだから」で見逃してはいけない小さな“違和感”

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ーDATAー

向川さん(仮名)20代後半 /会社員

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アプリで出会った彼と付き合ってすぐに音信不通に

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――マッチングアプリで出会った彼と音信不通に?

はい。アプリで出会った33歳の男性と付き合って2か月後に音信不通になりました。(以下、向川さん)

――突然連絡がつかなくなったのですか?

付き合った当初から、1週間以上LINEを放置されたり、大事な話を無視されたりすることがありました。最終的に既読すらつかず、完全に音信不通になった感じです。

――音信不通になったきっかけはあったのでしょうか?

彼からの連絡が少ないことを不安に思った私が、彼にLINEで長文のメッセージを送ったからだと思います。

デートも前日にならないと決まらないし、急なドタキャンもありました。好きだからずっと我慢していたけれど、さすがに限界になり自分の思っていることを文章にして彼に伝えたんです。

それから1週間たっても、1か月たっても、そのメッセージに既読がつくことはありませんでした。

――ほかの連絡手段はなかったのでしょうか?

LINEしか知らなかったので、なかったですね。

最初は「彼の身になにかあったかも!?」と心配しました。でももしかして……と、私と彼が出会ったマッチングアプリを再ダウンロードしてみたら、普通に彼が出てきたので(苦笑)、今も彼はアプリをやっていると思います。

「ヤリモクじゃない」と安心していたが……

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――アプリで出会ってから付き合うまでの経緯を教えてください。

彼と出会ったのは、審査制のマッチングアプリでした。当時、私は4年間付き合った会社の先輩の彼と別れ、人生で初めてアプリをダウンロードしたんです。

彼とマッチングした時はとても嬉しかったですね。イケメンだし、仕事も肩書きも素敵で。アプリでこんな人に出会えるんだ! って思いました。


――その後、会ってデートを?

はい。コロナ禍だったので、飲食店が閉まるのが早く、ディナーをして公園で缶チューハイを飲みながら話をして解散……というデートパターンが多かったですね。3回デートをして、彼から「付き合ってほしい」と告白されて。

体の関係を誘われることもなく、ヤリモク(※セックスをすることを目的とした男性)ではないんだ、と安心していました。


――付き合った当初は頻繁に会っていたのですか?

いいえ。実はこの時、私たちはプチ遠距離恋愛だったんです。

彼は東京住まい、私ももともと東京だったのですが、仕事の関係で少し関西に住んでいたんです。ただ、私は出張で頻繁に東京に行くし、1年以内には東京に戻ってくることが決まっていたので、先のことも考えて東京に住んでいる彼と付き合おうと決めました。

でも、付き合ってすぐに彼に対して、小さな“違和感”を感じるようになって。

好きだから見逃していた小さな“違和感”

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――どんな違和感ですか?

デートが直前にならないと決まらないのはもちろんですが、週末でも「仕事があるから」とランチだけ食べて解散したり。「週末はなにしてたの?」と聞くとLINEでは「仕事」と答えていたのに、会って話すと「友達と遊んでた」など、話がかみ合わなかったり。


――それは怪しいですね。指摘しなかったのですか?

彼が好きだったので、言えなかったんです。でもそれがどんどん膨らんで、“好きだから”という感情で見過ごしていた小さな違和感はやがて大きな違和感に。彼に不満をぶつけた時、一瞬で音信不通になりました。今考えたら、私は彼にとって“都合の良い女”だったんだろうなと思います。


――付き合った後、体の関係はありましたか?

はい。付き合った後は何度かありました。

マッチングアプリには“ヤリモク”もいるのは知っていましたが、それは付き合う前ですよね。付き合う前の彼はとても誠実だったので、まさか付き合った後にこんな形で自然消滅してしまうとは想像していませんでした。

音信不通になってからはかなり落ち込みました。彼の家も知っていたのですが、さすがに突撃するようなことはできないですし……。

マッチングアプリで気を付けなければいけないこと

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――アプリ上に、向川さんが出会ったような不誠実な男性は多く存在しますよね。経験からどのような特徴があると思いますか。


う~ん、難しいですよね。音信不通になってから、SNSでこのことを呟いたんです。すると、めちゃくちゃ反響がありました。「私も同じ思いをしました!」という女性からDMがたくさん届いたんです。


アプリで出会って音信不通になる男性に共通しているのは、相手は一見魅力的だということです。肩書やルックスで「えっ? こんな素敵な人が自分を?」と思う人ほど実は危険だと、個人的には感じました。

だって、それだけ魅力的だとしたら、アプリ以外でもモテまくっているわけじゃないですか。私以外に彼を好きになる女性もたくさんいるはず。素敵な人とマッチングした! と舞い上がってしまいがちだけど、そういう時こそ、冷静になることも大切だと思います。

あとはアプリやLINEのアイコンがうつむき加減とか、後ろ姿で“イケメン風”だとチャラい確率が高いとか、そういう傾向も共通していました(笑)。

――アプリでは一見、実生活では出会えないような魅力的な男性に遭遇することがありますよね。

はい。マッチした時は舞い上がるけれど、どこか違和感がある。それが後々自分自身を苦しめる結果につながるのだと思います。


――見極めがとても重要だということですね。

そうですね。マッチングアプリで出会いの場が広がったとはいえ、結局自分に近い人と付き合うのが一番幸せになれる方法なのではないかと思います。彼と音信不通になってからしばらく落ち込んでいたのですが、最近友人の紹介で出会った彼ができました。連絡もこまめにくれるし、落ち着いた関係を築けています。アプリはもうこりごりです(笑)。

取材・文/毒島サチコ

ライター・インタビュアー
毒島サチコ

MORE世代の体験談を取材した「モア・リポート」担当のライター・インタビュアー。

現代を生きる女性のリアルな恋愛観やその背景にひそむ社会的な問題など、多角的な視点から“恋愛”を考察する。