夏デートにも!見応えたっぷり、都内注目の展覧会おすすめ12選【東京】
MORE編集部
酷暑と言われるほどの暑さが続くここ数年。今年も例に漏れず暑い夏が予想されますが、そんな夏のお出かけに、美術館巡りはいかが? 涼しい屋内でアートに触れ、帰りにはおしゃれなアートグッズをお土産に…。デートにも、女友達と訪れるのにもぴったりな、おしゃれでモダンな今期注目の展覧会をご紹介します。
1.とにかく色使いが鮮やか!「マティス展」
20世紀・モダンアートの代表格と言われる画家、アンリ・マティス。彼の作品を多数所蔵するポンピドゥー・センターの全面協力で行われているこの展覧会は、なんと日本で約20ぶりの開催! 本邦初公開の作品を含めて、150点ほどの展示を見ることができます。年代や作品のジャンルによって全8章に分けられており、彼の生きた時代背景や思想をたどりながら、作品を楽しむことができます。
マティスの作品の良さは、なんといってもその色使い! ビビッドでポップな、見ていると元気になるその配色には、女性ファンも多いといいます。マティス展では、そんな彼の作品を落とし込んだアートグッズを多数取り揃えており、お気に入りのマティス作品を”お持ち帰り”できちゃいますよ。
【マティス展 開催情報】
会場:東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
会期:開催中~ 8月20日(日)
開室時間:9:30~17:30、 金曜日は20:00まで ※入室は閉室の30分前まで
観覧料:一般2,200円、大学生・専門学校生1,300円、65歳以上1,500円
※チケットの購入及び入場方法は最新情報を公式サイトでご確認ください。
2.ゾクっとする非日常感を体験「うえののそこから「はじまり、はじまり」 荒木珠奈 展」
同じく東京都美術館で開催されるこちらは、参加型インスタレーションやワークショップなど、作家の世界観に没入できる作品が多く展示されています。まるで「はじまり、はじまり」と絵本をめくるときのような、日常から非日常に飛び込む感覚を楽しめる展覧会です。
作家は、懐かしさの中に、どこかゾクっとした側面を持たせた作品作りを得意とする荒木珠奈。光と影を巧みに使ったものや、生と死を思わせるような作品もあり、見る人の感情を揺さぶります。また、開催地である上野をテーマにした大型新作は、圧巻です。
こちらは先に紹介した「マティス展」のチケットを見せると300円割引してくれるサービスもありますよ。
【うえののそこから「はじまり、はじまり」 荒木珠奈 展 開催情報】
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C(東京都台東区上野公園8-36 )
会期:2023 年 7月 22 日(土)~10 月 9 日(月・祝)
開室時間:9:30~17:30、金曜日は 9:30~20:00※入室は閉室の 30 分前まで
観覧料:一般 1,100 円、大学生・専門学校生 700 円、65 歳以上 800 円※高校生以下は無料、学生と65歳以上は要証明
3.総勢20人のアーティストの作品には圧巻!「I LOVE ART 17 プレイプレイアート展」
会場全体を使って、作品を風景や人物に見立てて展示。作品はどれも独創性が豊かで、見応えのあるものばかりです。150点ある作品は、一際目をひく全長6mの天使《Surf Angel (Provisional Monument 2)》(上写真右奥)を制作した小谷元彦をゲストアーティストに迎え、他19人のアーティストによって作られたもの。アンディ・ウォーホル、オノ・ヨーコ、ディヴィッド・ホックニーといった、世界的にも有名な人たちの作品も目にすることができます。
こちらの展覧会も、作品をモチーフにしたポップなアートグッズを多数展開。中には売り切れてしまっているものもあるので、グッズ好きの方は早めに足を運んでみてください。ちなみに会場であるワタリウム美術館があるのは、表参道駅から10分ほどのところ。デートで色々お店を見た延長で行けちゃえるので、デートにぴったりですね。
【I LOVE ART 17 プレイプレイアート展 開催情報】
会場:ワタリウム美術館(東京都渋谷区神宮前3-7-6)
会期:開催中〜8月3日(木)※好評につき会期延長!
開室時間:11:00〜19:00
観覧料:大人 1,500円、大人ペア 2,600円、学生(25歳以下)・高校生・70歳以上 1,300円、小・中学生 500円
4.27年ぶりの大型個展では新作も披露「デイヴィッド・ホックニー展」
「プレイプレイアート展」でも展示がある、作家デイヴィッド・ホックニー。86歳になる現在も活動を続ける、世界で最も人気のある現代アーティストの一人です。60年以上にわたり第一線で活躍していながら、なおも挑戦をやめない彼がコロナ禍で描いた新作《ノルマンディーの12か月 2020-2021年》は、なんとiPadを使った、全長90mにも及ぶもの! もちろんこちらも本展で見られます。
ほか、世界初公開となる自画像を含め、120点に及ぶ作品を見ることができる本展。これまで日本で行われた彼の展覧会の中でも、最も充実した内容です!
【デイヴィッド・ホックニー展 開催情報】
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/3F(東京都江東区三好4-1-1(木場公園内))
会期:2023年7月15日(土)~11月5日(日)
開室時間:10:00〜18:00※展示室入場は閉館の30分前まで
観覧料:一般 2,300 円 、大学生・専門学校生・65 歳以上 1,600円、中高生 1,000円、小学生以下無料
5.天才画家の”陶器”作品を見られる!「ピカソのセラミック—モダンに触れる」
続いては、巨匠ピカソのセラミック(陶器)をコレクションするヨックモックミュージアムの展覧会をご紹介します。
画家として広く知られるピカソ。彼のセラミック作品には、拠点とした南仏の明るさや楽しさが満ちています。開館3年目を迎えた同館では、ピカソのセラミックにあふれる、かつてのアートの実験の気配や遊び心が全3章で楽しめる企画展を開催中です。
ヨックモックと言えば、クッキーが有名ですよね。展覧会の帰りにはお土産にミュージアムオリジナルのクッキー缶「プティ シガール缶」もおすすめ。缶にはかつてピカソが陶器見本市のために制作したポスターをメインモチーフとして描かれており、まさにセラミックをコレクションする美術館にぴったりです。
また、当館では現在「ボーダー割」と称して、ボーダーを着て来た方の観覧料を200円割引にするキャンペーンを実施中。彼や友人とシミラールックで訪れても楽しいですよ!
【ピカソのセラミック—モダンに触れる 開催情報】
会場:ヨックモックミュージアム(東京都港区南青山6丁目15-1)
会期:開催中〜2023年9月24日(日)
開室時間:10:00〜17:00※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般1,200円、大学生・高校生・中学生800円、小学生以下無料
ⓒ2023-Succession Pablo Picasso-BCF(JAPAN)
6.抽象画を象徴する作品が集結「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」
表現力を追求して描かれた、抽象画。こちらの展覧会では、セザンヌやピカソを起点に、抽象画がどのように生まれ、派生・世界に展開されていくかを、約250点の作品を通して知ることができます。
本展は12のセクションから構成されており、抽象画の始まりから世界大戦を経たことによる発展、世界への広がり、そして日本画家の描いた作品と、抽象画の遍歴を辿ることができます。
鮮やかで独特な色使いや非具象的なものを描いた絵画は、おしゃれできっとMORE世代に刺さるはず。併設のミュージアムショップでは、作品をモチーフにしたクリアファイルやTシャツなどもあるので、是非そちらにも足を運んでみてください。
【ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ 開催情報】
会場:アーティゾン美術館(東京都中央区京橋 1-7-2 )
会期:開催中〜2023年8月20日(日)
開室時間:10:00 〜18:00(8 月 11 日を除く金曜日は 20:00 まで)※入館は閉館の 30 分前まで
観覧料:日時指定予約制。ウェブ予約チケット 1,800 円、当日チケット(窓口販売)2,000 円、学生無料(要ウェブ予約)
※ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売します。
※中学生以下の方はウェブ予約不要です。
7.完成間近なあの建造物のいろんな表情が見れる「ガウディとサグラダ・ファミリア展」
ピカソはスペイン出身の巨匠ですが、同じくスペイン出身の西欧建築の巨匠といえば、アントニ・ガウディというのは、知る人も多いでしょう。そんな彼と、彼が人生をかけて手がけてきたサグラダ・ファミリア聖堂を取り上げた展覧会が、東京国立近代博物館で開催中です。
サグラダ・ファミリアといえば、イエスの塔が2026年を目指して完成間近というのでも話題になりましたね。本展では、ガウディがどういう影響を受けてこのような独創的な建造物を建てるに至ったかや、彼の彫刻の素晴らしさ、ドローンを駆使して撮影された肉眼では見ることができないアングルからの姿を見ることができます。
さらに音声ガイドは、幼少期サグラダ・ファミリアの近くに住んでいたという城田優さんの声で楽しめます(ガイド機レンタル、携帯アプリ使用いずれも税込650円)。
【ガウディとサグラダ・ファミリア展 開催情報】
会場:東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)
会期:開催中〜9月10日(日)※会期中一部展示替えあり
開館時間:10:00~17:00(金・土曜日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般2,200円、大学生1,200円、高校生700円、中学生以下無料
※滋賀、愛知へ巡回予定
8.200年の間に描かれたさまざまな光を展示「テート美術館展 光 — ターナー、印象派から現代へ」
抽象画は、こちらの展覧会でも。イギリスのテート美術館所蔵のコレクションの中から、タイトルにある通り「光」をテーマにした作品が120点ほどを集めた本展。それら作品の形式は絵画だけにとらわれず、写真や彫刻、素描、キネティック・アート、インスタレーションとさまざまな手法で光が表現されています。
作品だけでも見応えたっぷりで楽しいですが、当館にあるサロンでは、テート美術館のある英国の王室御用達の食器ブランド「WEDGWOOD」とのスペシャルコラボも! WEDGWOODの食器を使った、アフタヌーンティーをイメージしたカフェメニューを提供しています。アートに触れた後はヌン活なんて、休日の完璧コースじゃあありませんか…!
こちらも作品にちなんだアートグッズを販売します。最新情報によると、小物の他Tシャツや靴下などアパレルアイテムも充実しているそうですよ♪
【テート美術館展 光 — ターナー、印象派から現代へ 開催情報】
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7丁目22−2 )
会期:2023年7月12日(水)〜2023年10月2日(月)
開室時間:10:00〜18:00(毎週金・土曜日は20:00まで)※入場は閉館の30分前まで
観覧料:一般2,200円、大学生1,400円、高校生1,000円
9.おしゃれで毎回大反響!「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」
Bunkamura ザ・ミュージアムで過去2回にわたって開催された、写真家ソール・ライターの展覧会。今年はソール・ライター生誕100周年を記念し渋谷ヒカリエ9F・ヒカリエホールにて3回目を開催します。
現役時代は日本ではほぼ無名に等しかった、ライター。しかし同館で開催された過去2回の展覧会では「ソール・ライター風の写真」という言葉が広まるほど、大きな反響がありました。今回は没後発見された彼の未公開作品も一挙展示。光を巧みに操ったものや、ハイセンスすぎるファッション写真など、彼の”映える”写真は、色褪せることなく現代にも通用するおしゃれな作品ばかりです。
本展開催を記念し、7月8日(土)〜7月28日(金)、代官山と六本木の蔦屋書店ではブックフェアを開催。アンディ・ウォーホルなど、ライターと交流のあったアーティストなどの関連書籍も展開されます。
そして会場でも蔦屋書店でも、展覧会オリジナルグッズを発売予定。毎回話題になる展覧会なので、グッズも売り切れ必至です。
【ソール・ライターの原点 ニューヨークの色 開催情報】
会場:ヒカリエホール ホールA(渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ 9F )
会期:2023年7月8日(土)〜2023年8月23日(水)
開室時間:11:00〜20:00※最終入場は19:30まで
観覧料:一般 当日 1,800円 前売 1,600円、大学・高校生 当日 1,000円 前売 800円、中学・小学生 当日 700円 前売 500円
10.渋谷の巨大看板で見たあの写真も!?「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」
ソール・ライター展と同じ時期・同じくヒカリエホールで開催されるのが、タワーレコードのキャンペーン「NO MUSIC, NO LIFE.」で一世を風靡した平間至の写真展です。同キャンペーンで撮影された作品はもちろん、彼の初期作品など、その数200点にのぼる写真が見られます。
今にも音楽が聴こえてきそうなミュージシャンたちの写真や、彼が東日本大震災を機に開業した「平間写真館TOKYO」で撮られたハレの日の写真など…。会場に足を運んで、是非エネルギー溢れる作品を存分に楽しんでください。
また、「ソール・ライター展」と「平間至展」は同時開催のため、一緒にチケットを購入すると割引になるセット券もおすすめです!
【平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS- 開催情報】
会場:ヒカリエホール ホールB(渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ 9F )
会期:2023年7月8日(土)〜2023年8月23日(水)
開室時間:11:00〜20:00※最終入場は19:30まで
観覧料:一般 1,300円(前売1,100円)、大学・高校生 600円、中学・小学生 400円
11.どこを見てもワールド全開で目が忙しい!「草間彌生の自己消滅、あるいはサイケデリックな世界」
平成を代表するアーティスト・草間彌生。通年彼女の作品に触れることができる美術館ですが、今期開催しているのは「自己消滅」をテーマにしています。
彼女にとって自己消滅とは、彼女の幼い頃の幻覚に由来し、作品作りにおけるテーマであるのだとか。今回はその中に垣間見られるサイケデリックな部分を豊かなバリエーションで展示。見る側も、まさに幻覚を見ているかのような感覚になること間違いありません。絵画やインスタレーション、短編映像などさまざまな形で”草間彌生ワールド”を楽しめます。
なお、美術館1階にある観覧者だけが利用できるミュージアムショップでは、彼女の作品をモチーフにした作品や展覧会のカタログが販売されています。
【草間彌生の自己消滅、あるいはサイケデリックな世界 開催情報】
会場:草間彌生美術館(東京都新宿区弁天町107 )
会期:開催中~ 2023年9月18日(月・祝)
開室時間:11:00〜17:30
観覧料:一般1,100円、小中高生600円
※美術館は日時指定の事前予約制です。
※チケット購入は美術館ウェブサイトのみで、窓口での購入はできません。
12.温かみのある優しい版画が約140点「マルク・シャガール 版にしるした光の詩(うた) 神奈川県立近代美術館コレクションから」
色彩の豊かさや動物や恋人をモチーフとする作品が多いことから「愛の画家」とも言われるマルク・シャガール。本展は彼の版画に焦点を当て、6つの版画集の中から年代・技法の異なる作品を140点ほど展示します。
版画集とは本来、詩と版画がセットとなっているもの。そこでこの展覧会では、版画に詩や絵の持つ物語のあらすじを添えて、より作品の世界観を理解できるよう工夫されています。愛の画家による作品と、その世界を表す”愛の言葉”…これは、デートも盛り上がりそうですね。
【マルク・シャガール 版にしるした光の詩(うた) 神奈川県立近代美術館コレクションから 開催情報】
会場:世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園1-2)
会期:2023年7月1日(土)〜2023年8月27日(日)
開室時間:10:00〜18:00※最終入場は17:30まで
観覧料:一般1,200円、65歳以上1,000円、大高生800円、中小生500円、未就学児無料
いかがでしたか?
展覧会によっては、アクセスもよく”ハシゴ”できるものも。気になる展覧会を複数めぐって、アートにどっぷり浸かる1日デートプランも楽しそうです。是非参考にしてみてくださいね。
取材・文/菅原麻葉