埼玉県のご当地グルメについて詳しく知りたい! 埼玉県の名物といえば、有名な草加せんべいや、さつまいもスイーツ。埼玉銘菓の歴史を定番お土産とともに深掘りします。

CONTENTS
  1. 【埼玉銘菓】草加せんべい
  2. 【埼玉銘菓】さつまいもスイーツ
  3. 【埼玉銘菓】十万石まんじゅう

【埼玉銘菓】草加せんべい

Q.「草加せんべい」が有名になったのはなぜ?

草加せんべい 

特撰あきたこまち 6枚入 ¥653/いけだ屋

A.宿場町であったこと、天皇陛下に献上したことが大きなきっかけだと思われます。

草加せんべいが誕生した江戸時代、草加は日光街道沿いの日本橋から数えて2つ目の宿場町でした。当時の草加宿には旅籠や茶店が点在し、その茶店で余ったおだんごを捨てるのがもったいないと、潰して、干して、焼き上げた塩せんべいが始まりだそう。同時期に、東日本で最初の醤油が千葉県・野田で誕生しました。草加にいち早くその醤油が入ってきたため、従来の塩せんべいに醤油を塗ってみたところ、非常においしいと評判に。街道を行きかう旅人の口コミで、全国的に知られるようになりました。

大正時代になると、草加せんべいが天皇に献上されました。当時は天皇が現在のような“象徴”ではなく、神格化され崇められていた時代。神様が召し上がった庶民的で安価なおいしい食べ物として、全国に爆発的に広まったと思われます。

草加せんべいの他のせんべいとの違いは、圧倒的な表面のきれいさです。一般的には手焼きせんべいというとごつごつした印象がありますが、草加せんべいは表面がまっ平らなほどよいとされています。焼き上げる工程で生地から水分が出ていくときに生じる“ブク”と呼ばれる膨らみを、押し瓦という道具でしっかりと押さえ込んで堅焼きに仕上げていくというのが、草加せんべいの最大の特徴です。

あきたこまちで製造したせんべい生地を、一枚一枚コテで丁寧に抑えながら堅焼きに仕上げた逸品です。

教えてくれたのは……いけだ屋

『いけだ屋』の職人の間では「このせんべいは、肌(表面)がまっ平らできれいないいせんべいだ」という表現をするほど、せんべい表面の美しさを意識しながら製造しています。生地づくりから焼き上げまでの一貫製造をすべて自社で行い、品質とおいしさにとことんこだわっています。

『いけだ屋』公式サイトはこちら

【埼玉銘菓】さつまいもスイーツ

Q.川越にさつまいもスイーツが多いのはなぜ?

埼玉銘菓 いも恋

いも恋 ¥200/菓匠右門

A.江戸時代に盛んにさつまいもが作られていました

川越は江戸時代にさつまいも作りが大変盛んで、江戸へ焼いも用のさつまいもを流通していたそうです。江戸でさつまいもがブームになったことをきっかけに、川越のさつまいもが一気に有名になりました。江戸ー川越間の距離が十三里だったことから、川越のさつまいもは「栗(九里)より(四里)うまい十三里」と呼ばれていたそうです。今ではさつまいも生産量は少なくなりましたが、その後もさつまいもの加工店や販売店は年々増えていったと聞いています。

小麦粉と餅粉で作った生地に、輪切りのさつまいもと北海小豆の粒あんを包んで蒸し上げたもちもちの蒸し饅頭で、ひとつひとつ手作業で作っています。でき立ての一番おいしい状態で食べてほしいので、レンジや蒸し器で温めることを推奨しています。冷蔵で5日間、冷凍で長期保管も可能です。

教えてくれたのは……菓匠右門

1998年に川越に設立、川越ならではのさつまいも菓子はもちろん、和菓子屋ならではの四季にあわせた季節菓子を提供しています。埼玉県内に7店舗(川越6店舗、さいたま市1店舗)直営店舗があり、それぞれ特徴を持った店舗運営をしています。

■問い合わせTEL:049-226-2771

『菓匠右門』公式サイトはこちら

【埼玉銘菓】十万石まんじゅう

Q.十万石まんじゅうと“うまい、うますぎる”について教えて!

埼玉銘菓 十万石まんじゅう

十万石まんじゅう 1個 ¥140/十万石ふくさや

A.実際に食べた棟方志功先生が「うまい、うますぎる」と言ってくれたんです

「十万石まんじゅう」は、北海道産小豆の自家炊きのこしあんを、つくね芋と新潟産コシヒカリの粉を使用した薯蕷(やまいも)皮で包んだおまんじゅう。製造・販売を行う『十万石ふくさや』がある行田市にはかつて忍藩という藩が存在していたため、“忍藩の美味”といわれた忍米を形どり、石高十万石を焼印としました。

“うまい、うますぎる”という言葉についてですが、昭和28年にさかのぼります。若き日の先代が、世界的な板画家・棟方志功先生の作品を見て「これからの菓子屋は、先生のこの人間味あふれた暖かさ、そしてバイタリティが必要だ!」と開眼。さっそく先生を訪ね、「このまんじゅうを食べてみてください」と差し出したそうです。無類の甘党だった志功先生は、まんじゅうを一口食べ、そのまま一気に5個も完食したといいます。

十万石まんじゅうのパッケージ

そして6個目のまんじゅうに手を伸ばしながら「うまい。行田名物にしておくには、うますぎる」と言い、忍城のお姫様が生きていればきっと同じことを言ったに違いない、と、この絵を描いてくださいました。

ところが、お気づきでしょうか。「十万石頭(正しくは饅頭)」と書かれています。先代が指摘したところ「このまんじゅうが全国に広く知れ渡ることを願ってこの字にした」と言ってくださったそう。先代は改めて先生の暖かい配慮に感動し、そのまま現在まで使わせていただいています。

皮生地にお米の粉と大和芋を使った薯蕷まんじゅう。お米は新潟県産コシヒカリを、産地の特約製粉所で粉に挽いています。大和芋は、とりわけコシのある「つくね芋」を厳選。小豆は、北海道十勝産の粒揃いを。砂糖は、小豆の味わいをじゃましない糖純度のザラメ糖を使用するなど、原材料の品質に最大限こだわって作っています。

教えてくれたのは……十万石ふくさや

「うまい、うますぎる 十万石まんじゅう」を看板商品に、和菓子・洋菓子の製造販売を行う。過去に『のぼうの城』『陸王』『ドラゴンクエストウォーク』など、映画やドラマ、ゲームとのコラボ商品を販売したことも。埼玉県内に35店舗、群馬県太田市に1店舗を構える。048-556-1275

■問い合わせTEL:048-556-1275

『十万石ふくさや』公式サイトはこちら