作品を”体感”することで見えてくる、新しい日常

作品を”体感”することで見えてくる、新しい日常

東京都渋谷公園通りギャラリーでは、夏の展覧会企画として、2024年9月1日(日)まで、「日常アップデート」が開催中です。

社会はコロナ禍以前と同じ毎日を取り戻したかのように、人と関わり、集い、再び動くまでにあゆみを進め始めています。しかし一筋の光が見えてきた矢先に新たな災害が起き、私たちの記憶に大きな出来事として刻まれました。私たちは、このような事象に遭遇するたびに、日常の尊さや儚さを感じ、過去に積まれた記憶が奥深くへと押し込まれ、代わりに新たな体験の記憶がその上に重ねられることに気づかされます。

本展では、見過ごされるような光景や体験、聞き慣れたことば、どこかの誰かとの共同作業、その日の大切な記憶や事柄の記録、安心できるいつもの風景などさまざまな観点で日常を思わせる6名の作家(飯川雄大、関口忠司、土谷紘加、原田 郁、宮田 篤、ユ・ソラ)の作品から繰り返される日々を考えます。

それぞれの作品から見えてくる他者の日常に触れることで、さっきまで見えていたいつもの風景が新たな価値を帯び、私たちの日々を豊かにしてくれることでしょう。何処かしらに他者の存在が感じられる作品を通して、日常における人と人、人と社会の在り方について考え、日常を新たな視点で捉えなおすことを試みます。

1)飯川雄大「デコレータークラブ―新しい観客」

飯川雄大「デコレータークラブ 新しい観客」作品例

展示室にあるかばん《ベリーヘビーバッグ》を、鑑賞者の手で、飯川雄大の展覧会が開催されている別の4会場、鳥取県立博物館(鳥取県)・高松市美術館(香川県)・CUPSULE(東京都・三宿)・LAG[LIVE ART GALLERY](東京都・神宮前)のいずれかの展示室に鑑賞者が運びます。鑑賞者が作品を運ぶという非日常体験による気づき、またその行為を目撃した人たちは、図らずとも作品の鑑賞者になり得るという、それぞれの立ち位置からの視点が交差する作品です。

展示期間:9月1日まで

2)原田 郁 ワークショップ「共感の窓際」

2)原田 郁 ワークショップ「共感の窓際」 作品例

「窓の絵」を描く参加型ワークショップです。ウェブサイトからも参加可能。参加者が描いた「窓の絵」は、8月1日から原田 郁の仮想世界内ギャラリーにて、展示・公開されます。

受付期間:7月28日まで

3)宮田 篤「びぶんブックセンター」

3)宮田 篤「びぶんブックセンター」作品例

ギャラリーの交流スペースに「びぶんブックセンター」が出現。期間中にさまざまなゲストを迎え、ワークショップなどのイベントや、まいにちあそべる《微分帖》を準備しています。他、遠方の方も参加できる文通での「はさもう!びぶんまんが」などを実施します。

※「びぶんブックセンター」は、おとなもこどももあそべるぶんがく《微分帖》のポップアップ文化センターです。
※《微分帖》はみんなでつくるおはなしの小さな本の名前で、 そのお話ができるちょっとかわった作文の仕方のことで、それが行われる場所の呼び方でもあります。

4)土谷紘加とユ・ソラ「さわれる作品」

土谷紘加 作品例
ユ・ソラ作品例

展示作品とは別に、土谷紘加とユ・ソラがさわれる作品を制作します。それぞれの質感を感じてみてください。

5)日常ラジオ

アーティスト・トークをYouTubeポッドキャストでお届け。「日常アップデート」出展作家と担当学芸員が、作家の日常から出展作品についておしゃべりをします。音声コンテンツとして、展示会場や自宅でも視聴可能。アーティスト・トークを聞きながらの作品鑑賞、鑑賞後の振り返りなどが楽しめます。また、ゲストを招いた回では、公開収録を予定しています。

公開期間:7月3日から随時

そのほか、手話による作品解説動画や、担当学芸員や鑑賞サポーターによるギャラリートークも実施予定です。

「日常アップデート」概要

会期:2024年9月1日(日)まで
開館時間:11:00-19:00
     ただし7月19日、26日、8月2日、9日、16日、23日、30日の金曜日は、サマーナイトミュージアムにつき21:00まで開館
休館日:月曜日(7月15日、8月12日は開館)、7月16日、8月13日
会場:東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室1、2、交流スペース
観覧料:無料
*開催内容は、都合により変更になる場合があります。予めご了承ください。

詳細は「東京都渋谷公園通りギャラリー」の公式サイトもチェック!