【歌舞伎のススメ*其の18】八月花形歌舞伎「真景累ヶ淵」
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No.17 しんしん
八月花形歌舞伎「真景累ヶ淵 豊志賀の死」
八月にかける納涼らしい怪談話で、落語がベースになっている作品です。
怖いのにめちゃくちゃ笑えるのが、歌舞伎の怪談の不思議なところ。
ホラーは苦手だけど歌舞伎の怪談は好きです。
まさに夏の風物詩!
あらすじ
近所の若い娘と若弟子との関係を疑ってかかる師匠を疎ましく思って、若弟子がちょっと家出をするうちに、師匠の容体が悪化して孤独に命を落としてしまう。それを恨みに思って師匠の幽霊が若弟子のところへ化けて出るというのが、物語のあらすじです。
介護疲れがテーマになってるのは、現代にも通じるなあと感じます。 人間の抱える課題って変わらないよね。
大抜擢!の鶴松さんが演じる若弟子がかわいらしい
七之助さんお墨付きの大抜擢も納得! 時たま笑い方や仕草に勘九郎さんぽさが覗き見られたのは、師匠譲りかな。
女形もかわいらしいけれど、 ピュアな若者役も似合っているなあと思いました。
コメディエンヌとしての才能を遺憾なく発揮!な七之助さん
2017年の「盟三五大切」で、切られた首がぐるりと動く演出に引き続いて、今回の縁側で仰向けに倒れる死に様は、新たなトラウマランクインでした(笑)
「義賢最期」で幸四郎さんが見せる<仏倒れ>は見栄のひとつというか、いわゆる歌舞伎的な型の中での死顔なんだけど、お師匠さんの死顔は写実的でリアル、生々しい。
ねちっこくてしっとりしてて真夏の夜に吹く風みたいに首元にまとわりついてくる。あれだけ生っぽい怖さなのに、なんか可笑しくて笑ってしまうような空気を作れるのが、七之助さんの技術だなと思うのです。
*しんしん*