2021年MORE6月号掲載企画から、インタビュー記事をお届けします。
MORE6月号インタビュー企画・板垣李光人さん
いたがき・りひと●2002年1月28日生まれ。映画『約束のネバーランド』のノーマン役をはじめ、配信ドラマ『今際の国のアリス』、ドラマ『ここは今から倫理です。』、映画『ゾッキ』など、数多くの話題作に出演。NHK大河ドラマ『青天を衝け』に徳川昭武役で出演予定

僕にとってファッションは、生きていくうえで必要不可欠な美術品

中性的な美しいルックスでメイクやファッションを楽しむショップ店員。板垣さんがドラマ『カラフラブル』で演じるそうめぐるは、ジェンダーレスな魅力を持つ彼自身のためにあるかのような役。

「僕の中の周度は、85%くらい。周ほどまっすぐな性格かと聞かれたら自信を持って〝はい〟とは答えられないけど(笑)、社会から一方的に与えられた性別の役割に対して自然と疑問を感じて口に出せるところは似ているのかもしれません」

そんな周が恋におちるのは、仕事や〝推し〟に全力すぎるがゆえに、自分自身のことは二の次になってしまうというキャラクターの和子。板垣さんも、そんな和子に共感できるアイドルオタクな一面があるそう。

「僕が推しているのは、SEVENTEENという韓国のボーイズグループです。SEVENTEEN関連の動画を観ていると自然と口角が上がってきて、自分でも〝今、絶対気持ち悪い顔してるんだろうな〟って思いながら〝推し活〟を思いっきり楽しんでいます(笑)」

板垣さんといえば、現在『グッチ』のクリエイティブディレクターを務めるファッションデザイナーのアレッサンドロ・ミケーレ氏を敬愛するファッショニスタとしても有名。

「ただ、『グッチ』となると、たとえばTシャツを一枚買うとしても、なかなかの金額になるじゃないですか。でも、そういう時、いつも僕の頭をよぎる考えがあるんです。それは、絵画とか彫刻は置いておいて鑑賞することしかできないけど、洋服は鑑賞できるし着て楽しむこともできる。だから、お得なんだっていうこと。そう言い聞かせて、自分の背中を押しています(笑)」
インタビュー中、ドラマの登場キャラクターを冷静に分析しながら自分と照らしあわせる姿には「本当に19歳?」と目を疑いたくなる落ち着きが。テンションが思いっきり上がったり、逆に怒ったりすることはあるのかと尋ねると……。

「アウトレットモールでいいものと出合えた時は、めちゃめちゃテンションが上がります。ねらっているアイテムの値段の下げ止まりのタイミングを見極めるのは、もはや職人技かも(笑)。それに感情が表に出ないだけで、イライラもしますよ(笑)。最近は、買ったばっかりのワイヤレスイヤホンが音を止めるたびに接続も切れちゃって。新しいはずなのにそれが本当に不便で、思わずムカッとしてしまうんです」

そう言ってクシャッと笑った表情に、19歳らしい無邪気さがのぞいた。

『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』

【板垣李光人さんインタビュー】SEVENの画像_2
仕事に夢中でおしゃれに手を抜きがちなマンガ編集者の和子(わこ/吉川愛)は、メイクもファッションも完璧な周(めぐる/板垣李光人)とつきあうことに。お互いを受け入れながら成長していくふたりの恋の行方は!? ●読売テレビ・日本テレビ系(木曜23:59〜)で放送中
撮影/イマキイレカオリ ヘア&メイク/KATO(TRON) スタイリスト/阿部絵莉香 取材・原文/吉川由希子 構成/渡辺真衣(MORE) コート¥104500(Vetements)・ジャンプスーツ¥63800(iRENE)/リステア総合カスタマーサービス リング¥77000/スタジオ ファブワーク(THE LETTERING)