向井流“はじめ”のオキテ。

最近、新しく始めたこと、好きになり始めたもの。そして、何かを始める時に心がけていることや大切にしていること。そこから見えてきた“人間・向井康二”の魅力的な素顔。

向井康二さんプロフィール

Snow Man向井康二さん
むかい・こうじ●1994年6月21日生まれ、奈良県出身。アイドルグループSnow Manのメンバーとして活躍。メンバーきってのファッション好きとして知られるほか類まれなる妄想力を生かし、『MORE』でもこれまで3本の着回し企画で脚本を担当

疲れたら休んでもいいし、寄り道や遠回りしてもいい。無理せず、頑張りすぎず、人生“ぼちぼち”いきましょ

続けることも大事やけどとりあえずやってみる精神で「好き」を見つけるのはもっと大事

「最近、始めたのはタイ語。僕、幼少期にタイに住んでいたことがあって。言葉は話せるんですけど読み書きができないんですよね。なので、そこを重点的に毎朝30分から1時間くらい勉強。ちょこっとでもいいから毎日やるようにしてます。筋トレもそうやけど、勉強も続けることが大事やからね」

基本的に好奇心旺盛なタイプ。やりたいことは山ほどあるがほぼ三日坊主で終わりがち。「始めることも大事やけど、続けることはもっと大事」と笑う彼の家には“途中で飽きてしまったもの”があちこちに転がっているらしい。

「そのひとつが小説ね。本を読んでいる途中、急に違う本が気になって読み始めてしまう、そんなことしょっちゅうやし。読みかけの小説が何冊もあるのに本屋でまた新しい小説を買ってしまう……。すぐに目移りしてしまうんですよね。何ごともガッと勢いよく始めてしまうと飽きるのも早くて。“ちょこっとずつ毎日やる”は、そんな飽き性の自分対策として身につけた技でもあるんですよ」
最近、向井さんには「やっと好きになり始めて、もっと好きになりたい」と思っているものがあるそうだ。それは“ひとりの時間”

「僕、寂しがり屋なんで。以前はまったくひとり行動ができなかったんですよ。でも、最近はひとりで温泉やサウナに行ったり、ドライブも好きやから車で行けるところまで運転してみたり……。やってみたら意外とできるもんなんやなって。最初の一歩を思いきって踏み出してみること、大事ですよね

そう語ったと思いきや「って、えらそうなことを言いましたけど、今も買物はひとりだと緊張してしまう。買物だけは誰かに見守っていてほしい」と笑う。

「そうそう、最近は“ひとりカフェ”にも目覚めて。気になるカフェを探して行くんですけど。その時も、店に入る前にまずは一度通り過ぎますからね。緊張して入れなくて(笑)。で、道を間違えたふりをしながら店の前を行ったり来たり。それを何回か繰り返してから気合を入れて入店するっていう。おしゃれなカフェの周りをウロウロしている不審者がおったら、それ、たぶんオレです(笑)」

明るくサービス精神旺盛なムードメーカー。バラエティ番組で活躍する姿も印象的な彼だが、実は「人見知りだし緊張しい」。新しい現場や新しい人間関係に飛び込む時は「めちゃくちゃ緊張する」んだとか。

緊張を和らげるためにしていることは、しゃべることかな。緊張でしゃべれなくなる前にしゃべる、自分らしくいられる環境を自分でつくるのも大切なこと。そのためにも、僕は自分の弱いところを出す。カッコつけたり隠したりせずにできないことは“できない”って言う。そうすれば自分を追い詰めずにすむし、周りも協力してくれる。できるようになった時には一緒に喜んでくれる。そこで仲がまたグッと深まる時もあったりしてね」

新しい自分に出会うためには新しい挑戦も必要。しかし、向井さんからは「それも大事なことやけど。無理に新しい自分に出会おうとせんでもいいと僕は思うんですよ」という言葉が。

新しい自分って、目の前のことを必死にやってたら自然と出会うもんやと思うんですよね。大事なのは新しく生まれ変わることだけじゃない。ずっと大切にしているものを持ち続けることも大事なわけで……。今の自分に目を向けんと、遠くばっか見て“もっと新しい自分に”と突き進むのは、僕はなんか違うような気がしてしまう。
僕ね、最近『ぼちぼち』って言葉が好きなんです。頑張ることは大事、努力することももちろん大事。でも、そんなに無理しなくてもいいよって。そんな頑張らんでいいのよって。自分のペースで、自分の歩き方で、前に進んでいけばいいって思うんですよ」

そして「モア読者にも言いたいもんね。疲れたら休んでもいい、寄り道したっていい、人生ぼちぼちいきましょうって」と笑う。

“誰かのため”に動くのが好き。「疲れない?」と聞かれるけどむしろ、楽しいんですよ(笑)

「たとえばさ、ずっと笑ってる人を見るとつらくなりません? もしかしたら、その人は理想の自分に近づきたくて努力しているのかもしれないけど。無理しているのかなと心配になってしまう。つらい時はつらい顔していいと思うんですよ。僕だって、明るいイメージを持たれがちだけど、そうじゃない日もある。向井康二にも、落ち込む日や不機嫌になる日はある。でも、それでいいと思うんですよ。完璧じゃなくていい、ダメやったり、カッコ悪くてもいい。僕は人間味のある人が好きやし、自分もそうでありたいと思ってる。常にありのままの自分でおりたいなって」

実際、表舞台に立つ向井康二も、プライベートの向井康二も「変わらない」と彼は言う。

「周りにいる人に笑っていてほしい。そう思うのは仕事現場でもプライベートでも同じで。僕ね、みんな笑ってるかな、あの人は笑ってないけど退屈なのかなって、ついつい周りを観察してしまうんですよ。メンバーに言われて気づいたんですけど、他人の笑顔を気にするあまり、自分があんまり笑っていないこともあるみたいで。そんな僕は周りにいる人たちからたまに『疲れない?』と聞かれる。でも、これが全然疲れないんですよね。楽しませたり、喜ばせたり、笑わせたり、誰かのために何かをするのが僕は好き自分でもその理由はよくわからないんだけど、そっちのほうが幸せなんです。それにね、不機嫌な時はちゃんと不機嫌にしてるから。そこらへんはちゃんと人間味あふれる人間やってるんで安心してください(笑)」

次々と飛び出す飾らない言葉。最後にあらためて向井流の“はじめ”のオキテについて尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「飽き性の僕は途中でやめてしまったものがたくさんあるけど、なかにはちゃんと長く続けているものもあるんですよね。たとえば、中学生の頃に初めて自分で買ったカメラもそうやし、この仕事もそう。ファッションもずっと好きやしね。続かないものもあるかもしれないけど、本当に好きなものに出合えるかもしれない、でもそれはやってみないとわからないわけで。だからこそ“とりあえずやってみる精神”はけっこう大事だと思う。やってみることでわかることってたくさんあるし、そこで自分の新しい扉が開くこともあるからね。だからこそ、メンバーから『ブルーは似合わない』と何度言われようとも、気になるブルーの服を見つけたら試着する。似合わないと決めつけたりせずに、とりあえず着る。『今日の康二は似合うかもしれへんやん!』って(笑)」

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取材・原文/石井美輪 撮影協力/Compartment. ※MORE2022年11月号掲載