セックスは“秘めたるもの”という考え方が、欲望や欲求にストッパーをかけているのかも。

人間の欲望を赤裸々に描いた刺激的なストーリーと、娼夫として女性たちと向き合うことで変化していく、主人公リョウの繊細な内面の変化が多くの読者の共感を呼んだ、石田衣良の人気小説『娼年』が映画化。注目は、本編の半分以上をしめるリアルなセックスシーンで、カラダも感情も隠すことなくさらけ出した松坂桃李さんの熱演! 「特に女性に見てもらいたい」と語る松坂さんは、現在29歳。まさにデイリーモア読者と同世代の彼に、映画を通して感じた男女の「性」についてうかがいました。

映画『娼年』でハダカの熱演! 松坂桃李さの画像_1

ーー劇中では松坂さん演じる娼夫のリョウに対して、客の女性たちが性の秘密や悩みを打ち明け、心を解放していく姿が印象的でした。モアでは昨年、性に関する大アンケートを実施し、2000人の女性たちの答えを「モア・リポート2017」としてまとめているのですが、たとえば多数の質問の中で「性欲を感じることは?」という問いでは、66.2%が「ある」、33.8%が「ない」と回答。一方、30年前に実施した「モア・リポート」では、同じ質問に、96.5%が「ある」、3.5%が「ない」と回答していました。母集団の違いはあるのでもちろん単純比較はできませんが、データでは性欲を感じない人が約10倍に増えたことがわかります。 「うわー、なるほど! 大問題ですね。それはもったいない気がします。セックスには性処理だけではない意味があると僕は思っていて。お互いの繊細な部分を共有し合う行為じゃないですか。だから行為が行われた後の2人の会話って、いい意味で親密で軽やかだし、充実感があると思うんです。セックスはお互いの心の距離を縮めて、関係性を深める上でとてもいいことだと思います」 ――では、パートナーとセックスについて話すことは大切だと思う? 「そこに対して結構ガードが硬いことが、日本人のある種、個性みたいなところだと思うんです。でも“秘めたるもの”という考え方や世の中の風潮が、自分の欲望や欲求にストッパーをかけている部分もあるのかなって。 欧米ではセックスに関する繊細な話を、もっとパートナーと積極的に話し合う イメージがあるというか。多分、ちょっとしたキッカケなんでしょうけどね。そのストッパーをお互いにパッと同時に取り去ることができれば、関係性がもっと変わる気がします」 ーー長く関係性を続けるためにも大事だと。 「知り合いのあるご夫婦から聞いた話なんですが、長く付き合っていくコツとしていろんなプレイをするらしんです。だからマンネリがないんですって。『じゃあ次はこういうことをやってみようよ』ということを素直に打ち明けられるから『うちは仲がいいんだよねー』とおっしゃっていて。それってセックスが“秘めること”ではなく、“ふたりだけの空間だからこそ話せること”に、重要度が上がっていますよね。すごく素敵だなと思いました」

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昨年、創刊40周年記念企画として現代女性のリアルな性を大特集した「モア・リポート2017」。このデータを松坂さんも興味津々読んでいただき、インタビューに答えてくれました

映画『娼年』は明日4/6(金)より全国ロードショー

4月6日(金) TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー 出演:松坂桃李 真飛聖 冨手麻妙 ほか/脚本・監督:三浦大輔/配給:ファントム・フィルム/ (C)石田衣良/集英社  2017映画『娼年』製作委員会

見終わったあとに自然にセックスについて話すことができる映画だと思う

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ーーちなみに自分の性的体験を話す場合、女性は圧倒的に女友達が多いのですが、男性も友達同士で話したりするもの? 「まあ……『へー、したんだー!』みたいな表面的な部分は(笑)。でも男はそこからバカ話に広がっていくけど、女性のほうが深いところまで具体的に話すイメージ。相手がどうだったかみたいなことまで話されたら、男もかわいそうですよね(笑)」 ーーなるほど。きっと女性は、自分が他の人と比べてどうなのかということに興味がある気がします。「モア・リポート」のような性のアンケートが昔も今も変わらず人気なのも、女性が“平均を知りたがる”からなのかと。 「あ、なるほどねー。他の人のことが気になるのか。映画には年齢や抱えている性癖も違う8人の女性たちが登場するんですが、おしっこを見られることでエクスタシーに達する女性とか、夫に見られながら他の男とセックスする女性とか、一見するとインパクトの強い欲求も描かれています。でも僕が映画を通して感じたのは、種類や欲求の大きさは違っても、誰もがセックスに対する純粋な欲望を持っているし、それ自体は全然特別じゃないということ。こういう作品だからこそ、見終わったあとに自然にセックスについて話すことができると思うので、デートムービーとしてはもちろん、女友達とも観ていただければ。自分の中だけに押しとどめて難しく考えていたことが、実は案外シンプルなことだと気づいて、気持ちが軽くなる気がします」 取材・文/松山梢 撮影/亀田亮(YOKOO STUDIO)

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まつざか・とおり/1988年10月17日生まれ。神奈川県出身。2009年、俳優デビュー。近年、テレビドラマ『ゆとりですかなにか』『わろてんか』、映画『彼女がその名を知らない鳥たち』、映画『不能犯』(主演)など、幅広いキャラクターを演じ分ける実力派俳優として、さらに注目を集めている。

原作の小説『娼年』も大ヒット中!

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『娼年』 文庫判 224ページ 本体価400円+税/集英社

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