石原さとみインタビュー特集 - 30代の彼女が今想うこととは?

石原さとみが語る “言葉のミチシルベ”

石原さとみ
SATOMI ISHIHARA
いしはら・さとみ●1986年12月24日生まれ。第27回ホリプロタレントスカウトキャラバンにてグランプリ受賞を果たし女優デビュー。主演ドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系・水曜22:00〜)が4月から放送開始。舞台『終わりよければすべてよし』が5月12日開幕

正直に語られる等身大な“言葉”の数々。それはいつも前向きな力を届け、道標のように私たちを導いてくれた。石原さんの“過去”からつながる“今”の言葉。モア読者への心に響くメッセージ。
*MORE5月号に掲載されているインタビュー記事をお届けします。

変化と探究ーー変わらずに大切にしていること、今の彼女の探究心が向かう場所。

白い服と布に身を包む石原さとみ
常に自分の中に目標を掲げ、自ら行動を起こし、変化し続ける人。変わらずに大切にしていること、今の彼女の探究心が向かう場所。

 その時どんな自分でいたいかって、いつも自問自答しているんでしょうね
(2019年8月号)

 10代後半から、毎年手帳に“65歳までにかなえたいこと、そのために実行するべきこと”を書き出していたんです。逆算して、今やらなきゃいけないことを自分に課して、それが多すぎて情けなくなったりもして……
(2016年11月号)

「仕事の目標やなりたい自分を言語化してメモ。そこに近づくためにはどうすればいいか考え実行する。これは私が10代の頃から続けていることです。メモするのは未来のことだけ。過去のメモを見返すことはめったにないんですけど、これまで『MORE』に掲載いただいたインタビューを読み返してみると、過去に語った“なりたい”がけっこう叶っている自分が今ここにいるんですよね。“成長しているんだな”と実感することができたから、たまには振り返るのもいいのかもしれない(笑)」


 今の自分に満足することなく常に変化を意識。自分のあるべき姿を探究するため、学び、人に会い、旅に出る。悩み迷いながらも自ら行動を起こし、進化してきた石原さん。その経験を語る言葉はいつも読者にたくさんの気づきを届けてくれた。そして、彼女は今も変化し続けている。

「2021年の私がメモした言葉のひとつが“ときに考えないことも大切”。世界が一変した昨年は私自身、不安な気持ちになることもありました。そんな時、『考えないことを覚えたほうがいい』と言葉をかけてもらったことがきっかけで、私がチャレンジしているのがメディテーション。呼吸に集中して頭をからっぽにする、最初は難しかったけれど、だんだんと頭の中がクリアになったんです。いかに考えすぎていたか、その考えに振り回されていたかに気づき、本当に大切なものが見えるようになり、漠然とした未来への不安も無意味なものだと思えるようになりました。

 探究するのが好きな私にとって“行動”を起こすことが難しい今の状況は苦しい時もあります。でも、気づかされたことはとても多くて。たとえば、家の掃除を隅々までするようになって初めて、壁紙がきちんと合わさっていない箇所を見つけたんです(笑)。長く暮らしている部屋の中にも驚くような発見があったり、遠出はできなくても散歩の途中で創業100年以上続くお豆腐屋さんを見つけたり、未曽有の状況下だからこそ家族の優しさや温かさに気づけたり……。新しい環境、新しい場所、新しい出会い。それは刺激にもなるけれど、自分のすぐそばにも魅力的なものがたくさんある。そこに気づけるようになった自分が今は少しうれしくもあるんです」

 いつだって自分に飽きたくない
(2018年2月号)

 私は今も決して強い人間じゃない。まだまだブレブレだけど、だからこそ、“こんな自分になりたい”という気持ちに支えられて進んでいます
(2017年7月号)

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選択ーー彼女が手に入れたもの、見つけたもの。

目を瞑る石原さとみ
選択の積み重ねが自分をつくる。その大切さについて語り、選択を繰り返してきた彼女が手に入れたもの、見つけたもの。

 人生も自分の選択次第でどんどん変わる。それを楽しめるようになるまでは、意識的に努力をすることも、時間をかけることも必要。自分の本心から逃げずに、一歩ずつでも進んでいけばいつか楽しめるようになる。20代後半は、そのことを学べたから、すごく幸せな時間だったと思います
(2017年7月号)

 過去のインタビューで石原さんが繰り返し語ってきたのが“選択すること”の大切さ。自分と向きあい、自分で選び、責任を持ちながら前に進む。その大切さと楽しさを私たちに届け、教えてくれた。

「悩み迷っていた20代前半。自分で選択することを覚えた時に、私は初めて自分の足で人生を歩き始めた気がします。自分が選んだものは、自分の心が何を求め、どこに向かおうとしているのかを教えてくれる。私にとって“選択”は自分自身と向きあう作業でもあって、それを積み重ねることでより自分のことを理解できるようになりました。今の私は興味が自分の内側に向いているというか。日々の生活を大切にすること、生きるために自分が何を必要としているか心の声に耳を澄ますこと……。誰かや何かの力に頼るだけではなく、自分で自分を鼓舞する方法や、自分で自分を豊かに幸せにする方法を少しずつ学び、身につけることができているのを感じているんです。それはとても居心地がよくて。言葉で表現するなら“自分の足に合う靴がようやく見つかった”感じ。

 その“一足”に出合うことができたのは、今までたくさんの靴を自分で選び、試しばきを繰り返してきたから。自分をよく知らなかった頃は靴ずれをつくっては自分の足を傷つけることもあったし。『これだ!』と思ったのに、はいたらとても歩きづらくて途中で脱いでしまった靴もあれば、周りからは『可愛いね』と言われるけれど私の足には合わない靴もありました。そんなトライ&エラーを積み重ねたからこそ“本当に自分に合う一足”を見つけることができた。自分らしいと思える生き方が見えてきた。これまでいろんなことを経験してきたけれど、喜びも悲しみもすべてムダではなかったなとあらためて思うんです。私ならではの一足に出合えた今は、どこまでも歩いていけそうな気がしています」

 たくさんある選択肢の中から自分だけの“大好き”を見つける、その積み重ねが自分の個性になり自信にもつながっていく
(2019年2月号)

励ましーー石原さとみの中にある、たくさんの“言葉の道標”

座りながら笑顔の石原さとみ
石原さんが繰り返し語ってきた「誰かを励ます存在でありたい」という思い。それは今も変わらず彼女の中に。

「『目の前にいる人の心のロウソクに火をともしなさい。その火は周りにいる私たちも明るく照らしてくれるから』。これは母が幼い私によく言っていた言葉です。それを実践する両親の姿を見て育ったからかな。私も自然と“ロウソクの火”をともす存在でありたいと思うようになりました。女優の仕事はテレビ画面やスクリーンや雑誌を通して、多くの人の心のロウソクに火をともすことができると思うんです。今だからこそ、軽快なラブコメで明るい笑いとトキメキを、小さな火として届けられたら素敵ですよね。ドラマ『恋はDeepに』もそんな作品になったらいいなと思っています」

 誰かを励ませる存在でありたい。それは今も昔もずっと石原さんの中に存在し続けている思い。その思いは女優の仕事だけに限らず、身近な人との関係においても同じ。

「最近は年下の友達から悩み相談をされる機会も増えて。相手の悩みを掘り下げて一緒に考えることは、私自身も新たに気づくことも多く成長につながるので、うれしいことだなと感じています。そんな私に知人が届けてくれたのが『後輩は選んじゃいけない。同士とは縁を切ってはいけない。先輩は選びなさい』という言葉。友達はどんなに喧嘩をしても縁を切ってはいけない、お手本にする人は選んでよいけれど、教えることは惜しまずにどんなことがあっても投げ出してはいけない。それがいずれあなたの力になるから、と。この言葉は胸に響きました。モア読者のみなさんは私の言葉に『励まされる』と言ってくれる、それはとってもうれしいこと。でも、私も多くの人の言葉に学び励まされながら歩いている。私の中にもたくさんの“言葉の道標”が存在するんです」

 私が女優の仕事を続けているのは……次々と新しい作品に出合うことができる、すごく刺激的な環境にいさせていただいているのもそうなんですがいちばんは“人を励ませる存在でありたい”という明確な目標が私の中にあるからなんです
(2018年5月号)

ベスト¥68200・ブラウス¥26400・パンツ¥45100/リステア総合カスタマーサービス(アイレネ) リング(右手)¥12650・(左手)¥13750・ブレスレット¥12100/ソワリー 靴/スタイリスト私物

想うーー人と人は思いと言葉でつながっている

振り向く石原さとみ
心の中にある思いを隠さずにいつもまっすぐに届けてくれる。“インタビュー”を大切にする理由、雑誌の向こう側にいる読者への思い。

「振り返ると思うんです。私は人に守られてきたなって。そのひとりがお世話になった学校の先生。その先生は、なかなか私が返事をできなくても定期的にメールを送ってくださって、つらい時期、先生の言葉にすごく救われたんです。実は昨年、先生が亡くなられて、お葬式で最期のお別れをした時に、先生は私が帰れる場所をほこりがかぶらないようにずっと守り続けてくれたんだなって、あらためて感じて。涙が止まりませんでした。そして思ったんです、私も同じように、どれだけ疎遠になろうとも、大切な人に自分の言葉が届いていると信じて絶対に諦めないようにしようって」

 毎回、MOREの取材現場でも質問と真正面から向きあい、「ちゃんと伝えたいから」と諦めずに答えを探す。彼女の言葉が私たちの心に響くのはそこに“思い”が存在するから。

「人と人は思いと言葉でつながっている。それは雑誌のインタビューも同じです。私にとっては読者のみなさんと対話できる、ひとりの人間として思いを届けることができる、大切な場所。だからこそ正直な自分でいたい。私が雑誌を読んで育ったのも大きいのかな。たとえば深津絵里さん、常盤貴子さん、小雪さん……先輩方がいろんなインタビューで語られていた言葉は読者だった私の中に今も残っている。この仕事をしていると“遠くの存在”と思われがちだけれど、私も悩み迷いながら歩いてきました。よいことばかりじゃなかったけれど、だからこそ伝えることができるものもある。私の経験が誰かの力になるのならば、隠したりカッコつけたりせずにまっすぐに届けたい。雑誌の向こう側にいるあの頃の自分に届けるように」


 柔軟に変わっていくことは大切だけど、変わらずに大切にしていきたいものもあります。たとえば、好奇心や知識欲を持ち続けること、自分の心に敏感であること……たくさんあるけど、いちばんはやっぱり“人”。周りの人を大切にする気持ちは変えたくないって思う
(2020年5月号)

 友達づきあいで大切にしているのは“相手をちゃんと思うこと”。「何をされたらうれしいか」、「何を求めているのか」、「何を伝えるべきなのか」。相手を思えば自然と必要なことが見えてくる。その“交換”が友情を深めていくんじゃないかな
(2015年10月号)

今ーー世の中が大きく変わった、「今」。

ピンクの服を来て微笑む石原さとみ
悩み迷いながら歩いた10代と20代。30代になった彼女が今思うことモア読者に今届けたいメッセージ。

もともとの私は、人一倍、臆病ないわゆる“優等生”
(2015年3月号)

 過去にはデビュー当時を振り返り「自分の意志より、親やマネージャーさんにほめられるために頑張るいい子ちゃん。“他人の目”で自分ができていた」と語ったことも。人一倍臆病な優等生だった10代の頃。そこから大きくしなやかに変化した石原さんの軌跡が今までのインタビューに刻まれている。

「ガムシャラだったし、無我夢中だったし、目の前のことで精いっぱい。10代は自信も余裕もなく『どうしたらうまくいくんだろう』ともがいてばかりの時期でした。周りから『振り返ればどんな経験も小さな点。いつかその点と点が結びつく』と言われてもまったく腑に落ちず。今ならその意味がよ〜くわかるんですけどね(笑)。

 自分の足で歩き始めた20代は毎日が色鮮やかで目まぐるしかった。いっぱい悩みもしたけれど、あくまで前に進むための悩み。自分で選択した好きなこと、好きな仕事をしている、そう自覚しながら歩ける毎日はとても楽しくて。それはちゃんと今の自分の血肉になっているのを感じています。

 そして、30代。34歳になった私は今“本当の幸せとは何か?”を考えています。以前の私は仕事をすることが幸せだと思っていたし、仕事のために生きているような気がしていました。今も仕事はたくさんの幸せを届けてくれるけれど、それだけがすべてではないと感じるようになったというか。世の中が大きく変わった影響もあるのかな。“生きる”とはどういうことなのか考えるようになりました。今の私が思う“生きる”とは“生活をする”ということ。それをもっと豊かにしていきたい、今は自分の心がそこにフォーカスしているのを感じています。それは私に穏やかな喜びも届けてくれているんです」

 会うたびに必ず変化している。石原さとみはやっぱり進化し続ける人だ。また一歩先へと新たなステージを歩き始めた彼女に、今、モア読者に向けたメッセージを尋ねるとこんな言葉を届けてくれた。

「モア世代は悩み多き時期でもあると思います。さらに今は思うようにものごとが進まない難しい状況。焦ったり、不安になったり、苦しいと感じることもきっと多いですよね。でも、その経験はいずれ誰かを励まし、誰かの道標となる日がきっとくる。これからの私もきっといろんな出来事を経験するはず。でも、臆することなく前を向いて歩いていきたい。喜びも苦しみもすべてをちゃんと心に刻みながら」


“こうじゃなきゃいけない”というルールはつくらないかな。だって、そんな決まりをつくってしまったらつまらなくないですか?
(2020年5月号)

ジャケット¥94600・ワンピース¥111100/コロネット(フォルテ フォルテ) 靴¥68200/ピエール アルディ 東京(ピエール アルディ) イヤカフ¥17600/ボウルズ(ハイク)

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