ダークファンタジー、だけど愛が詰まってる! ティム・バートン監督最新作『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』

ダークファンタジー、だけど愛が詰まってる! ティム・バートン監督最新作『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』_1
ジョニー・デップとタッグを組んだ『シザーハンズ』や『チャーリーとチョコレート工場』、『アリス・イン・ワンダーランド』などで広く知られているティム・バートン監督。ワクワクするファンタジーに、ちょっぴり怖くて奇妙な世界観をプラスした作品がお得意です。これまで以上にダークな本作は、アメリカのフロリダで生まれ育った少年ジェイクが主人公。周囲になじめずにいた彼の唯一の理解者だった祖父が亡くなり、遺言に従ってウェールズの小さな島を訪れると、森の奥で古めかしい屋敷を発見。そこで暮らす美しくも厳格なミス・ペレグリンと、不思議な能力を持った奇妙な子どもたちと出会います。

まずは、題名にもなっている子どもたちの設定の奇妙さに注目。カラダの中に無数のハチを飼う少年や、見た目はお人形みたいに可愛らしいのに後頭部に口があり、鋭い歯で食べ物を丸飲みする少女、常にマスクを被った無口な双子など、思わずゾッとするルックスのキャラクターばかり。ただし、たとえ見た目はグロくても純粋で無垢なこどもたちの内面を描くことで、ちゃんとかわいらしいキャラクターに仕上げる演出には愛を感じます。と言うのも、監督自身も子どもの頃から「変わっている」というレッテルを貼られてきた人。映画では、特殊な能力を持つ子どもたちはもちろん、自身の可能性に気づいていないジェイクの成長を通して、自分にしかないありのままの個性を伸ばして人生を切り開いて行くことの愛おしさを、胸躍る大冒険と共にチャーミングに描いています。

さらに注目してほしいのが魅力的なキャスト陣。主人公のジェイクを演じたエイサ・バターフィールドは、マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』で主役に抜擢され一躍注目を集めた19歳。かわいらしい子役のイメージだったのに、『エンダーのゲーム』や『僕と世界の方程式』など次々話題作に出演し、本作では恋を通して成長していく青年の繊細な変化を見事に表現しています。今後の成長が俄然楽しみになる、美しい成長ぶりから目が離せません。さらに『007/カジノ・ロワイヤル』や『シン・シティ 復讐の女神』で知られるエヴァ・グリーンが扮する、ミス・ペレグリンもハマり役。なんとなく魔女感漂う独特のたたずまいが特徴的な人でしたが、本作ではその雰囲気が絶妙にマッチ! 子どもたちを守り抜く強く凛々しい女性像は、息を飲む美しさです。イマジネーション豊かな世界観と、実力派キャストたちの熱演に注目を。

(文/松山梢)

●公開中

©2016 Twentieth Century Fox Film Corporation.

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