誰かを抱きしめたくなる映画。高良健吾主演・『きみはいい子』

誰かを抱きしめたくなる映画。高良健吾主演・『きみはいい子』_1
最近、家族や恋人、大切な人をぎゅっと抱きしめましたか? 抱きしめられましたか? “抱きしめる”という行為は、簡単そうで実はとても難しいことかもしれません。でも、すごく意味があると思うんです。本日ご紹介する映画『きみはいい子』は、そんな抱きしめられることの大切さ、抱きしめることでつながる人との交流を描いた再生と希望の物語です。

原作は中脇初江氏の「きみはいい子」。5篇の短編からなる小説の「サンタさんの来ない家」、「べっぴんさん」、「こんにちは、さようなら」の3篇を、『そこのみにて光輝く』の呉美保監督が群像劇として描いていきます。

真面目だけど優柔不断で頼りない新米の小学校教師(高良健吾)。自身の過去のトラウマから娘に手をあげてしまう母親(尾野真千子)と彼女を見守るママ友(池脇千鶴)。認知症の一人暮らしの老夫人、彼女に毎日あいさつをする自閉症の少年……。とある町に生きる彼らの日常を通して映し出されるのは、ディスコミュニケーションが叫ばれる現代日本の風景。そこにはニュースで流れてくるような幼児虐待や育児放棄、いじめ、痴呆、独居老人といった社会的問題がありますが、この映画にはその問題とどう向きあっていけばいいのかヒントも散りばめられていて、ハッとする瞬間がいくつも訪れます。

そして思うのは、誰かを抱きしめてあげたい、自分も抱きしめられたい──。この作品を観た誰もがやさしくなれる、やさしくありたいと思えるような、そんな小さな気づきと大きな愛にあふれた映画です。

(文/新谷里映)


●6/27〜テアトル新宿ほか

ⓒ2015「きみはいい子」製作委員会

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