カンヌ国際映画祭で話題! 目が見える女と見えない男の珠玉のラブストーリー『光』

カンヌ国際映画祭で話題! 目が見える女と見えない男の珠玉のラブストーリー『光』_1
目が不自由な方のために、映画には「音声ガイド」があることを知っていますか? まだまだすべての劇場、すべての映画に投入されているわけではありませんが、セリフだけでは理解できない、映像が伝える情報を言葉で説明するナレーションです。ヒロインはこの映画の音声ガイドの仕事をしている美佐子という女性(水崎綾女)。まだ駆け出しのため、モニターを集めた音声ガイドつき映画の上映会で、視覚障碍者から「説明が多すぎて映画の“間”を感じられない」、「『生きる希望に満ちあふれている表情』という表現は、ガイドの主観が入っていて押しつけがましい」など、厳しい意見をぶつけられます。

そんな彼女が出会うのが、視力を失いゆく弱視の元天才カメラマン・雅哉(永瀬正敏)。目が見えないと成り立たない職業である彼の苛立ちと絶望は、当然美佐子にも向けられます。それでも、反発しながらも次第に惹かれあっていくふたりの関係の変化は必見。目が見えているのに過去の傷にとらわれ、大切なことから目を背けてしまっている美佐子と、目が見えなくなることで逆に本当の自分に気づき、新たな一歩を踏み出す雅哉の姿は対照的。見えている美佐子が見えない雅哉に“光”を見いだすラストシーンは、きっと心が震えるはずです。

ちなみに本作は、現在開催されているカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出されていることでも話題に。メガホンを取った河瀬直美監督といえば、1997年に『萌の朱雀』でカメラ・ドール(新人監督賞)を史上最年少の27歳で受賞し、2007年には『殯の森』で審査員特別グランプリを受賞。さらに2009年には映画祭に貢献した監督に送られる金の馬車賞を、女性として、またアジア人として初めて受賞するなど、カンヌ国際映画祭と関わりの深い、日本を代表するパワフルな女性監督です。美しく濃密なラブストーリーであると同時に、映画という芸術への愛が詰まった1本。ぜひ大きなスクリーンで体感してみて。

(文/松山梢)

●5/27〜新宿バルト9ほか全国ロードショー

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