北川景子演じる不器用な女の生き様がせつなの画像_1

北海道のススキノを舞台に探偵の活躍をハードボイルドに描いてきた人気シリーズの第3弾。この作品の魅力と言えば、おなじみの登場人物たちの個性の強さ。行きつけのバーを根城に気が向けばどんな依頼でも引き受ける大泉洋演じる探偵と、普段は飄々としているのに、実は空手の師範代でケンカが異常に強い、松田龍平演じる助手の高田の凸凹コンビは今回も健在。さらに隠れゲイの新聞記者(田口トモロヲ)やススキノの客引き(マギー)、探偵を誘惑し続ける喫茶店の看板娘(安藤玉恵)や毎回探偵を半殺しの目に遭わせる極道の相田(松重豊)など、クセのあるキャラが集結しています。 本作で探偵に舞い込むのは、高田の後輩からの「失踪した恋人の麗子(前田敦子)を捜してほしい」というオファー。ありふれた依頼だと思っていたものの、麗子の足取りを辿るうち、彼女が所属していたモデル事務所のオーナーであるマリ(北川景子)に行き着く。モデル事務所の実態は売春組織で、麗子らしき人物が殺人事件に関わっていた情報をつかむ探偵。さらにススキノの裏社会で“最悪のサディスト”と言われる北條(リリー・フランキー)率いる北條グループの影が浮上し、マリが北條の愛人だったことが明らかになる……。 シリーズ初参戦となる北川景子は、凄みさえ感じるやり手のマリをクールに熱演。ただし物語が進むにつれて意外な過去が描かれていき、儚さも感じさせる複雑なキャラクターに変化するのも見どころ。女性としての幸せをただただ望みながらも、数奇な運命に翻弄され、不器用にしか生きられなかった彼女のせつなすぎる人生に、女性なら涙するはず。巨額の麻薬取引やふたつの殺人事件など、裏社会の思惑が渦巻く血なまぐさい世界に身を置く、ひとりの女性のタフな生き様に注目です! ●公開中 文/松山梢 ©2017「探偵はBARにいる3」製作委員会

映画『探偵はBARにいる3』公式サイト