多部未華子、今月は『永い言い訳』を読了!

多部未華子、今月は『永い言い訳』を読了!_1
多部未華子、今月は『永い言い訳』を読了!_2
たべ・みかこ●女優。1989年生まれ、東京都出身。主演映画『ピース オブ ケイク』が公開中。12月6 日より長塚圭史作・演出の新作舞台『ツインズ』に出演予定

結婚……その正体とは? 未知の世界をのぞきました

 西川さんは映画監督として有名な方なので、『ゆれる』をはじめ、何作か観たことがあります。小説ではどんな世界を描かれるのだろう? と手に取りました。

主人公の津村は40代の売れっ子小説家です。しかし20年近く暮らした妻・夏子が突然亡くなってもまったく心が揺れ動かず。冒頭から主人公の強い自己愛と、他者への愛が欠落した言動に驚きました。同時に「これって一般的にリアルな感情なの?」と戸惑いが。夏子が生きていた頃、ふたりの仲が悪いわけではなかったんです。経済的にも自立しあい、ケンカも起こらない“何もない”関係。だからこそ「この人たち、なぜ結婚したの?」という不可解さが心に響きました。

 きっと私の人生経験が浅いんでしょうね。でも私、結婚にはまだ夢を持っていたくて(笑)。特に津村みたいに子どもがいない夫婦は、いつまでも恋人みたいにラブラブでいいなあって憧れていたので、津村の言動が衝撃的で……。「夫婦愛」ってどういうことなんでしょう。いちばん身近な既婚男性=父親に読んでもらい、感想を聞きたくなりました。人生を重ねた20年後に、再び読み返したいとも思います。その時の私はどんな感想を持つのかなあ? 今の自分を超えた価値観に触れるのも、小説を読む醍醐味! と感じた一作です。

『永い言い訳』西川美和

多部未華子、今月は『永い言い訳』を読了!_3
仲がさめきっていた妻を突然の事故で失った、人気作家の津村啓。死の悲しみを“演じる”しかできない津村は、妻の親友一家と懇意になるが……。人間心理の奥底に迫った物語。(文藝春秋 ¥1600)
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MORE2015年11月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック!
取材・文/石井絵里
撮影/露木聡子
ヘア&メイク/赤松絵利(esper.)
スタイリスト/轟木節子
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