20代最後の年は、やりたいことだけやるって決めてました。

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会いにいったのは、7月まで出演する舞台『ニンゲン御破算』の本番直前。多部さんは今年、3本もの舞台に出演する予定だ。

「去年、20代最後の2018年に何をしようか考えた時に、『やりたいことだけやる1年にしよう』と思ったんです。3作続けて出演するのは体力的に不安もありますが、やっぱり私は舞台が好き。どれも挑戦したい作品だったので決意を固めました」

8月からスタートする舞台『出口なし』は、哲学者サルトルの劇作家としての代表作で、密室に集められたワケありの男女3人が織りなす会話劇。今多くの俳優が仕事をしたいと熱望する小川絵梨子の演出のもと、大竹しのぶと段田安則という、演劇界を代表するふたりと共演する。

「とにかくおふたりと密にお芝居ができるのはすごく貴重だなって。今は楽しみしかないんです。お話の内容は……わかるような、わからないような(笑)。小川さんは役者と話し合いながら丁寧に演出されるそうなんですが、実は私、ディスカッションがすごく苦手で。自分の思いをうまく言葉にできないので、今回は挑戦だと思っています。大竹さんは『私もわからないから大丈夫よ』と言ってくださるんですが、本当はどうなんだろう。台本をさっと読んだだけで覚えてしまう、気が遠くなるほどの才能を持つ方(笑)。私にできるのは、とにかくがんばって台詞を覚えておくことだけですね」

自分がいちばん居心地いいと思える環境に身を置けている。

来年の1月には30歳に。26〜27歳は焦りもあったけれど、今は毎日が楽しいと目を輝かせる。

「ここ数年で人間関係をすごくシンプルにしたので、趣味や価値観が合う本当に大切な人しか周りにいないんです。自分がいちばん居心地いいと思える環境に身を置けているので、大きな感情の波もなく平和ですね。30歳になったら大好きな海外旅行にも絶対に行く予定。計画しているのはイタリアとフロリダ。あとは、友達とペルーのマチュピチュにも行きたいねと話しているところです」

1年半前の取材では、N.Y.旅行で出会った友人たちから刺激を受け、「結婚がすべてじゃないと感じた」との発言が。その考えに変化は?「ないかなあ。周りには結婚していなくても本当に幸せに生きている人たちがいっぱいいるので、それだけが大きなテーマじゃないんです。もちろんしたくないとも思わないけど、焦ってもいない。ホント何も考えてないです。でも周りの友達は絶賛焦っている時期。彼女たちからは『会うとなんか楽しそうで安心する』って言われています(笑)」


べ・みかこ●1989年1 月25日生まれ、東京都出身。今年は『ニンゲン御破算』、『出口なし』、ミュージカル『TOPHAT』(11月〜)の3 本の舞台に出演。『日日是好日』(10月13日公開)、『アイネクライネナハトムジーク』(冬公開)、『トラさん』(2019年公開)など映画出演作も待機

取材・原文/松山 梢 撮影/戸松 愛 ヘア&メイク/中西樹里 スタイリスト/轟木節子

『出口なし』は8/25(土)から公演! チケット絶賛発売中。

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窓もドアもない部屋に集められたガルサン(段田安則)、イネス(大竹しのぶ)、エステル(多部未華子)は、三つどもえの会話を繰り広げていく。◆ 8 /25〜 新国立劇場(チケットの発売は7 / 8 〜) ●シス・カンパニー ☎03・5423・5906