野田秀樹さんの代表作であり伝説。『贋作 桜の森の満開の下』が超豪華キャストで再演!【オススメ☆ステージ】

話題のステージの中から、キーワードに沿ったイチ押し舞台、そして2本のおすすめをご紹介します。

【今月のキーワード】野田秀樹の最高傑作が再び

コアな演劇ファンでなくても、演出家・野田秀樹の名前は知っているのではないだろうか。演劇シーンを牽引し続ける野田のキャリアは、80年代小劇場ブームの中心だった「劇団 夢の遊眠社」の旗揚げから始まった。その代表作であり、伝説となったのが『贋作 桜の森の満開の下』。初演は1989年。数多くの野田作品の中でも再演を望む声が最も高く、2 度の再演と歌舞伎版を経て、今年また名作が観られるというニュースに、演劇ファンは心躍らされた。野田いわく、本作は「自分の中では古典」、さらに「若い頃の稚拙さと向き合い、挑みかかり、コテンコテンにしてやろうと思っている」と続ける。野田の真骨頂である言葉遊びが光るコメント。この言葉のようにステージから発せられるウイットと示唆に富んだ台詞は、ひとつも聞き逃したくない! そして本作はキャスト勢も超豪華。妻夫木聡、深津絵里、古田新太、そして天海祐希が宝塚歌劇団を退団後に初となる男役を演じるのも大きな話題だ。野田も物語の要となる役を演じる。ステージを駆けめぐり、盛り上げてくれるに違いない。

今作の下敷きになっているのは、作家・坂口安吾の短編『桜の森の満開の下』と『夜長姫と耳男』。安吾のエッセンスを大胆に“剽ひょうせつ窃(=リミックス)”して“贋にせさく作”をつくり上げた野田は「安吾の生まれ変わり」を自称する。ふたりの根底に共通して漂うものは何なのか。観劇を前に、原作に触れおくとヒントを得られるかも。さらに野田作品は、台詞量が膨大で展開もスピーディ。特に初観劇の人には原作を読んでおくことをおすすめしたい。
【今月のイチ押し☆ステージ】「NODA・MAP第22回公演『贋作 桜の森の満開の下』」

ヒダの匠の弟子、耳男(妻夫木聡)と山賊のマナコ(古田新太)、オオアマ(天海祐希)はヒダの王(野田秀樹)の娘の夜長姫(深津絵里)と早寝姫(門脇麦)のため、仏像を彫る命を受けた。日仏連携のイベント『ジャポニスム2018』の一環でパリ公演も行われる。◆ 9 /1 ~12、11/ 3 ~25 東京芸術劇場プレイハウス(地方公演あり) ●NODA・MAP ☎03・6802・6681 ※当日券販売あり
【今月のイチ押し☆ステージ2】『桜の森の満開の下・白痴 他十二篇』坂口安吾

安吾の死後、評価が高まり代表作となった作品。山賊が、器量のよい女に惚れ、その夫を殺して妻にしたことから始まる妖艶で怪奇な物語。冒頭、山賊は桜の木をなぜか恐れるのだがやがてその理由が明らかに。(岩波文庫 ¥910)

【オススメステージは「KERA・MAP #008『修道女たち』」と「現代能楽集 Ⅸ『竹取』」】

「KERA・MAP #008『修道女たち』」

『グッドバイ』や『キネマと恋人』など近年名だたる演劇賞を受賞しているケラリーノ・サンドロヴィッチが作・演出を務める「KERA・MAP」。新作は修道女たちの群像劇。出演陣には鈴木杏、緒川たまき、鈴木浩介、犬山イヌコ、高橋ひとみら多彩な女優陣と実力派俳優が揃う。◆10/20~11/15 下北沢本多劇場(地方公演あり) ●キューブ ☎03・5485・2252
写真:撮影/久家靖秀 「現代能楽集 Ⅸ『竹取』」

シリーズ第9 弾。小林聡美、貫地谷しほりらが挑むのは、『竹取物語』が題材のおとぎ話。演出は、マイムと台詞劇を融合させた独自のスタイルで注目を集める小野寺修二。意欲作に期待が高まる。◆10/ 5 ~17 シアタートラム(地方公演あり) ●世田谷パブリックシアターチケットセンター ☎03・5432・1515

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MORE2018年10月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 原文/小泉咲子
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