話題のステージの中から、キーワードに沿ったイチ押し舞台、そして2本のおすすめをご紹介します。

【今月のキーワード】井上芳雄×生田絵梨花が歌う!

数多くのヒット作が生まれ、ますます勢いを増す日本のミュージカル。その立役者のひとりは、紛れもなく井上芳雄だろう。もし、ミュージカルの観賞経験がないなら、初めてには、ノーブルな歌声に優美な立ち姿で“リアルプリンス”の異名をとる彼の出演作を強くオススメしたい。本作は、ブロードウェイで「革新的」と評価を受け、2017年トニー賞で12部門もノミネートされた大ヒット作。ロックやエレクトロニック・ダンスで彩られたスピード感ある展開が見どころだ。ミュージカルを敬遠する人がよく口にするのが、「台詞を言っていたのに、急に歌い出すのが違和感……」ということ。その点、全編歌でつづられる本作なら、ゴージャスな舞台の世界にどっぷりつかれるのでご安心を。酒浸りのピエールを演じる井上の相手役は、乃木坂46の生田絵梨花。ミュージカル女優の道を着実に歩みつつある彼女の可憐な容姿と透き通るような歌声は、伯爵令嬢役にぴったり。デビュー以来、日本のミュージカル界を牽引してきた井上と、フレッシュな魅力の生田の化学反応に期待が高まる。

日本のミュージカルシーンは大きく、『ザ・グレート・コメット・オブ・1812』のような王道ブロードウェイミュージカルと、漫画やアニメ、ゲームを原作に持つ2.5次元系に分けられる。『MANKAI STAGE「A3!」』は、今、爆発的な人気を獲得しているイケメン役者育成ゲームの舞台化で、後者にあたる。“推し”のキャラが目の前に現れる興奮は、原作ファンにはたまらない。また原作を知らずとも役者たちがもたらす圧倒的なエンタメ性の虜になるはず!
ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812,井上芳雄,生田絵梨花
【今月のイチ押し☆ステージ】『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』

舞台は19世紀初頭、モスクワ。莫大な遺産を継いだが、酒におぼれ、むなしく生きるピエール(井上)と、婚約者とは別の男と駆け落ちを計画したが失敗に終わり、すべてを失った伯爵令嬢のナターシャ(生田)。やがてふたりの運命が重なっていく。◆1/5~27 東京芸術劇場プレイハウス ●帝国劇場内東京芸術劇場公演係 ☎03・3213・7221
MANKAI STAGE「A3!」~AUTUMN&WINTER2019~
【今月のイチ押し☆ステージ2】『MANKAI STAGE「A3!」~AUTUMN&WINTER2019~』

初舞台化のチケットが即ソールドアウトした大人気コンテンツの新作公演。2.5次元作品で活躍する役者が多数集結する。●1/31~2/11 日本青年会館ホール(地方公演あり) ◆ネルケプランニング ☎03・3715・5624

【オススメステージは『音楽劇「マニアック」』と『出口なし』】

音楽劇「マニアック」,安田章大(関ジャニ∞),古田新太,成海璃子
『音楽劇「マニアック」』

今、最も注目を集める演出家、青木豪の新作音楽劇。ブラックな笑いに溢れた本作で、安田章大(関ジャニ∞)、古田新太、成海璃子という豪華な共演が実現!  音楽担当は、日本伝統音楽とロックを融合させるバンド、浅草ジンタ。◆2/5~27 新国立劇場中劇場(大阪公演あり) ●パルコステージ ☎03・3477・5858
出口なし,サルトル,白井晃,首藤康之,中村恩恵,秋山菜津子
『出口なし』

フランスの哲学者サルトルの戯曲を、KAAT芸術監督である白井晃が演出。世界的バレエダンサーの首藤康之、ダンサー&振付家の中村恩恵、女優の秋山菜津子が、演劇とダンスの境界線を越え、体と言葉の新たな可能性を探る。◆1/25~2/3 KAAT神奈川芸術劇場中スタジオ ●チケットかながわ ☎0570・015・415

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MORE2019年1月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 原文/小泉咲子
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