【安田 顕さんインタビュー】「記憶と違う母がいて、ああ、年取ったんだなって。ふと現実に気づきました」

母を楽しませることが、モチベーションのひとつになった。

【安田 顕さんインタビュー】「記憶と違う母がいて、ああ、年取ったんだなって。ふと現実に気づきました」_1
誰もが直面する親の死を愛情深くコミカルに描いた映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』で主演を務めた安田さん。何よりまずタイトルが強烈だ。

「富士の樹海で見つけたらそりゃゾッとしますけど、育ててくれた人の骨をちょっともらっておきたいとか、体に入れてみたいっていうのは愛おしい行為だし、感覚としてわかる気がして。このタイトルにした理由をみなさんにも知ってほしいですね。ちなみに僕はチキンも骨までしゃぶる派(笑)。学生時代はチームナックスのメンバーが食べ終わった骨も『筋に残ったこれがおいしいんだよ〜』と言ってもらってました(笑)」

劇中で母親役を演じた倍賞美津子さんと安田さんのお母さんは、誕生日が同じという不思議な縁が。

「倍賞さんは僕が父について書いたエッセイを読んでくれていて、『お母さんのファンにもなったと伝えて』と言ってくれました。昨年の僕の誕生日には、母から『体に気をつけて私を楽しませてください』というメールが来たんです。ファンの方や作品や自分のことしか考えてなかった僕は、本当にダメな子供だなあと思いましたね。これからは母を楽しませることもモチベーションのひとつとしてやっていきたいです」

生まれ育ったのは室蘭市。北海道のおすすめスポットを尋ねると、迷わず地元の名所を教えてくれた。

「測量山から見る鉄工所や白鳥大橋の夜景はきれいですね。あと小学校っていう僕の母校が廃校になったんですが、全国的にも珍しい円形の校舎なんです。市民の方たちが保存しようと運動をしているんですが、どうなるかまだわからなくて。見るなら今。もし買い取ってくれと言われても、僕には無理ですから(笑)」

3年前には初主演映画『俳優 亀岡拓次』の舞台挨拶が室蘭で行われ、お母さんも駆けつけてくれたそう。

「舞台挨拶が終わって乗り込んだタクシーから、遠くに立っている母ちゃんが見えたんです。自分の中では、高校卒業までの記憶で止まっているんですよね。年齢を重ねたことはわかっているんだけど、記憶と違う母がいたというか。ああ、年取ったんだなって、ふと現実に気づきました」

実はその時、お母さんからは懐かしい“安田家の味”の差し入れが。

「北寄飯ってのがあるんですけどね。それをおにぎりにしてスタッフの方の分まで持ってきてくれたんです。ホッキ貝を4つに切ってひもも刻んで、ささがきのごぼうとしょうゆと一緒に炊き込むんです。おいしいですよ。みなさんもぜひ、ご家庭で(笑)」


やすだ・けん●1973年12月8日生まれ、北海道出身。大学時代の仲間と演劇ユニットTEAM NACSを結成。主な映画出演作は『俳優 亀岡拓次』、『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』、『愛しのアイリーン』など。映画『ザ・ファブル』が6月21日公開予定

『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』

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頼りないけれど心優しいサトシ(安田)は、母(倍賞美津子)が病を宣告されたことにショックを受けながらも、恋人の真里(松下奈緒)に支えられながら奔走することに。宮川サトシの原作を大森立嗣監督が映画化。●2/22〜全国順次公開

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