【今月のキーワード】堤×橋本、名コンビ誕生の予感!
ストッパードを語るうえで、『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』も欠かせない。シェイクスピアの『ハムレット』の終幕で、題名どおりにたった一行でその人生を片づけられてしまった脇役ふたりにフォーカスをした、現代演劇の傑作だ。日本では、2000年に生瀬勝久×古田新太、17年に生田斗真×菅田将暉で上演された。哲学的で美しいテキストは、ステージで俳優が発する台詞として触れる以外に、本で読み込むのもおすすめ。

社会の常識からはずれたというレッテルを貼られた政治犯と、精神障害を持つアレクサンドル・イワノフ。同じ名前のふたりの男が精神科病院に収監され、同室となり、それぞれの自由を主張する。演出は、英国ロイヤル・バレエ団のメンバーで、振付師としても活躍するウィル・タケット。4/20~5/7 TBS赤坂ACTシアター(ほか、大阪公演あり) ●パルコステージ ☎03・3477・5858

ストッパードの出世作を、演出家としてもファンの多い小川絵梨子が翻訳。ハムレットの学友であるがゆえに、運命に翻弄されるあわれな脇役ふたりを主人公にした物語。(ハヤカワ演劇文庫/¥1200)
オススメステージは、『こそぎ落としの明け暮れ』と『空ばかり見ていた』。

俳優・富岡晃一郎と脚本・演出家の福原充則が主宰を務める劇団『ベッド&メイキングス』。第6回となる公演は、福原が第62回岸田國士戯曲賞受賞後、初めて書き下ろした長編。注目の若手女優、安藤聖、石橋静河らが出演することでも注目が集まる。◆3/15~27 東京芸術劇場シアターイースト ●サンライズプロモーション東京 ☎0570・00・3337

何気ない言葉のやり取りの中に、人間の心理を巧みに描き出す岩松了。その新作は反政府軍という特殊な設定の中での日常を描く。首領の妹の恋人でもある兵士・多岐川役に、岩松があて書きした森田剛。勝地涼、平岩紙など演劇ファンに愛される俳優が集まり、共演者も豪華。3/9~31 Bunkamuraシアターコクーン(地方公演あり) ●Bunkamura ☎03・3477・3244
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MORE2019年4月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 原文/小泉咲子
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