公開中&近日公開予定の話題作の中から、キーワードに沿った2本のイチ押し映画と、その他のおすすめ映画をご紹介します。

【今月のキーワード】男性と賢く渡りあう術、教えます

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性差別と戦う法律家として知られるルース・ベイダー・ギンズバーグは1973年、最高裁での弁論で、女性解放運動家のサラ・グリムケの言葉を引用し、「男性のみなさんお願いです。私たちを踏みつけているその足をどけて」と語った。コロンビア法科大学院を首席で卒業したにもかかわらず、女性であることを理由に弁護士事務所から落とされ続けた彼女が、いかにして最高裁判事に上り詰めることができたのか。そしてなぜ、彼女のイラストがプリントされたグッズが販売されるほど、国民的人気を誇るポップアイコンになったのか。映画では猛烈な努力を重ね、気の遠くなる時間をかけて司法と戦ってきたルースの半生が貴重な映像と共に描かれる。でも意外なのは、アメリカ屈指のパワーウーマンの素顔がシャイで控えめだということ。正反対の考えを持つ保守派の男性判事とも、オペラという共通の趣味で友人になってしまう人間性は最高にチャーミング。「淑女であれ、そして自立せよ」、「議論に勝つには怒鳴らないこと。怒れば自滅する」などの名言にこめられた、後輩へのエールは必見。

【今月のイチ押し★シネマ1】『RBG 最強の85才』

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1993年にビル・クリントン大統領に指名されてから現在に至るまで、最高裁判事として活躍し続けているアメリカで最も尊敬されるパワーウーマン、ルース・ベイダー・ギンズバーグに迫ったドキュメンタリー。●5/10〜ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開 ©Cable News Network. All rights reserved.

【今月のイチ押しシネマ2】『ビリーブ 未来への大逆転』

現在公開中の『ビリーブ 未来への大逆転』は、ルースの甥が脚本を担当し、『博士と彼女のセオリー』のフェリシティ・ジョーンズをルース役に据えて映画化したもの。大学に入学し、夫と出会い、子育てをしながら初めて男女平等を訴える裁判に挑んだ様子がドラマティックに描かれる。ちなみに夫を演じたのは『君の名前で僕を呼んで』のアーミー・ハマー。自身も優秀な弁護士だった夫がルースを全力で支えようと尽力する姿が素敵すぎ!
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貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース(フェリシティ・ジョーンズ)は1956年、名門ハーバード法科大学院に入学する。当時500人の生徒のうち女性は9人しかいなかった。●全国公開中 ©2018 STORYTELLER DISTRIBUTION CO.,LLC.

【まだまだあります、おすすめシネマ!】『アメリカン・アニマルズ』と『コンフィデンスマンJP』

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『アメリカン・アニマルズ』
平凡な大学生が時価12億円のヴィンテージ本を狙った実際の強盗事件を映画化。本物の犯人たちが劇中に登場して当時を回想するなど、観たことのない展開に度肝を抜かれる。●5/17〜新宿武蔵野館ほか全国公開 ©AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018
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『コンフィデンスマンJP』
ダー子(長澤まさみ)率いる3人の信用詐欺師たちの活躍を描いたドラマの映画化。標的は香港マフィアの女帝(竹内結子)が持つ伝説のダイヤ。だがダー子の元恋人と名乗る詐欺師ジェシー(三浦春馬)が登場し物語は恋愛がからんだ想定外の展開に!? ●5/17〜全国公開 ©「コンフィデンスマンJP」製作委員会

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MORE2019年6月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 原文/松山 梢
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