“男ってバカだなぁ”。クスッと笑って、そう思ってもらえたらうれしい。

【賀来賢人さんインタビュー】30歳を目のの画像_1
今や〝コメディ俳優〟の代名詞。端正な顔から繰り出される変顔をはじめ、炸裂するコメディセンスに魅了される人が後を絶たない。実はこの状況は、賀来賢人さん本人が「狙っていた」ことだったという。

「舞台では古田新太さんや池田成志さんっていう、とんでもない先輩たちと喜劇をやってきた経験値があるので、ここ1〜2年でもっと多くの人に向けた映像作品でコメディをやっていこうっていうキャンペーンをしてました。キャラづけできたことはすごくうれしいですね。太賀からは“国民のおもちゃ”っていう謎のあだ名をつけられましたけど(笑)」

待望の新作は、人気青春コミックをドラマ化した『アフロ田中』。

「でもベースは僕演じる恋愛経験ゼロの田中と夏帆ちゃん演じるマキのラブストーリー。自発的にふざけるよりも、マキちゃんに対する田中の必死さにクスッと笑ってもらいたかったので、あまり狙わずに演じました。成長しては後退する不器用な田中を見て『男ってバカだなー』って思ってもらえたらうれしいです」

イカ天がかみ切れず恥ずかしさから居酒屋を飛び出してしまったり、ラーメンを気管に詰まらせて吹き出したり、マキのドジっぷりも笑える本作。彼女の緊急事態に直面した田中の対応が残念なのも、もどかしい。

「難しいですよね、男と女って。僕も墓穴掘っちゃうこともあるし、いまだにわかんないです。まあ、顔にラーメンを吹き出されても笑ってフォローすると思いますけどね、好きな子なら(笑)。もし田中に恋愛相談されたら『突進あるのみ』って言うと思います。駆け引きなんて男はできないんですよ、バカだから(笑)。僕のリサーチによると、女性は直球勝負がいちばんうれしいはずです!」

7月3日の誕生日には、待ち望んでいたという30歳に。20代は想像していなかったことがたくさん起きたと語り、「まさか結婚して子供ができるなんて思ってなかったですもん。人生ってわかんないもんですよね」と笑う。誕生日の2日後には、福田雄一さん演出、ムロツヨシさん主演の舞台『恋のヴェネチア狂騒曲』の初日も控えている。

「好きな先輩たちと30代のスタートが切れることはうれしいですね。誕生日の予定はなんもないですよ。僕、自分の誕生日が苦手なんです。朝起きてからずっと『祝われるかも』って思っちゃうじゃないですか。それで祝われなかった時の変な感じといったら(笑)。だから今年も期待してないです! したくないです! ……ただ、30歳ですからねえ(笑)」


かく・けんと●1989年7月3日生まれ、東京都出身。2007年にデビュー後、ドラマ『花子とアン』、『Nのために』、『今日から俺は!!』、映画『斉木楠雄のΨ難』、『ちはやふる-結び-』などに出演。7月5日から舞台『恋のヴェネチア狂騒曲』に出演。映画『AI崩壊』が2020年に公開予定

WOWOWオリジナルドラマ「アフロ田中」

【賀来賢人さんインタビュー】30歳を目のの画像_2
アフロという強烈な見た目とは裏腹に、22歳にして彼女ナシ・童貞の田中(賀来)は、合コンで出会った美人OLマキ(夏帆)との距離を縮めるため奮闘する。7月5日より毎週金曜深夜0時〜、WOWOWプライムにて放送。(全10話・第1話無料放送)
取材・原文/松山 梢 撮影/伊藤大作(The VOICE) ヘア&メイク/Toshihiko Shingu (VRAI Inc.) スタイリスト/坂上真一(白山事務所) ©のりつけ雅春/小学館 ©2019 WOWOW