おっとりしたお嬢様。そんな自分のイメージを変えてみたい。

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幼少期からピアノやクラシックバレエを嗜み、乃木坂46随一の歌唱力の持ち主。その立ち居振る舞いには、常にどこか上品さが漂う。そんな生田さんがミュージカル『キレイ—神様と待ち合わせした女—』出演への意気込みを語ってくれた。

「今まで人を恨む役とか貧しい役はやったことがなくて、どちらかというと恵まれたお嬢様の役が多かったんです。まわりからも『いくちゃんはそういうイメージだよね』って言われたりして、内心『実際はそうでもないんだけどな』って(笑)。だから、自分の何を変えれば、人から違う印象を持たれるのかに興味があるんですよね。今回の作品を通して私のイメージが一変してもおもしろいし、私自身も新しい自分に出会えるのを楽しみにしているんです」

今作で生田さんが演じるのは、お嬢様役とはかけ離れた、民族解放軍を名乗るグループに10年監禁され、すべての過去を忘れた少女・ケガレ。役柄に共感するところを尋ねると、「私もすぐ忘れちゃうんですよね」という、なんとも可愛らしい答えが。

「どのバッグに何を入れたかわからなくなるのは、しょっちゅう(笑)。それ以外にも、面倒なことやいやだった記憶は意識的に消しちゃっているのかもっていう見方をすれば、そういう過去を受け入れて前に進んでいこうとするケガレは強いなと思うし、観てくださる方にも響くものがあるんじゃないかなという気がします」

生田さんといえば、乃木坂46としてのグループ活動と並行してミュージカル『ロミオ&ジュリエット』や『レ・ミゼラブル』の舞台に立つなど、その多忙ぶりがメディアでもたびたび話題に。そんな彼女はオフの日でも予定をつめ込んでしまうことが多いようで……。

「先日お休みをいただいてハワイに行ってきたんですけど、帰国したその足で『レ・ミゼラブル』の打ち上げへ。大きなスーツケースを持っていても、私ってけっこうアクティブなんだなって思っちゃいました(笑)」

そんなふうに日々を充実させるパワーの源は、大好きな仲間とたくさん笑うことなのだとか。

「実は、ハワイ旅行中に大事にしていたものをなくしてしまって、けっこう沈んでいたんです。でも、一緒に行った木南清香ちゃん、昆 夏美ちゃんと『なくしたものはまた買えるけど、一緒に過ごしたかけがえのない時間はお金じゃ買えない!』って盛り上がるうちに、すっかり元気に。笑うことの大切さをあらためて実感した旅になりました」


いくた・えりか●1997年1月22日生まれ、ドイツ・デュッセルドルフ出身。乃木坂46のメンバーとしても活躍中。多数のミュージカル作品にも出演。2020年3月にはミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド〜汚れなき瞳〜』、7月には『四月は君の嘘』への出演が控える

『キレイ ―神様と待ち合わせした女―』

【生田絵梨花さんインタビュー】ミュージカの画像_2
100年にわたって民族紛争が続く、もうひとつの日本。少女・ケガレ(生田)は、さまざまな仲間と出会い、忌まわしい過去と向きあうことになる。◆12/4〜29 Bunkamuraシアターコクーン(地方公演あり) ●Bunkamura ☎03・3477・3244
取材・原文/吉川由希子 撮影/角田 航 ヘア&メイク/吉田真佐美 スタイリスト/鬼束香奈子 ブラウス¥7800/リリー ブラウン