話題のステージの中から、キーワードに沿ったイチ押し舞台、そして2本のおすすめをご紹介します。

【今月のキーワード】生田斗真が義経のニセモノに!?

劇団☆新感線といえば、2018年末まで360度客席が回転するアジア初の劇場、IHIステージアラウンド東京で約2年間ロングラン上演してきた、今最も人気のある劇団のひとつ。旗揚げ39周年となった2019年には、サンキュー興行として大阪、金沢、松本でいのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』を上演してきたが、2020年の春、ついに東京と福岡で上演される。いのうえ歌舞伎とは、神話や史実などをモチーフにした時代活劇シリーズのこと。今回主人公に抜擢された生田斗真は2016年上演の『Vamp Bamboo Burn〜ヴァン!バン!バーン!〜』以来4度目の新感線出演となるものの、いのうえ歌舞伎の作品に主演として挑むのはこれが初めて。替え玉説や影武者説などミステリアスな伝説が多い歴史上の人物・源義経の“ニセモノ”に扮し、正義感にあふれた明るくて憎めなくておバカなのにカッコいい、チャーミングな主人公を熱演する。新感線らしいくだらない笑いもふんだんに取り入れながら、華麗な立ち回りや歌もたっぷり楽しめるエンターテインメント大作。舞台上から発せられる、強烈なエネルギーを体感するべし。

劇団の座つき作家・中島かずきは、今作だけでなく、これまでにも関東から東北を舞台に多くの作品を書き続けてきた。2002年初演の『アテルイ』も同様で、蝦夷を支配下に置こうとする大和の武官・坂上田村麻呂と、蝦夷をまとめていた阿弖流為との熾烈な戦いを舞台化。2015年には歌舞伎化にも挑戦し、市川染五郎(現・松本幸四郎)ら人気歌舞伎俳優を多数起用し、同じく新感線のいのうえひでのりが演出を手がけ大きな話題を呼んだ。
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【今月のイチ押し☆ステージ】劇団☆新感線39興行・春公演『偽義経冥界歌』
奥州三代と義経黄金伝説をモチーフに、義経を過って殺してしまい、偽義経になりきる主人公を生田斗真が演じる。ほかにもりょう、中山優馬、藤原さくら、粟根まこと、山内圭哉、早乙女友貴、三宅弘城、橋本さとしなど魅力的な俳優が集結。◆2/15〜3/24 TBS赤坂ACTシアター(福岡公演あり) ●サンライズプロモーション東京 ☎0570・00・3337
(C)2019-2020『偽義経冥界歌』
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シネマ歌舞伎 『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』
七代目市川染五郎が蝦夷の長・阿弖流為を、中村勘九郎が坂上田村麻呂を熱演。ダイナミックに立ち回るふたりの姿は観るだけで血が沸き立つ! 通常版DVD¥7040(税込) 発行・販売元:松竹
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オススメステージは、『ピサロ』とミュージカル『アナスタシア』。

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『ピサロ』
1985年にPARCO劇場で上演された伝説の舞台が、新生PARCO劇場のオープニング・シリーズ第一弾として登場。粗野なスペイン将軍のピサロに扮するのは日本が世界に誇る名俳優、渡辺謙。渡辺が35年前に演じた帝国2400万人を従えるインカの王アタワルパを今注目の宮沢氷魚が引き継ぐ。◆3/13〜4/20 PARCO劇場 ●パルコステージ ☎03・3477・5858
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ミュージカル『アナスタシア』
1997年公開のアニメ映画に着想を得て制作されたブロードウェイミュージカルを、本国スタッフと日本人キャストで上演。記憶を失いながらも過去と愛する家族を見つけるために奮闘する主人公のアーニャを、葵わかなと木下晴香がダブルキャストで演じる。◆3/1〜28(大阪公演あり) ●東急シアターオーブ 渋谷ヒカリエ11階 ☎0570・077・039
原文/松山 梢