【石原さとみさんスペシャルインタビュー】失敗を恐れず前向きに乗り越える。仕事観や人付き合いで訪れた変化とは?

今だからこそ聞きたい。HAPPYなメッセージにあふれた石原さとみさんの言葉

やわらかく、しなやかに、変化し続ける人。彼女は今、何を思い考えどんな時期にいると感じているのだろうか。2020年、さらにアップデートした石原さとみさんの進化論。

【MORE5月号掲載】

最近、不思議と周りから悩みを相談されるんです

【石原さとみさんスペシャルインタビュー】失敗を恐れず前向きに乗り越える。仕事観や人付き合いで訪れた変化とは?_1
「仕事仲間や昔からの友達……相手はさまざまなのですが。今年に入ってから急に、不思議と周りから相談されることが増えたんです」

最近の変化について尋ねると、飛び出したのがこの言葉だった。

「ひとりひとりの悩みと向きあいながら励ましの言葉を考える、最近はそんな毎日を送っていて。いろんな人がいる中で私を頼ってくれる、それはとてもうれしいことですよね。その気持ちに応えたいからこそ、私も真剣に答えを考えるし、解決の糸口を私なりに懸命に探します」

アドバイスをする時、石原さんが大切にしているのが「相手に合った言葉を探すこと」。

「『逃げるクセがあるから、ちゃんと向きあったほうがいいと思うよ』なんて、ウイークポイントをハッキリ伝えたほうが響く人もいるけれど、なかには傷ついてしまう人も。その場合は短所を指摘するよりも長所を引き出すような言葉をかけるようにしたりね。ただアドバイスを届けるだけでなく一緒に考え、寄り添いながら答えと言葉を探す。最後にはその人にちゃんと前を向いてほしいから」

他人の悩みにも手を抜かない、100%全力で向きあう、それが石原さとみ流の悩み相談。大変じゃないですか? と尋ねると「全然!! それどころか、自分のプラスになることがとても多くて」と微笑む。

「相手の悩みを掘り下げて考えると自分も新たな気づきに出合えたり、より深くものごとを考えることができるようになったり……。そこで、思い出したのが尊敬する先輩の『誰かひとりをトコトン大切にするのもいいことだけど、多くの人の心を受け入れ、自分の中に入れることで、人間力は養われるんだよ』という言葉。まさに今、それを実感している最中。大変どころか、私自身、成長させてもらっているような感覚なんです」

ニット¥39000/コロネット(エアロン) スカート¥30000/UNIT&GUEST(バウム・ウンド・ヘルガーデン) 靴¥17000/オデット エ オディール 新宿店(オデット エ オディール) イヤリング¥73000/KAORU ルミネ有楽町店(KAORU) バングル¥29500/ザ ストア バイ シー 代官山店(マラムクス)

変化を恐れるのはもったいないしつまらない

突如訪れた変化も、しなやかな心で受け止める。そんな石原さんでも“変わること”に対して臆病になる瞬間はあるのだろうか。たとえば、年齢や経験を重ねるにつれ“挑戦して失敗すること”が怖くなったり、いつの間にか自分の中にできた「こうじゃなきゃいけない」ルールにとらわれてしまったり……。

「経験を積み重ねる中で“こうしたほうがいいんだな”と学ぶことは多多あります。それはとても大切なこと。でも、“こうじゃなきゃいけない”というルールはつくらないかな。だって、そんな決まりをつくってしまったら、つまらなくないですか? 駅に行くにはこの道がいちばん早いのはわかってる、でも、ときには違う道を歩いてみる。自分にはピンクの口紅が似合うのを知っているけど、赤い口紅も引いてみる。コーヒーが好きだけど今日は紅茶を飲んでみる……。決めつけずに挑戦する、小さなことでもいいから冒険してみる。それが新たな発見を届けてくれたり、世界を少し広げてくれることも。結果“違ったな”でもいいと私は思うんです。自分の心が何にどう動くのか知ることができるから。決まりごとをつくってしまうと“それだけ”になってしまう。世界が狭まるだけじゃなく、心もどんどん鈍感になってしまうような気がするんです」

“やりたいこと”を自分の中に持ち続ける

【石原さとみさんスペシャルインタビュー】失敗を恐れず前向きに乗り越える。仕事観や人付き合いで訪れた変化とは?_2
そして「私がそう考えるのは“自分に飽きたくない”という気持ちが強いからなのかもしれない」と続ける。キャリアを重ねるにつれ“初めて”が減っていく。それはどの仕事も同じ。いつまでも飽きずに新鮮な気持ちで向きあうために意識していることはありますか? と、石原さんに尋ねるとこんな答えが返ってきた。

「“やりたいこと”を自分の中に持っておくこと。それは大切にしています。今すぐには無理でもいつか実現するかもしれない。その気持ちがあるだけで“これがつながるかもしれない”と仕事を頑張ることができたり、“同じ”と感じるものの中にも自分を成長させるための何かを見つけようと視点が切り替わったり。目の前の景色が変わると思うんです」

同じことの繰り返しにするのか、成長するためのステップに変えるのか、それは自分次第。常にいくつもの“やりたいこと”を自分の中に持ち続けている石原さん。ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』もそのひとつ。

「以前から、人を支える仕事に興味があって。医療関係の作品にも、また挑戦したいと思っていたんです」

今作で石原さんが演じているのは8年目の薬剤師・葵みどり。

「薬剤師の仕事について知りたくて、撮影に入る前に友達と現役の薬剤師さんと食事をしたんです。そうしたら、偶然にも、私が演じるみどりと重なる部分がとても多くて!! 何を考えどんな生活を送っているのか、いろんな話を聞いたのですが、特に印象的だったのが『原作マンガが私のバイブルなんです』という彼女の言葉。薬剤師はなかなかスポットが当たらない仕事。それがマンガやドラマになるのはとてもうれしいと言ってくれて。私自身、今作に出合うまで知らなかった、多くの人を支えているこの仕事の大切さをあらためて痛感しました」

生活習慣を変えてエネルギーをチャージ

ドラマでは多くの人を支える職業を演じ、プライベートでも悩み相談に乗り周りの人を支える日々。まるで“支える”がテーマになっているような石原さんの2020年。

「年上の幼なじみからはこんなことを言われたんですよ。最近、頼られることが多くてうれしいと話したら『別に普通のことじゃない? もう周りに甘える年齢じゃないよ』って(笑)。たしかに、年齢的なものもあるのかもしれないけど、人を支える側に全力を注げるのは、自分の中に悩みがないからなのかもしれない。今の私はとてもいい状態で……。年が明けた時にふと思ったんですよ。“私、今年、いいかもしれない”って。何か理由があってそう思ったわけじゃなく、あくまでも感覚的なものなんですけど。去年より今年のほうが百倍いい、いいことも悪いことも、いろんなことがあるだろうけど、今の私は余裕でそれを乗り越えることができる気がするって。なんの根拠もないのに(笑)」

そう笑いながら「気持ちが前を向いているのは、エネルギーをチャージできたのも大きいのかもしれないですね」と言葉を続ける。

「昨年、舞台をきっかけに生活習慣がガラリと変わったんです。ベランダに出て深呼吸したり、朝食を作って食べるのが日々の習慣に。SNSやネットから離れて自分の時間を大切にするようにも。日々の生活がグッと豊かになったんです、家で過ごす時間が以前よりも好きになって……。そうそう、実は昨日、部屋の模様替えをしたんです。ダイニングテーブルで食事をしている時にふと“なぜ、私は誰もやってこない、開くことのない、部屋のドアを眺めながらゴハンを食べているんだ?”と思って(笑)。すぐさま、テーブルを窓が見える位置に移動。それをきっかけに大がかりな模様替えがスタート。今日は外を眺めながら朝食を食べることができた。より居心地のよい空間が生まれました(笑)」

変わりたいけど変われない時もある

充実している日々の生活を楽しそうに語りながら「自炊を始めたおかげで料理の腕が上がって。今、何を作ってもおいしいんです」と笑う。

「生活はすべての基盤。そこが整ったことで自分自身のベースも揺らがなくなりました。それがしっかりしているからこそ、今の私は前向きな気持ちや余裕を抱くことができているのかもしれない」

同じ場所にとどまらない、変化を恐れず受け入れながら、やわらかくしなやかに進化し続ける石原さん。

「柔軟に変わっていくことは大切だけど、変わらずに大切にしていきたいものもあります。たとえば、好奇心や知識欲を持ち続けること、自分の心に敏感であること……たくさんあるけど、いちばんはやっぱり“人”。周りの人を大切にする気持ちは変えたくないって思う。頼ってくれる人がいるから成長できたり、支えてくれる人がいるから頑張れたり、人がいてこその私なので。

ちなみに“変わることは大切だ”と語っておきながらなんですけど……。“変えたい、変えたい”と思っているのに、それをついつい放置してしまい“私ってダメだな”と落ち込む。そういうことも、たまにあるんです(笑)。そんな時に救ってくれるのもまた人で。気持ちが切り替わらない時はすぐに友達に連絡。『ダメな私の話を聞いて!』と吐き出すんです。すると『そんな日もあるよねぇ。私なんてもっとダメだよ』と何倍ものダメ話が返ってきたりして。それを笑いながら聞きつつ、どこかでホッとしている自分がいたりしてね(笑)」
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PROFILE
いしはら・さとみ●1986年12月24日生まれ。昨年は舞台『アジアの女』での好演が大きな話題に。ドラマ、映画、舞台など幅広いフィールドで活躍。デビュー以来、第一線を走り続ける、世代を問わず多くの人から愛される実力派女優

アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋
「薬は患者の今後の生活につながるからこそ、その人自身を知る必要がある。それが、薬剤師にとって何より大切なこと」という信念で仕事と向きあう葵みどり。彼女の真摯な姿を追いながら、知られざる病院薬剤師たちの舞台裏を描いていく。(フジテレビ系・ドラマは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、初回放送日未定)

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