2020年上半期★最新Kエンタメを語りつの画像_1
Photo:Getty Images
映画『パラサイト 半地下の家族』やNetflixドラマ『愛の不時着』が大ブームを巻き起こし、韓国エンタメが、世界においてその存在感を高めた2020年上半期。DAILY MOREでは、これから4回に渡って、音楽、ドラマ、映画、文学など、各分野で質の高い作品を生み出し続ける、Kカルチャーの「今」に迫る記事を配信! Kエンタメの最新の楽しみ方を、全方位からお届けします♡ もともとKカルチャーのファンも、今まさにハマり始めている人も必読ですよ!

座談会メンバー
編集T:MOREで韓流アーティスト・俳優の取材、Kビューティのページなどを担当。最近の楽しみは、『Nizi Project』や『Road to Kingdum』、『I-LAND』などのKアイドル育成番組の平行チェック。
編集A:MORE世代のKエンタメ初心者。初めて最後まで見た韓国ドラマが「愛の不時着」。『Nizi Project』は毎回泣きながら観るほどどハマりし、もっぱらKエンタメ沼に落ちている最中。
ライターK:音楽を中心に、国内外のカルチャーシーンに関する記事の執筆を行う。K-POPにも精通し、去年まではライブのために渡韓するほど公私ともに情熱を注ぐ。

第1回目は、MOREスタッフの座談会からスタート!

編集T:日本では第三次韓流ブームとも言われているけど、特にここ数年、音楽、ドラマ、映画、文学まで韓国から生まれるあらゆるエンターテイメントの世界的な躍進ぶりには、驚かされてばかり。2020年の上半期もその勢いはすごかった!

編集A:韓国エンタメはノーマークだった私でも、今年に入ってから映画『パラサイト』、Netflixドラマ『愛の不時着』や『梨泰院クラス』、オーディション番組『Nizi Project』といったキーワードをよく耳にするようになって、何でこんなに話題に? どこが面白いのだろう? と、Kエンタメがすごく気になり出しています!

編集T:今やKカルチャーファンに限らず、日常的に話題に出てくるようになったよね。

映画『パラサイト 半地下の家族』が証明した韓国エンタメの底力

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写真左端がチェ・ウシクさん、左から四人目がパク・ソダムさん
Photo:Getty Images


ライターK:まずは何と言っても、ポン・ジュノ監督の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が、米・アカデミー賞で4部門を受賞したニュースは忘れられない! 何がすごいって、外国語映画賞部門だけでなく、最も栄誉ある作品賞も受賞したこと。これは、アジア映画史上初の快挙


編集T:中継を見ていたけど、プレゼンターが「パラサイト!」と読み上げた瞬間、鳥肌が立った!

ライターK:さらに注目すべきはポン・ジュノ監督の受賞スピーチ。アカデミーの前哨戦とも言われるゴールデングローブ賞にも輝いた時の「Once overcome the one inch tall barrier of subtitles, you will be introduced to so many more amazing films.(高さ1インチの字幕を乗り越えれば、たくさんの素晴らしい映画に出合える)」という監督のスピーチには胸を打たれた。監督賞を受賞した時の、映画人への尊敬の念を語ったスピーチも素晴らしかったし、言語の壁を乗り越え、世界的に認められた監督が紡ぐこの言葉は、説得力と重みを感じる!

編集A:でも、どうして『パラサイト』は言語の壁を乗り越え、多くの賞に輝くことができたんですかね?

編集T格差社会をシリアスとユーモアの絶妙なバランスで描いたオリジナル脚本、精緻な画作り、そして、俳優の演技が評価されているよね。映画を構成する要素のひとつひとつが秀逸だったな〜。あらゆるシーンに現代社会に対するメタファーがちりばめられていて、見返すたびに新しい発見があるよ。

ライターK:注目すべき要素がありすぎて、1度観ただけでは拾いきれない! 『パラサイト』だけでなく、韓国の映像作品が世界的にムーブメントを巻き起こしている理由のひとつは、社会問題などの時事性を作品に盛り込むのが上手いということ。ポン監督の過去作を観ても、実際にあった事件をベースにしていたりね。でも、エンターテイメント性も兼ね備えている。そのバランスが、世界中の人を魅了しているんだと思うな。

編集T:私は半地下家族の長男役、チェ・ウシクさんが、気になる俳優のひとりだったんだ。彼はもちろんのこと、登場する俳優さん全員の演技の素晴らしさに圧倒された! 作中でのラップが話題になった妹役のパク・ソダムさんは、まさにMORE世代。今後キャリアをどう重ね、どんな演技を見せてくれるのか目が離せないよね。ちなみに今回、『パラサイト』の俳優陣は、米映画俳優組合のスクリーン・アクターズ・ギルド・アワードのキャスト賞も受賞したんだよ。

編集A:世界的にも彼らの演技力の高さが認められたんですね!

早くもパラサイト超えと話題! 韓国映画『はちどり』が見逃せない!

ライターK:そう、世界のお墨付き。演技力の高さといえば、6月20日から全国順次公開の映画『はちどり』という韓国映画をぜひ観て欲しい! 昨年公開された韓国では、『パラサイト』超えと言われるほど話題を集めたの。1981年生まれのキム・ボラ監督の少女時代の話がベースになった物語で、主演を務めた2003年生まれのパク・ジフさんのみずみずしく、儚い演技が素晴らしくて。メディア界隈の人たちの間では、今年のベスト5の作品に入ると言っている人が多い衝撃作!

編集A:(予告鑑賞中)。主演の女の子、吸い込まれるような魅力を感じますね。絶対チェックします!

人気アーティストによる次世代型オンラインライブコンサート開催!

編集A:新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全世界で相次ぐコンサートの中止は残念でしたね……。

編集T:そうなの~! 私も行く予定だったライブが軒並み中止になって落ち込んでいたけど、東方神起やNCTが所属する事務所、SM ENTERTAINMENTが、有料のオンラインコンサート「Beyond LIVE(ビヨンド ライブ)を開催してくれて元気になった♡

ライターK:おこもり生活が続いて、推しに会えない日々に差した一筋の光だったよね! Aちゃんにもう少し詳しく説明すると、「Beyond LIVE」は、全世界同時生中継型のコンサート。AR技術を用いた華やかなステージ演出や、生中継映像とファンのペンライトをリアルタイムで連動させるといった最先端技術を活用した、まさに次世代を象徴するオンラインライブなの。4月26日のSuperMを皮切りに、WayV、NCT DREAM、NCT 127、東方神起、Super JUNIORといったアーティストが公演を行なったんだよ。

編集T:自分と同じように自宅からライブを楽しんでいる世界中のファンが、いろんな言語でチャットにコメントを寄せている様子や、ファンからの画面越しの質問に直接アーティストが答えるという新しいコミュニケーションの形を目の当たりにして、今の厳しい状況を、音楽を通してみんなで乗り越えようという一体感に心が震えたな。

MORE世代女子を続々トリコにしている、NCT 127も圧倒的なパフォーマンス力を披露!

編集T:K-POP界で先陣を切って、新しいライブの形に挑戦する姿勢、開催までのスピード感、回を重ねるごとに進化する演出、新形態ライブにも適応するアーティストの努力と高いパフォーマンス力、あらゆる面で刺激を受けた! 初回から毎公演チェックしていたけれど、去年、MORE1月号で表紙を飾ってくれたNCT 127の公演は特に記憶に残ったな♡ 新曲『Punch』の初パフォーマンスを、全世界のシズニ(NCTのファンの総称)と一緒に観られたことにすごく感動した。
  • 最新曲『Punch』や『英雄;Kick it』などを披露。楽曲に合わせて、ボクシングリングのARなどがお目見え。楽曲世界への没入度をUP!
  • 「過去のライブツアーで、“もっと近くで見たい!”と感激した、ジャングルジムを使ったパフォーマンスを画面越しの特等席で観賞できて最高でした♡ ライブチャットで同じ想いを共有しているシズニを見つけて、幸せ倍増!」(編集T)
ライターK:初披露は沸き立った! あと、ライブ冒頭から韓国語・日本語・英語の3言語で楽曲披露をしたり、MCでは、メンバーがあらゆる言語で挨拶やファンと交流していたりするのを見て、彼らがグローバルアーティストだってことを改めて実感した。ちなみに、NCT 127のライブは、約10万人が観ていたんだって!

編集A:す、すごい数! 世界を舞台に活躍するアーティストだからこその結果ですね。

編集T:定期的に開催して欲しいなぁ~! これからさらに技術革新も進むと思うし、アーティストがどんな表現を見せてくれるのか楽しみ♪

JO1やNizi Project。日韓コラボプロジェクトがアツい!

編集T:今年の話題といえば、3月に「PROTOSTAR」でデビューしたボーイズグループ、JO1もハズせないよね。世界で社会現象を巻き起こした韓国発オーディション番組「PRODUCE 101」の日本版「PRODUCE 101 JAPAN」(通称・日プ)で、101人から選ばれた11人!

編集A:すでにいろんなメディアで活躍していて、勢いがすごいですよね!

胸にささる言葉に働く女子も励まされる! 「ニジプロ沼」が社会現象に!

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「Nizi Project」Part 1~2 Huluで配信中!
©Sony Music Entertainment (Japan) Inc./JYP Entertainment. 

ライターK
:日プもそうだけど、最近は、日韓がコラボレーションしたサバイバルオーディション番組が増えているよね。私が今、ハマりにハマっている、Huluで配信中の「Nizi Project」(通称・ニジプロ)もそう。
日本のソニーミュージックとTWICEやGOT7が所属する韓国の事務所・JYPエンターテインメントがタックを組んだ、日本発のグローバルガールズグループを作る壮大なプロジェクト。パート1の東京予選では、優秀者に贈られるキューブ獲得を目指して、ダンス・歌・スター性・ショーケースという4つの課題に挑戦していくのだけど、才能溢れる女の子たちが、歌にダンスと、自己研鑽する姿に胸を打たれる~!

編集T:今まで、韓国エンタメにそこまで関心がなかった友達も、”ニジプロ沼”にハマる人が続出していて、みんな毎回、泣いちゃうって言ってる!

編集A:私も友達にすすめられて見はじめたのですが、涙なしでは語れないくらいひとりひとりの成長に感動します! あと、彼女たちがオーディションで披露していた、2PMやTWICE、ITZYといったすでに第一線で活躍しているK-POPアーティストの楽曲も聴くようになりました。

ライターK:本家のすごさも感じられる機会にもなっているよね! 私は特に、審査員であるプロデューサー・J.Y. Parkさんの厳しさと愛にあふれる講評のトリコ。「スター性というのは特別な何かに恵まれていることではなく、自分のどんなところが特別なのかを知ること。すべての人は特別なので」、「才能がある人が夢を叶えられるわけではありません。自分自身に毎日ムチを打って、自分自身と戦って毎日自分に勝てる人が夢を叶えられます」とか、アイドルを目指していない私たちでも大切にしたいと思える金言に、うならされるばかり。

編集T:仕事のモチベーションが上がるよね。いよいよクライマックスに向かっているから、今は彼女たちのデビューが待ち遠しい!

談義はこのあとも遅くまで続きました。次回は、「K-POP」をテーマにお届けします!

取材・文/海渡理恵