善悪の境界線を問う骨太映画! エミリー・ブラント主演の『ボーダーライン』

善悪の境界線を問う骨太映画! エミリー・ブラント主演の『ボーダーライン』_1
『プラダを着た悪魔』で主役のアン・ハサウェイを押しのけ、一躍注目を集めたのはもう10年前! 美人女優のエミリー・ブラントが主演を務める本作は、アメリカとメキシコの国境地帯で起こる麻薬戦争を描いた超骨太なクライム・アクションです。ベニチオ・デル・トロやジョシュ・ブローリンら濃ゆ〜いおじさまキャストの中で紅一点。社会のモラルや法律がまったく通じない無法地帯でひとり正義を貫こうと奮闘し、葛藤するFBI捜査官のケイトを泥まみれになりながら熱演しています。

舞台はメキシコ国境の街、フアレス。なぜか作戦の詳細を教えてもらえないまま、メキシコの麻薬組織撲滅チームにスカウトされたケイトは、人間の命が簡単に失われる街の恐ろしい実態と、市街地でもかまわず銃撃戦を繰り広げるチームの荒っぽい方針に愕然。麻薬戦争の想像を絶する現実とチームの本当の目的、そして自分がスカウトされた理由を知った彼女は、善と悪のボーダーラインに立たされることに……。

監督したのは『灼熱の魂』や『プリズナーズ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。息苦しくなるほど細やかな心理描写と圧巻の映像美で知られるカナダの俊英です。本作では激しい銃撃戦や大量の死体など、手に汗握るスリリングな非日常が描かれますが、注目してほしいのが合間に挿入されるあるメキシコ人少年の日常の風景。父と母と平凡な暮らしを送る、どこにでもいる少年の生活が淡々と定点観測されることで、本流で描かれる麻薬戦争の異常さや、ヒロインが直面する不条理な現実がグッと浮き彫りに。遠い異国で起こるこの物語をどう受け取るのか。私たちにも静かに問いかける、苦い余韻の残るラストシーンも必見です。

(文/松山梢)

●4/9〜角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
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フォトクレジット:Richard Foreman Jr. SMPSP

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