【鈴木拡樹さんインタビュー】「舞台は人間同士のやりとりを生で観てもらえる。その迫力を強みにできたら」

彼の名を世に知らしめたのは『刀剣乱舞』をはじめとする“2.5次元”舞台だった。その高い演技力でカリスマ的な人気を誇る俳優・鈴木拡樹さん。

数字をキーワードに、舞台にかける熱い想いと素顔をひもときました。
【鈴木拡樹さんインタビュー】「舞台は人間同士のやりとりを生で観てもらえる。その迫力を強みにできたら」_1
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僕は優れた才能なんて何ひとつ持っていない。すべて“不器用”から始まっています

漫画やアニメの2次元作品を3次元の世界で表現する“2.5次元”舞台。絶大な人気を誇るその舞台を中心に活躍。“憑依型”と評される完璧な役づくりでカリスマ的な人気を集めてきた鈴木拡樹さん。

「実は、僕が初めて舞台を観劇したのは20歳の頃。それまでは一度も舞台を観たことがなかったんです」

出合う前は自分とはまったく縁のない世界だと思っていた、芝居の世界に飛び込んだのはその直後。知りあいに誘われて観た一本の舞台が鈴木さんの人生を大きく変えた。

「舞台の迫力に撃ち抜かれ、気づいたら役者の道を歩んでいました」

そんな経験を語りながら「僕自身もそうでしたが、何かきっかけがないと舞台観劇への第一歩は踏み出しにくい。でも、絶対に観たら胸打たれるものがあるので。このページがモア読者の皆さんの“一歩踏み出すきっかけ”になったらうれしいです」と続ける。映画やドラマと鈴木さんの活躍の場は広がるばかりだが、舞台にかける想いはとても熱い。

僕は優れた才能なんて何ひとつ持っていない

今回のインタビューは舞台『アルキメデスの大戦』について。鈴木さんは主役の天才数学者・櫂 直を演じるはずだった。残念ながら、新型コロナウイルスの影響で公演は中止になってしまったが、今作に関してもこんな熱い想いを語っていた。

「原作は漫画であり、すでに映画化もされている作品ですが、舞台は人間同士のやりとりを生で観てもらえる。その迫力を強みにできたらと考えています。僕が演じる櫂 直には似ていると感じる部分も。残念ながら僕は数学は得意ではないのですが(笑)。櫂の物ごとにのめり込む性質は近いものを感じます。集中すると、自分でも気づかないうちに世界がそれだけになってしまう。話しかけられても会話が全然成立しないこと、僕もよくあるんです(笑)」

取材時、鈴木さんの興味の対象は櫂 直という役柄に。「彼のルールをひとつひとつ見つけていく、その作業がとても楽しい」と楽しそうに語っていた。櫂 直が数学オタクなら、鈴木拡樹は芝居オタク。完璧な芝居を届けるための努力を欠かさない、そのストイックな姿勢はとても有名。なぜ、そこまで真摯に向きあえるのか理由を尋ねると……。

「僕は優れた才能なんて何ひとつ持っていない。すべて“不器用”から始まっているので。努力は必要であり当たり前のことなんです。自分のやり方に固執せず柔軟に進化する。これも大事にしていること。自分の意見も大切ですが、相手の意見が素敵だなと感じたらそれはすぐ脇に置きます。自分のちっぽけなプランにしがみつくよりも、絶対にそっちのほうが成長できると思うので」

これだけの人気を誇りながら驚くほどに謙虚。舞台に立つ姿はもちろんのこと、身にまとう空気はふわりとやわらかく、素顔もとても魅力的な鈴木さん。最後にこんなおちゃめな一面まで披露してくれた。

「僕、土地の名前に弱いんです。たとえば共演者に『昨日の仕事場はどこだったの?』と聞かれて銀座だったのに『六本木』と答えてしまったりして。自分でも不思議なほどよく言い間違えるんです。あとになって『あ、銀座だった!』と気づくのですが訂正するほどの内容でもないのでモヤモヤと罪悪感だけが残る結果に……。言い間違える可能性がかなり高めなので、場所や道は僕に尋ねないことをおすすめします(笑)」
INFORMATION
このインタビューは公演中止発表前に行われたものです。6月30日から上演予定だった舞台『アルキメデスの大戦』は全公演中止となりました。詳細は公式ホームぺージにてご確認ください。■https://www.tohostage.com/archimedes/

PROFILE
すずき・ひろき●1985年6月4日生まれ。大阪府出身。2007年、テレビドラマ『風魔の小次郎』で俳優デビュー。劇団☆新感線『髑髏城の七人 Season月《下弦の月》』や舞台『刀剣乱舞』シリーズなど舞台を中心に活躍。映画『死神遣いの事件帖-傀儡夜曲-』が公開中

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