氷の上と床の上は別世界なんです!

【髙橋大輔さん直撃インタビュー】「男は3の画像_1

2010年のバンクーバー五輪で銅メダル、同年のトリノ世界選手権で優勝、12年のグランプリファイナルでも金メダルを獲得……などなど数々の“日本人男子初”を成し遂げ、男子フィギュアスケート界を引っ張ってきた髙橋大輔さん。 14年10月に現役を引退したあとは、国内外のアイスショーを中心にスポーツキャスターやニュース番組のキャスターなどで活躍。そして、今年はなんと、ダンスショー『LOVE ON THE FLOOR』に初挑戦するんです! そこでデイリーモアでは、新たな舞台に立つ髙橋さんへインタビュー。3月に30歳になった心境なども聞いてきました! ――6月30日から上演のダンスショーにゲストダンサーとして出演しますが、いつ、どんなきっかけで出演を決めたのですか? 「実は、現役時代から出演オファーはいただいていたんです。でも、当時はお断りしていました。ダンスへの興味はあったけれど、床の上で踊る姿を、たくさんの人に見せるなんて考えたこともなかったので(笑)。 現役を引退してからは、具体的にやりたいこともなくて、どこかフラフラした(笑)生活を送っていました。ニューヨークへ語学留学もしたのですが、時間が経つにつれて、『そろそろこの時間がもったいないな。日本でいろんな仕事をやってみようかな』と思い始めたんです。そのタイミングに、またダンスショーのお話をいただいたので挑戦してみようと」 ――今までやってきたフィギュアスケートではなく、新しいことに挑戦することに不安や葛藤はありませんでしたか? 「もちろん不安はありましたが、ダンスの練習を始めてからは、より増しましたね。『(取材時から本番まで)あと1カ月で仕上げるのはムリでしょ』って。リハーサルを重ねている今でも、すごくプレッシャーを感じていますし、怖い気持ちもあります。もしいま、『辞退したいならしていいよ』って言われたら、辞退しちゃうかも(笑)。 でも、自分にとってはチャンスだとも思っているんです。新しいことを吸収できるよい機会ですし、少なからず『舞台に出たい』、『ダンスをやってみたい』という気持ちもあったし、そもそも出たくてもなかなか出ることができないステージなので。だから今は『オファーをしたのは自分じゃないし!』って開き直ることにしています(笑)」 ――今回のダンスショーではアメリカのトップダンサーのシェリル・バークが構成・演出と主演を務めます。彼女や他の出演ダンサーたちと、L.A.でダンスの猛特訓やリハーサルをしたそうですが、その時のエピソードを教えてください。 「基礎レッスンをしてから、ショーの振り付けに入ると思っていたんです。だけど、いきなり振り付けを覚えることからスタートしたので焦りました。『そんな話じゃなかったじゃん!』って(笑)。だから、L.A.での1週間は、必死で振り付けを覚えていました。でも、体が思うように動かなくて……。朝から晩までみっちり動いたのがひさしぶりだったし、ダンスは、フィギュアで鍛えた部位とは違う筋肉を使うので、毎日、全身筋肉痛でしたね」 ――氷上に比べて、舞台の上はそんなに違うものですなのですか?  「全然違うんです! 僕はスケート靴という重りがあったほうが、脚が上がるというか、靴がないと軽くてなかなか上がらないし、フィギュアスケートは遠心力を使って動いていることが多かったので、回転するにも、『どうやって動けばいいんだろう……』『ここからどうやって回ればいいんだろう……』とか。ただ回る分にはいいんですけど、キレイにカッコよく見せながら床の上で踊るということがすごく難しかったですね。シェリルや他のダンサーと同じ事をやっているつもりなのに、全然同じ動きじゃなくちょっとダサい感じでした(笑)」 ――でも、フィギュアに似ている部分や、培った表現力を見せられるところもあるのでは? 「これはできた!」という部分はありますか? 「なんにもなかったです(笑)。僕の今のレベルは、表現力をどうこういう前の段階の問題なので。フィギュア時代に培ったもので活かせたものはないですね。あるとしたら……振り付けを覚えるのが早いくらい。そのくらい床の上でのダンスは、新しいことを吸収するばかりでした」

仕事のストレスは仕事でしか発散できない!

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――いまはダンスショーを始め、お仕事の幅も広げ始めていますね。これからとくに興味を持っている分野はありますか? 「特にこれっていうものはないんです。スケートならアイスショーだったりやりたいことは思いつくんです。だけど、スケートと比べてしまうと、それほど興味を持てるものがなくて。少し興味を持っても、時間が経つと『いまはやらなくてもいいかな』って気持ちが冷めちゃうんですよね。でも、今はもっと幅を広げるために、色々と試行錯誤しながら勉強中です」 ――スケートへの興味や関心はやはり現役時代とは変わらないんですか? 「いや、それは変わりました! 引退後、迷いながらも、スケートに関わる仕事は続けると決めて。その一方で、新しく挑戦する分野や、今まで苦手だと思っていた分野の仕事も、自分にプラスの経験になるだろうからやるべきとも決めたんです。 だから、ちょうど今、自分のフォーカスが新しい仕事に向いていて。仕事って楽しい時もあれば、すごくツラい時もあって、その差が激しいんですよね。でも、スケートに関しては、そういう気持ちの振り幅が小さく変わったんです。簡単に言うと、スケートは気持ちがラクな分野になりました」 ――ではいま苦手な分野にチャレンジしようと思ったのは現役を引退して、2年ほど経ち気持ちを切り替えられたからですか? 「そうですね。僕は、引退後の2年間で『楽しいんだけど、そこまで楽しくない』という心のくすぶりを経験したんです。だからこそ、『楽しい!』と『楽しくない!』の感情の振り幅がすごくハッキリする、今のほうが充実してると感じられています。引退後、すぐに気持ちを切り替えても勢いで仕事をこなせたかもしれない。でも、現役の時はその感情の振り幅が非常に大きかったので、勢いだけで新しい分野や苦手な仕事をこなしていたら、ただ疲れだけを感じて、充実してるって思うことはなかったかもしれないですね」 ――感情の振り幅が大きいと、ストレスもたまりがちだと思うんですが、その発散法や解消法などはありますか? 「それがないんですよね〜。無趣味なので、休日も家でずっとテレビを観たりとか、買い物したりとか、お酒を飲んだりしてるくらい(笑)。発散法かぁ、なんだろう……。でも、結局、自分がその時にやっていることが成功しないと発散できないというか、チャラにならないと思うんですよね。だから、僕は仕事をしていないほうが、ストレスがたまるかもしれない。仕事では失敗したら失敗したで、『自分が悪かったな』って原因もわかりますし。 僕の場合は、仕事を評価してくれる人がまわりにいるから、成功したらいい気分になるじゃないですか。だから仕事をこなすことこそ、ストレスの発散や解消にもつながっていると思います」

40代、50代でモテる男になりたい。

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――今年の3月で30歳になりましたよね。モア世代女子にとって、30歳は、「結婚していたい」「転職していたい」など人生において、ひとつの区切りとなる年齢なのですが、男性も30歳って意識するものなんですか? 「特に意識はしてなかったです。でも、たまたまタイミング的に30歳が区切りの年になりましたね。8歳から始めて約20年間スケートをし、引退したのが28歳の時。それから2年間ほど留学したりした後、『よし!何かしよう!』と決意したタイミングで30歳になったんです。なので、『30歳からまた新たな人生がスタートするな』と思いましたね」 ――では、30代の男性として「こんな風に成長したい」などの願望はありますか? 「40代、50代でイキイキしていたいんですね。だから、『いい年の取りかたをしたね』と言われるように、30代でできる限りのことを経験したいですね。『男は30代からが人生の本番で、40代、50代になった時に30代の行動が顔に出る』と聞いたことがあるので。今はまだ本当にやりたいことが定まっていないので、それが定まるまでは、苦手な仕事も含めいろんなものに手を出してみようかなと。その中で、自分がやりたいことが出てくるかもしれないし、向き不向きもわかるはずですし。 10年後、20年後に充実した仕事ができたり、楽しい人生を送れるかというのは、30代をどう過ごすかにかかっているのかなと人生の先輩方の意見も取り入れながら、勝手にそう思ってます。あと、今モテるよりも、40代、50代でモテたいですもん(笑)。40代、50代でモテたら人生の後半が楽しいだろうなって。それを想像して今を生きてます(笑)」

取材・文/宮平なつき 撮影/亀田亮 衣裳協力/alpha+GINZA

(プロフィール) たかはし・だいすけ/1986年3月16日 生まれ、岡山県出身。8歳からスケートを始める。2006年トリノ五輪8位入賞。10年バンクーバー五輪銅メダル。トリノ世界選手権優勝。12年グランプリファイナル金メダルなど輝かしい実績を残し、14年、現役引退。現在は、国内外のアイスショーやスポーツやニュース番組のキャスター、などで活躍中。

>>高橋さんの公式サイト
【髙橋大輔さん直撃インタビュー】「男は3の画像_4

『LOVE ON THE FLOOR』 アメリカのトップダンサー達とトップフィギュアスケーター達が集結。「ときめき」「情熱」「嫉妬」「無償の愛」といった、愛という感情の持つ様々なストーリーを、卓抜したダンスの技術を通じて表現する、世界初のダンスショー。6月30日(木)~7月9日(土)まで、東急シアターオーブ(東京・渋谷)にて上演。

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髙橋さんの新たな挑戦をテレビでもチェック!

【髙橋大輔さん直撃インタビュー】「男は3の画像_5

ダンサーとして表舞台に立つ、人生初の“挑戦”へ新たな一歩を踏み出した髙橋さんの数カ月に独占密着した番組、『髙橋大輔in LA 完全版(仮)』の放送が決定しました! インタビューでも話してくれたロサンゼルスでのダンスレッスンやリハーサル、公演直前の髙橋さんの様子や会場の模様などの貴重な映像もあるそう。 放送は、7月15日(金)23:00〜と、7月24日(日)の19:00〜に、CS放送・TBSチャンネル1で視聴可能です。ぜひチェックを!

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さらに!『髙橋大輔ダンス初挑戦! 木下グループ presents LOVE ON THE FLOOR』が、7月24日(日)21:00〜と、7月31日(日)15:00〜の2回、同じくCS放送・TBSチャンネル1にて放送されます。ダンスショーをもう一度テレビで見たい方、チケットが取れず、舞台を見に行けなかった方など、髙橋さんの新たな魅力を知りたい方、必見です!

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