姉妹を描いた映画に傑作が仲間入り! トルコの美しき青春映画『裸足の季節』

姉妹を描いた映画に傑作が仲間入り! トルコの美しき青春映画『裸足の季節』_1
『ヴァージン・スーサイズ』や『海街diary』など、美しい姉妹の物語を描いた映画に、またひとつ傑作が仲間入り! トルコの田舎町を舞台に、5人姉妹のみずみずしくもほろ苦い青春を描いた1本です。メガホンを取ったのは、長編デビューとなるデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督。トルコ・アンカラ生まれで、フランス国立映画学校で学んだ才女です。彼女がこの作品を製作しようと思ったのは、「現代のトルコにおいて、女性であるとはどういうことなのか」を考えたいと思ったのがキッカケ。フランスからトルコに帰国するたびに、「女性に関する全てが、絶えず性的なものに落とし込められている」現状に驚くほどの閉塞感を覚えたそう。
 
映画の中でも、学校生活を謳歌していた姉妹が、男子生徒と騎馬戦をして遊んでいただけで「男たちの首に下半身をこすりつけるなんてふしだら」と、一切の外出を禁じられ、純潔であることを証明するために処女検査まで受けさせられます。車が暗いトンネルに吸い込まれていく病院からの帰り道のシーンが象徴するように、古い習慣と封建的な思想によって一瞬にして自由を奪われていく姉妹たち。テレビからは「女たるもの、貞淑、純粋であれ」というアナウンスが流れ、子供を生産する機械のように扱う社会的思考に愕然とさせられます。

ただし、過酷な環境に置かれた少女たちの悲劇的なドラマではあるものの、見終わったあとに残るのは部屋に差し込むやわらかな陽の光や澄んだ瞳、風になびくロングヘアやピンクのブランケット、ブラウスに施された色鮮やかな花の刺繍など、美しくまばゆい光景ばかり。自由を奪われながらも、そこから抜け出そうと奮闘する彼女たちの力強い生命力に魅了されます。再びトンネルを抜け出し、外の世界に飛び出すことができるのか。反逆のドラマに注目を。

(文/松山梢)

●6月11日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー

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