• ◆どんな時にいくら必要かを知る 「結婚の場合はご祝儀、出産なら公的補助など、かかる金額は大きくても支援が期待できるので、それほど気にする必要はありません。一方、子どもの教育や病気、老後については、人生におけるさまざまな可能性を考えながら備える必要があります」(井戸さん、以下同) 異動や昇進、転職によるスキルアップなどで給与の額に個人差が表れ始める20代後半は、生活スタイルや貯蓄額にも変化が生まれるタイミング。だからこそ、ライフイベントの平均額を知ることが、マネー賢者への第一歩に。 「“人生100年”といわれる時代に、どんな働き方を何歳まで続けるのか、リタイア後はどう過ごすのか、イメージすることが大切。そこからお金とのつきあい方を考えていきましょう」
  • ◆結婚 約418万円 出典/「ゼクシィ 結婚トレンド調査2018」 『リクルート』の「ゼクシィ 結婚トレンド調査2018」によると、挙式・披露宴と新婚旅行の総額は全国推計値で平均418万3000円。新婚旅行は平均61万2000円。挙式・披露宴の平均は357万5000円で20代後半の平均は374万6000円だった。 また、神前式は約25万5000円、ハウスウェディングは約21万9000円と結婚式の形態によっても金額差あり。海外ウェディングは航空代金や宿泊費を含め平均203万円。ご祝儀総額は平均232万8000円で、自己負担は平均142万8000円だった。
  • ◆出産 約51万円 出典/公益社団法人 国民健康保険中央会「出産費用平成28年度」 入院料や室料の差額、分娩料、検査・薬剤料、処置・手当料などを含む出産費用の総額は平均で50万5759円だが、医療機関によって数万円の開きがある。それぞれの平均額を見ると、病院の場合が51万1652円、診療所は50万1408円、助産院では46万4943円となった。さらに無痛分娩ならプラス10万円前後、帝王切開は20万〜22万円が追加される見込み。 「金額は大きく感じるかもしれませんが、手厚いサポートがあるので心配しすぎないで!」
  • ◆教育 約540万円〜1770万円 出典/文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」 「教育費は、進学先が公立か私立か、そして学習塾に通うかどうかで大きく異なります」 たとえば、幼稚園に入園する3歳から高校卒業まですべて私立に通った場合、学習費の総額は約1770万円。すべて公立に通った場合は、約540万円で、その差は実に約3.3倍! この金額に専門学校や大学の費用がプラスされる。 国公立大学は4年間で約243万円、私立大学理系は約522万円と2倍以上。習いごとや学習塾に通えば、その分の費用も上乗せされる。
  • ◆病気 約22万円 出典/公共財団法人 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」平成28年度 入院時の自己負担費用の平均は22万1000円、1日あたりの自己負担額の平均は1万9835円。医療費はもちろん、病気やケガで一時的に働けなくなったり、退職するなど万が一の事態に備えて、予備資金も確保しておきたい。 「働けない期間に加え、転職や退職に備える保障として、一般的に生活費の3カ月〜1年分の資金を確保しておくと安心です。3カ月はあっという間なのでそれ以上、できれば1年分あると気持ち的にも余裕を持って行動できます」
  • ◆老後 約8400万円 出典/『35歳・年収300万円でも結婚して子どもを育てて老後を不自由なく過ごす方法を聞いてみた』(総合法令出版) 夫婦ふたりの場合、老後に必要な生活費は最低でも月22万円前後、ゆとりある生活なら月約35万円で、20年間で考えると約8400万円。ひとり暮らしの場合は約19万円が平均値。 「生活費は現役時代の7割が目安です。個人差はありますが、余裕資金は年間50万〜100万円が目安といわれています。ただ、年を重ねるにつれて服飾や美容にかけるお金も、数より質で長く楽しむことができるはず。自分に必要かどうかを見極めることで、コストは縮小できます」
  • 『出費がかさむ「ふたつのF」って? 』 ふたつの“F”だけ予算を決める 「せっかくだから」と、ついつい財布のひもをゆるめがちなのが変動費の“食費”と“自由費”。 「このふたつは固定費と違って感情が高ぶりやすく、衝動遣いにつながりやすい費目。後悔しないで思いきり楽しむためにも、予算の上限を設定しておきましょう」(風呂内さん、以下同) 手取りに対する割合の目安は食費が15%、自由費が10%で合計25%。手取り20万円なら食費が3万円、自由費が2万円という計算に。 「どちらを多くすると気分が上がるかは人それぞれ。上手にバランスをとりながら、トータルで5万円に収まれば問題ありません。予算オーバーしがちな人は、それが欲しい理由(欲望)を細分化してみましょう。低価格なものに置き換えることができれば、支出も抑えられます」
  • ①Food 食費 ●自炊用の食材 ●自分だけが食べる外食 ●飲み物やおやつなど 食費は“自分が食べる食事”が対象。ただ、自炊やひとりごはんよりも友人との外食が多い人は、その分も食費として予算立てを。 「食費を抑える基本は、自炊すること。そして、定番アイテムの置き換えです。たとえば毎晩ビールを飲む場合、好きなのはビールの味? あるいは爽快感? それともアルコールのほろ酔い気分? ビールが好きな理由を細分化して考えた時、どれかひとつでも満たせばいいなら、ノンアルコールビール(味)や炭酸水(爽快感)などに置き換えが可能。好きなものを我慢したり、やめるのではなく、“置き換える”ことで満足感を得ながらしっかり節約できます」
  • ②Free 自由費 ●洋服やコスメ ●趣味や娯楽 ●飲み会を含む交際 「私自身、若い頃は交際費がいちばん大きかったので、“飲み会やディナーをランチにする”というマイルールを設定。楽しさはそのままで、お金と時間を節約することができました」 モア世代の場合、交際費はもちろん洋服やコスメ、アクセサリーや趣味のアイテムなど、支出の誘惑が多いのも悩みのタネ。 「人は瞬発的に使いたくなってしまう生きもの。けれど、それは必要な消費ではなく、ただの“浪費”です。本当に欲しいものを厳選するコツは、3回見ても欲しいものだけを買うこと。時間をおくことで衝動的な欲求がクールダウンするので効果テキメンです!」